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研修生と化物の女王  作者: shio
第一章 古城学園生徒会
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17


「研修生ですか……そうですね。わかりました」


 シリスの意図を理解したのか、一応は納得して井田は頷いた。


「蒼瀬さんもいい?」

「……はい」


 聞いてきたシリスに、リアはこくっと小さく頷く。ただし、リアの場合は井田とは違って納得をしているというわけではなかっただろう。用意された状況に対して、ただ返事を返しているだけのように見える。

 ともあれ、返された返事にシリスは満足すると、転入の説明の終了を告げるように二人へと言った。


「転入に関するお話は以上です。なにか質問はあるようでしたらお答えしますが?」

「いえ、特にありません」


 と、すぐに答えたのは付き添いできた井田だった。当人であるリアは少し俯き気味で黙っている。

 シリスはリアにもう一度問いかけようとしたが……横に座っている井田の表情を見て言葉を止め、静かに頷いた。


「わかりました」


 そんなに長い時間説明しているわけではなかったが、井田は居心地の悪そうな表情をしていた。付き添いでくるほどリアの父親である蒼瀬源二に近い人間ならば、この男性にとっても魔法使いは嫌悪の対象なのだろう。

 かといって、ここで魔法使いの正当性を説明することもない。そう思い、シリスは立ち上がった。


「お時間を取って申し訳ありませんでした。これで転入の手続きは終了です」


 シリスにならって、井田とリアも立ち上がる。


「蒼瀬さんは、古城学園が責任をもってお預かりします」


 微笑みながら最後に挨拶して、井田に向かって手を差し出すが、


「よろしくお願いします」


 頭を少し下げるだけで、シリスの手は無視された。


「はい、わかりました」


 そのことを気にすることなくシリスは手を戻し、瑞穂に向かってお願いする。


「瑞穂、井田さんをお送りして。蒼瀬さんは、これからの生活のこともあるからここにいてね」


 リアがこくりと頷き、その後に瑞穂が返事をしてから井田をドアへと促した。

 促されるまま井田はテーブルから離れると、リアを見ることも声をかけることもないまま、ドアのほうへ歩いていき……そのまま瑞穂に送られながら部屋から出て行ってしまった。

 ドアが閉まる音とともに隣にいる水沙と鈴が緊張を解く。正式な場という緊張もあっただろうが、井田の態度に身体を強張らせていたのだろう。いくら表面を繕っても――井田の場合は繕うことなく隠してもいなかったが、いくら隠そうとしても大人の雰囲気はそのまま子供に伝わる。嫌悪と侮蔑と傲慢な態度……その態度が、水沙と鈴に恐怖を与え、身体を強張らせていたのだろう。

 それを横で感じながら、紅耶はリアへと視線を向けた。同じようにシリスもドアからリアへと向き直る。


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