ボタン
ボタン、ってね。
実は、すごく、すごく、心細くて。
いつでも、孤独なんだよ。
だって、自分と、自分の隣と。
自分の足元と。
どこを見たって、自分とは違う。
同じものでは、ないのだから。
違うものに引っ張られながら。
訳もわからず。
つなぎとめる役目になるんだ。
互いに、知らない物同士。
知らない物が、つないでいるんだ。
理解なんて、できないまま、つないでいるんだ。
何で、つないでいるのかなんて。
誰かが、そうしろって言うから、つないでいて。
誰も、そうしろって言わなければ、つなぐ役目なんか、きっとしたくない。
引っ張られて、引っ掛けられて。
足元が千切れたら、見捨てられる。
理不尽。
遠くへ行きたい?
外の世界は、最初にとおる、小さな穴を抜けた先。
さよならを言われるのも、最後にとおる、小さな穴を抜けた先。
さよならを言われたら、理不尽から遠くへ行ける。
もう、誰も、ツナガラナイ。
孤独と、理不尽と。
捨てられたら、助かろのかな。
それとも、何も感じなくなるだけ?




