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研修生と化物の女王  作者: shio
第四章 たった一つの気持ち
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「それはそうと、古城学園の魔法使いどもはどうだった?」


 父の言葉に、リアは俯いたままビクッと身体を震わせた。


「はは、謝るばかりでしたよ。所詮は魔法を使うだけのただのガキです」

「そうか。まあ、そうだろうな。精々、もがき苦しめばいい」


 ひとしきり蒼瀬源二は笑った後、口を歪ませた。


「これからもっと苦しむことになるんだからな。魔法使いなぞ人間以下だ、早くいなくなればいい」

「――ごめんなさい」


 小さな呟きに、蒼瀬源二は視線を向けた。


「ごめんなさい……ごめんなさい……」


 リアは小さな声で謝り続けた。涙をながしながら、何度も何度も。


「これから動くとなると研究も早く進めねばならんな。規制が強くなれば、魔法使いの反抗もありえる。その前に準備しておかなければならん」


 だが、蒼瀬は何事もなかったように報告書に目を戻し、助手である井田に話を続けた。


「そうですね博士。すでに、上からの連絡も受けています。研究を早く進めるようにと」

「ふん、まったくそういうのなら捜査をとめさせればいいものを。まあいい、今回のことで私への疑いもなくなるだろうからな」


 報告書を井田に返しながら、蒼瀬はまるで買い物を頼むように付け加えた。


「材料をさがしておけ」

「――――!!」


 リアは身体を震わせて、顔を上げた。


「もう隠れて研究する必要はなくなる。子供がいい。あいつと同じような魔法使いの子供を」

「もうやめてっ!」


 リアは身体を震わせ立ち上がり叫んだ。


「お願い……パパ。ママが好きだったパパに……パパに戻って」


 震える手を握り、震える声を搾り出し、涙を流したままリアは呟いた。

 祈るように、願うように……言葉が届くように、想いが伝わるように。

 ――だが、それでも、


「幼児もいるな。魔法使いの幼児なら、金を出せば喜んで差し出す人間もいるだろう」

「…………パパ……」


 声は届かない。気持ちは伝わらない。こんなに叫んでも、何も変わらない。


「あれは、どうせすぐに駄目になる」


 指をさされる。自分へと。


「だめ……」


 それは駄目……私みたいな子を増やしちゃ駄目。


「だめ……やめて……」


 苦しむのは私だけでいい。


「材料は多いほうがいい」

「だめぇぇえええっ!!!」


 もう一度叫ぶ――

 

 ――と、同時だった。


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