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研修生と化物の女王  作者: shio
第三章 同じ二人
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(馬鹿馬鹿しい)


 魔法使いのことも、魔法都市のことも大人たちが勝手に決め、勝手に問題を作り、勝手に怯え、勝手に憎んでいる。

 今がまさにそうだ。この会議が馬鹿馬鹿しいものでなくてなんだというのだ。


「どう責任をとるつもりなんですか!」


 シリスが黙っていることに業を煮やしたのか、役員の一人が立ち上がり大声を上げた。

 その大声で自分が思ったよりも長く思索していたことに気づきながら、シリスは静かに口を開いた――馬鹿馬鹿しい『尋問』に戻ることには嫌気が差したが、そこはこちらが大人になって我慢して。まあ、答えるのが面倒で黙っていたのだが、確かにどれだけ時間を潰しても無駄なのも分かっている。できるなら学園で昼食は食べたい。


「ええ、ですから蒼瀬リアのことは全てわたしに任せてください」


 短い返答に、別の役員が更に声を上げた。


「あなた一人の問題でもないでしょう? 分かっているんですか、あの蒼瀬源二の娘が古城学園にいることが分かってしまったんですよ。この意味が分からない生徒会長でもないでしょう」


 意味など分かっている。分からないはずがない。生徒会長になってからずっとその問題に付き合わされてきたのだから。


「下手をすれば、十年前の再現になりかねん」


 役員の中でも年長の男――老人というにはまだ若いが、確か五十は超えていただろうか。その男が、ぼそりと、だが、多分に中傷の意味を込めて呟く。


「…………」


 睨むことはせず、シリスは笑い出しそうになる気持ちを抑えて内心で溜息をついた。

 その言葉の意味もよく分かっている。分からないはずがない。魔法都市が完成して起こった騒乱――いや、争乱を鎮めた張本人が自分自身なのだ。

 馬鹿馬鹿しかった。周りの大人たちも分からないはずがないはずだ。だからこそ、それを分かった上で馬鹿にするように中傷した。


「いえ、十年前よりも悪くなる可能性があります。魔法使いと政府だけの問題じゃない。魔法使い同士の問題になることも否定できません」


 中傷は続く。悪いことをした覚えはないのに中傷されるのは腹が立つものなのだろうが、シリスはもう慣れていた。

 どんなに周りのことを考え物事が上手く進んでいたとしても一緒だった。どんな時でも、何をやっても中傷されてしまう。諦めたくはないが立場というのができてしまうと仕方がないことなのだろう。

 だったら、何も気にしないほうが良かった。何をしても中傷されてしまうのなら、何も気にせず好きにやったほうがいい。


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