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見慣れた……見慣れたといえるほど、ここにいる時間が多くなった生徒会室。この生徒会室に初めて入ったとき、少し立場は違うが自分も転入生だった。
そのことを思い出し、これから来る転入生のことを頭に浮かべる。果たして、転入生――蒼瀬リアはこの生徒会室に来てどういうことを思うのだろうか?
「――瑞穂」
シリスの声が聞こえ、紅耶は思考を止めて視線を向けた。電話はもう終っていたらしく、シリスは瑞穂へ呼びかけ瑞穂と初等部二人がいるテーブルの方へと歩いてきていた。
「転入生がもうすぐ着くみたい。悪いけど、学園入り口まで迎えに行ってもらえる?」
「はい」
にこっと微笑んで返事をしてから、瑞穂は水沙と鈴にテーブルの片づけをお願いすると部屋から出て行った。それを見送ってから、シリスは腰に手を当て、紅耶に向かってにっと笑った。
「さてさて、どんな子かな」
「もうすぐ分かるんじゃない?」
「ふふ、そうね。あ、でも、一つだけ確実に分かっていることがある」
「なに?」
聞き返すと、シリスはウインクしてから自信をもって言い切った。
「わたしと同じように、可愛い子ってこと」
「はいはい」
シリスの冗談に返事を返しながら、紅耶は今更なことに気づいて内心で苦笑してしまった。シリスはいつもと変わらない。逆にこれくらいが丁度いいのだろう。
転入生がどんなことを感じるかわからない……でも、だからといって、生徒会の雰囲気がなにか変わるわけでもない。
大切なのは、相手がどう思うかよりもこちらがどう在るかだ。
「じゃあ、シリスと似た可愛い転入生をお出迎えしますか」
んっと伸びをして笑っていってから、水沙と鈴に混じって紅耶もテーブルの片づけを手伝い始めた。




