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漸く…漸く書けたよ!リンクス編!


長らくお待たせしました(;´Д`A気付けばお気に入り登録3000件突破!重ねてお礼を申し上げます。


そんな今回は、

負けるな!リンクス!!GO!GO!リンクスψ(`∇´)ψ


ファイトーッ!

ってな感じでどぞ!

時を少し遡り、後宮のある一室では、宰相に待機を命じられた護衛が呆然と片膝をついたまま固まっていた。


その横で食べる者のいなくなった食事をテキパキと片付ける部屋付きの見習い侍女。その侍女であるサリは、固まったままの護衛、リンクスを見ながら馬鹿らしいと思っている。


大変主思いの彼にも、その主であったヤヤを連れて行ったのが皇帝では如何様にも出来はしない。

サリはざまぁみろと意地の悪いことを思いながら、片付けた食器などが乗ったワゴンを押しながらヤヤの部屋を後にした。


サリが去って行った後も、暫く固まったままのリンクスであったが、何かに気づいたように猛然と部屋を飛び出し、ある場所へと向かって走り出した。


(ヤヤ様!待っていてください!!)


何やら熱い使命に燃え出したリンクスは、最後に伸ばされたヤヤの手を思い出していた。


ヤヤの言った一度切りの寵愛ではなさそうな皇帝の様子に、リンクスは己の配置換えが近々行われるのではないかと思い至ったのである。


現在の後宮は男性騎士がちらほらいるが、男性騎士がつくのは下級貴族か市井から選び出された側室ばかり。

今まで皇帝が後宮の女性に手を出さなかったために、寵愛云々で部屋の移動や護衛の異動などなかったのだが、ヤヤが連れ去られた今となっては、あり得ないことではなかった。


それに気づいたリンクスは、自分の上司である騎士団長イセルにこれまで通りヤヤの護衛であるために直談判をしに行くことを決めたのだった。


とは言っても、騎士団長であるイセルは常にいるところが決まっているわけでもなく、ふらふらしては何処に出現するのかわからない。


騎士団長ともなれば、執務に追われて、騎士団長専用執務室にいてもおかしくないのだが、その執務室には滅多にいないことで有名だった。


一番目撃される場所といえば、軍の演習場。リンクスはその場に己の上司がいることを切に願った。


リンクスの中では、ヤヤから配属を外されるというのは、一刻の猶予を許されない緊急事態。なんとしても配置換えを阻止しなければと、懸命に足を動かしていた。


そんなリンクスは、セリウスの待機命令などは取るに足らないものであった。


「はぁ、はぁっ」


息を切らすほど急いで演習場に来たリンクスであったが、近くにいた兵士にイセルの所在を尋ねると思わしくない返事が返ってくる。それでも、諦めきれずに自らの足と目で演習場内を探したが、イセルの姿を見つけることは出来なかった。


ヤヤとの距離がぐっと開いた気がして、リンクスは弱気になりそうな自分に喝をいれるために唇を噛み締め、拳を握る。


そして、次によく目撃されている城にあるいくつかのサロンを巡ることにする。


(サ…サロン。…いやいや、サロン如き今の俺の敵ではないっ!)


気の合う主従なのはよく似ているから、リンクスもヤヤと同じく人付き合いがあまり得意な方ではなかった。ただ相手に中々警戒心を抱かれないリンクスは、よく知らない相手に話しかけられることが多い。そんな時はいつも戸惑ってしまい、ヤヤに助けてもらっていたのだ。


そんなリンクスにとって、紳士淑女が情報交換や噂話、愚痴などをこぼす為の場所であるサロンなどは鬼門でしかない。しかし、イセルがここにいない以上どんな嫌な場所でも虱潰しに探すつもりだった。


サロンに向かう為、キッと正面を見据えると、そこに見えたのはふらりと現れたイセルの姿。


(た、助かったぁ…)


ホッと胸を撫で下ろすリンクス。


「団長っ!!」


サロンに向かう必要がなくなったリンクスは、イセルを呼ぶ声にも熱が入った。


「ん?」


リンクスの声に気づいたイセルは、後宮配属の騎士が演習場にいることに首を傾げた。


イセルは普段は絶対にそう見えないが、自分の部下たちの顔と名前、身元までしっかりと覚えている。この辺りはセリウスと似ているのだが、もし誰かに指摘されればセリウスが嫌がることは明白であった。


「貴方は確か、リンクスでしたね」


「ハッ!後宮にて側室護衛を担当させていただいています。お名前をご存知とは恐縮であります」


イセルとリンクスは数える程しかあったことはなく、言葉を交わしたことは皆無であった。


「団長、お忙しいとは思いますが、少しだけお時間を頂けませんでしょうか」


そう言ったリンクスは、遠のいていたヤヤとの距離が近くに戻ってきたのを感じ、苦手なサロンに行かずに済んだことも相俟って、涙が出そうになりながらイセルに真剣な眼差しを向けた。


リンクスの人柄までは、流石に知らないイセルは、リンクスの青い瞳が僅かに潤んでいるのに気づき、自分も後宮で気になることがあった為、リンクスに是と応えてやった。


(これで、ヴァンの相手のことがわかればめっけもんだなっ)


呑気にそんな事を考えるイセルは、リンクスがその相手の護衛とまでは気づいていなかった。



ってな感じで、ヴァンディットの裏をかこうとあがくリンクス。


イセルはどうするんでしょうね( ̄▽ ̄)

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