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研修生と化物の女王  作者: shio
第二章 転入生、蒼瀬リア
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26


「…………」


 夕陽が落ち始め闇が満たしていく部屋の中、電気もつけないままリアはベッドに座っていた。


「…………」


 ほっとしている自分がいる。こういうことに……自分が嫌われることに安心している自分が。

 悲しさや寂しさはなかった。こうなることを望んでいたから。こうなったほうが良かったから。

 もう、悩むことも、迷う必要もなくなったから。


「…………」


 ――――いいの、もう。


 そのままリアは、横に倒れこんだ。ぎゅっと握った両手を胸にあて、自分を守るように身体を縮こませる。

 もう、みんなと触れ合えない……紅耶や水沙や鈴とも。

 拒絶しようとしても周りにいてくれた三人。でも、これで拒絶する理由も分かってくれる。

 これで苦しむことはない。

 拒絶する罪悪も、自分への嫌悪も感じる必要はない。拒絶して、拒絶されて当然になったから。


(…………)


 ――――それなのに。

 ずっとずっと涙が出るのはどうして?

 こんなの駄目なのに……思っちゃいけないのに……。


「…………苦しいよ……」


 呟き嗚咽を堪えるリアに、静かな部屋は誰も何も応えてはくれない。

 夕陽が傾き、そのまま静寂と闇が包んでいく。

 ――と、そんな時だった。


「……っ」


 音が聞こえ、リアは息を止め身体を震わせた。

 闇が染めていく中、蛍のように机の上で瞬く光。そして、聴き慣れた音。

 リアは涙を拭わないまま身体を起こすと、机にゆっくりと歩いていき、静かな部屋に音を響かせている携帯電話を手に取った。


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