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「どういうことだよっ、みんな!」
午前中の授業が終り昼休みに入った途端、我慢できずに鈴は声を上げた。
「落ち着いて、鈴ちゃん」
横で水沙が鈴をなだめた。だが、水沙も鈴と同様、クラスのみんなに問いかけたい気持ちがあった。
「だって、おかしいよ! なんでみんなリアちゃんを避けるのさ! 昨日までは――」
「いいの、鈴」
静かな声に、鈴が途中で言葉を止めて視線を向けた。
「……みんなは悪くない」
「リアちゃん……」
戸惑う二人とは対象に、話の中心であるリアはまるでこうなることが分かっていたように落ち着いていた。
いや、逆に、周りの接し方が悪くなってからのほうが落ち着いているように見える。これが当たり前で自然なように。
「どうして……」
そのことがすごく悲しくて、水沙は問いかけた。
(嫌われたほうが自然に見えるなんて、そんなの――)
だが、水沙の問いには答えないまま、リアは席から立ち上がった。
「ありがとう、水沙、鈴。でも、もういいから」
にこっと微笑んで、そのまま教室の扉に向かって歩き始める。
「私は一人で大丈夫だから」
「リアちゃん!」
鈴の声には振り返らないまま、リアは教室を出て行った。
「リアちゃん……」
「……ごめんね、二人とも」
リアが出て行ったことを確認してから、クラスメイトの一人が近づいてきた。彼女は申し訳ないように謝ってから、話を続けだした。
「リアのお父さんのこと聞いて……蒼瀬源二って反魔法派の科学者で有名な人だって。それで、私たち……」
「だから、どうだっていうんだよ!」
だが、鈴は話を遮ると、謝ってきたクラスメイトというよりも教室にいる全員にいうように声を上げた。
「リアちゃんは関係ないでしょ!」
「関係ある」
別のクラスメイトの男子が口を開いた。
「娘なんだから」




