26
「…………」
夕陽が落ち始め闇が満たしていく部屋の中、電気もつけないままリアはベッドに座っていた。
「…………」
ほっとしている自分がいる。こういうことに……自分が嫌われることに安心している自分が。
悲しさや寂しさはなかった。こうなることを望んでいたから。こうなったほうが良かったから。
もう、悩むことも、迷う必要もなくなったから。
「…………」
――――いいの、もう。
そのままリアは、横に倒れこんだ。ぎゅっと握った両手を胸にあて、自分を守るように身体を縮こませる。
もう、みんなと触れ合えない……紅耶や水沙や鈴とも。
拒絶しようとしても周りにいてくれた三人。でも、これで拒絶する理由も分かってくれる。
これで苦しむことはない。
拒絶する罪悪も、自分への嫌悪も感じる必要はない。拒絶して、拒絶されて当然になったから。
(…………)
――――それなのに。
ずっとずっと涙が出るのはどうして?
こんなの駄目なのに……思っちゃいけないのに……。
「…………苦しいよ……」
呟き嗚咽を堪えるリアに、静かな部屋は誰も何も応えてはくれない。
夕陽が傾き、そのまま静寂と闇が包んでいく。
――と、そんな時だった。
「……っ」
音が聞こえ、リアは息を止め身体を震わせた。
闇が染めていく中、蛍のように机の上で瞬く光。そして、聴き慣れた音。
リアは涙を拭わないまま身体を起こすと、机にゆっくりと歩いていき、静かな部屋に音を響かせている携帯電話を手に取った。




