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研修生と化物の女王  作者: shio
第三章 同じ二人
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「授業は受けなければいけないものだからみんな受けている、と思っている人がほとんどだと思う。授業の意味なんて考えずに。じゃあ、何故授業を受けるのか、授業は何の為にあるかといえば、みんなこう答える。『子供の成長のため』だと」


 紅耶は歩きながら淀みなく話していく。先生でもない紅耶が、こういうことを話すのは不思議と言えば不思議だったが、何故か違和感はない。


「では、ここで質問。『授業や勉強じゃないと子供は成長できないのか』。リアはどう思う?」


 また質問され、自分のことと何か関係があるのだろうかとどこかで思いながらも、リアは質問の答えを考えるために少し俯いた。

 すっかり暖かくなった春の風を感じながら、思考を巡らせる。とはいっても、そんなに難しい質問ではない。勉強だけで子供が成長できるかどうかという質問なら、答えは簡単だった。


「ううん、勉強じゃなくても成長はできると思う」


 少し間を空けてはっきり答えたリアに紅耶は満足そうに頷く。


「わたしもそう思う。成長と一言でいっても、実は何故授業を受けるのか、と同じくらいに曖昧に考えている人が多い。それを考えれば、勉強の教え方も変わってくると思うんだけど」


 言葉を止めると同時に、紅耶は足を止めた。それに気付きリアも紅耶の横で立ち止まる。


「んじゃ、結局のところ一番なにが大事か」

「……なにが大事なの?」


 立ち止まった紅耶を見上げて問いかける。すると、紅耶は腰を落としてリアに目線をあわせるとにこっと笑って、とんっと胸を拳で叩いた。


「ここの成長が一番大事」

「ここ?」

「心の成長」


 紅耶は一言そういうと、腰を上げて空を見上げた。


「さーて、じゃあ今度は屋上にいこうか。こんな陽気だと気持ちいいよ、きっと」

「…………」


 叩かれた感触に胸に手を当てる。紅耶の言葉の意味は分かるようでわからない。


「いくよ、リア」

「……うん」


 疑問というよりも不思議な感覚を感じながら、再び歩き始めた紅耶の後についてリアは歩き始めた。


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