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(結局、一番大事なのは精神的支柱……心の強さ)
魔法を操り制御するには、なによりその強い心が必要だった。
ボタン一つで結果が過不足なく出る機械と違って、魔法を操るのは人間自身。正常に操り、魔法を具現化させるには精神的制御が不可欠だった。
(……魔法を持たされたのは、いつまで経っても精神的に成長できない人類への神様の贈り物かもね)
歴史が証明している通り、人間はいつだって新しい力を持ったときは悪いことにしか使わない。先人たちが幾度となくしてきた戒めに、今回も逆らったわけだった。
そして、当然の如く魔法犯罪対策がなされ、高まる世論は人道的なものを無視し、ある事を決定した。
魔法使いの保護という名の管理。つまり、魔法使いを一箇所に集めることにしたのだ。
確かにそれはしょうがない選択だったかもしれない。魔法使いたちが犯罪を犯したのだから。だが、魔法使いを一箇所に集めたことによって別の危険性が出てきた。
魔法使いの監獄にしたてあげたのが、気付けば魔法使いの城へと変わってしまっていた。
一箇所に集め安心していた反魔法の人間たちは、そのことに気付き恐怖を持ち後悔した。だが、後悔したところでもう遅かった。
普通に暮らしたかった魔法使いたちの考えは関係なく、勝手に一つに纏められ勝手に恐怖を持たれた。
そして、現在にいたる。
問題の溝は埋まることなく、馬鹿げたことだが変な緊張感が世界に漂っていた。自分たちで勝手に作り上げた緊張感に縛られて。
(大人たちって、ほんと馬鹿だよね。いつだって苦しむのは、環境を勝手に作られた子供だ。まあ、愚痴ったってしょうがないから頑張るけど)
――勝手に作り上げられ、おかしくなった世界を普通に戻すために。




