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「――みんなおかしいよ!」
昼休みに言った時と同じように声を上げ、鈴はテーブルをバンッと叩いた。
「落ち着いて鈴ちゃん」
そして、昼休みと同じように鈴をなだめて、水沙は向かい側に座っている女性――生徒会長のシリスを見つめた。
教室での出来事の後、水沙と鈴はリアを探したが見つけることができなかった。授業が始まる前には教室に戻ってきたものの、話しかけてもリアは「大丈夫だから」とすぐに会話を打ち切りほとんど喋ってはくれなかった。
その後も授業だけは受けていたが、休み時間は水沙や鈴を避けるように一人でどこかに行き……放課後になってからもすぐにリアは周りを避けるように寮の部屋に帰ったため、無理に追いかけて部屋に押し込むわけにもいかず、水沙と鈴はこうして生徒会室に来ていたのだった。
「そうね。怒る気持ちもわかるけど、水沙のいう通り紅茶でも飲んで落ち着きなさい」
「~~~~っ」
シリスからも言われ鈴はむぅっと頬を膨らませると、ガタンッと椅子に座って紅茶を一気に飲み干した。そんな鈴を横目で見てから、水沙は鈴の気持ちの続きをいうように口を開いた。
「でも、私もやっぱりこのままは嫌です」
「もちろん、わたしだってこのままは嫌よ。だけどね、みんながリアに対してそういう気持ちになる理由も分かってあげて」
「それは……」
「そんなの分かんないっ」
言いよどむ水沙に、鈴は横からまた声を上げた。鈴にしてみれば、どういう理由があれ周りのリアを嫌う態度が我慢ならないのだろう。
「みんな仲良くすればいいだけじゃないか。なんで、なんでさ、あんな態度をするの?」
瞳に強い光りを讃えて、鈴は真っ直ぐに見つめてきた。
その瞳を見つめて、シリスは内心で微笑んだ。鈴のこの真っ直ぐさは大好きだった。この子は、ずっとこのままでいてほしい。
「わたしもそう思う。とどのつまり、みんなで仲良くできれば魔法都市なんてできなかったわけだしね。世の中なんていうのは難しそうでいて、実はものすごく単純に考えれば問題が解決することなんてたくさんある。いや、ほとんどと言っていいかな」
鈴に同意してそこまで言ってから、シリスはテーブルに両肘をつけて手を組むと、言葉に力強さを込めて鈴に言い聞かせた。
「鈴の気持ちは正しい。でもね、本当にお互いに分かり合って仲良くなるには、自分の気持ちを言うばかりじゃ駄目。ちゃんと相手の気持ちも考えないと」




