021話 予選決勝戦!
おまたせ!
『いよいよ大会も終盤となりました!! Aブロック決勝戦!!! 予選を制するのは一体どちらになるのかぁ~~~~!!!!』
――ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!
大会三日目、これが最後の試合になる。
観客達も大いに盛り上がって会場内の熱気も凄いことになっている。
これから行われる試合はAブロックの決勝戦。俺は既に入口に待機していた。
寝起きが良かったので気分は上々、体の調子も悪くない。と、いうより絶好調である。
泣いても笑ってもこれで最後だ。ここまでくれば、もう悔いのないように戦うしかないだろう。
『紹介しましょう!!! 今大会の大目玉、ダークホースですっ!!! 誰が予想できたでしょうか、そして何十年ぶりなのでしょーーー!!! 決勝まで進んだ最強のCランク、彼は一体どこまでいってくれるのでしょうか――ミナセ・アキヒト選手ーーーーっ!!!!!』
――ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!
う~~ん。……ちょっともち上げ過ぎな気がする。
そんなにハードルを上げられると、余計なプレッシャーがかかるじゃないか。
司会の恥ずかしい紹介に、俺は少し硬くなりながら闘技場に入っていく。
すると、声援の中には黄色い声も多数聴き取れた。決して聞き間違いではない。
初めての若い女性達の声援。男のロマンに軽く感動を覚える。
おお、ついに俺に訪れた絶頂期……これだけでも大会に出て良かった!
『続いては今大会No.1の優勝候補!!! Aランク界の重鎮、泣く子も黙る鬼の傭兵――ドン・ガジェロ選手だーーーー!!!!』
――オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!
感慨に耽る俺の前から現れたのは、二本の角を頭につけて全身を鎧で固めた大男。
否、顔もフルフェイスで覆われているので性別はわからないが……名前とそのデカイさから推測するに、男以外にはありえない。
「貴様が我の相手か……少々生ぬるいな」
まさに鬼のような声だった。こいつ、絶対に人間じゃない気がする。
「あんた……人間か……?」
「くっくっく。 怖くなったのなら、今のうちに帰ってもいいんだぞ?」
「………………」
俺の質問には答えてくれない。なんだ、何故はぐらかした?
まさか本当に人間じゃなく、魔族かなんかだとでもいうのか……!?
『準備はいいですか!!!! それではいきましょうっ!!! 決勝戦、試合開始ィーーーーーーーーッ!!!!!!!』
――カンカンカーン。
高々と響く鐘。
俺の疑問は一体何処にやら。
そして試合は坦々と始まった。
▲
「おっと、もう始まっていたか」
そんな声が闘技場の入口の近くから聞こえた。
「なんじゃ。其方の出番はまだではないのか、モンモレット?」
ディズは試合から目を離さずにその声の主に応える。
答えなど初めから分かりきった質問だったが、あえて彼女はその言葉を選んだ。
その理由は至極単純なもので、ただ単に彼女が秋人以外には懐いていないだけである。
「あはは、私も応援に来たのだよ。それに私の試合はこの後だからな。私が此処にいるのもおかしくはないだろう?」
モンモレットもそれを知ってか知らずか、丁寧に答えた。
彼女がディズの正体(精霊である)を知っていたことも、少しは関係しているかもしれない。
「それでディズ殿。試合はどうなっているんだ?」
一応確認のために、モンモレットはディズにそう訊ねた。
「言葉では云い尽せん、主の戦う様を篤と見よ」
自慢げにそう言ってディズは黙り込んだ。
彼女の目線はずっと前を向いたままである。
その姿を見てモンモレットは微笑みを浮かべた。
そして彼女もディズと一緒に試合を見守ることにした。
・
・
試合はまだ始まったばかりである。
闘技場内には秋人とドン・ガジェロの二人が正対していた。
数秒の睨み合い、先に調律を崩したのはドンの方だ。
「出でよ、“土の人”!」
彼が叫び、人型を象った土の塊が地面から生える。
土から誕生した彼らの手には土の剣が握られていた。
秋人が何かを呟いて刀を構える。
そして彼がその刀をぞんざいに真横に薙ぎ払った。
それだけで彼の目の前にいたゴーレムは儚くも崩れ去る。
(やはり、あれも効かないのか……どうやって魔法を無効化している?)
モンモレットは今まで見たことも無い魔法に舌を巻いた。
何度見ても全く正体が掴めない。恐ろしく異様な能力である。
「ディズ殿はアキヒト君のあの力を知っているのか?」
好奇心が勝って彼女の口が開いた。
「ふっ、あれは主だけの力じゃ。其方には使えんぞ。まあ、儂もあんな使い方があるとは思わなんだがのぅ」
「ふうむ、アキヒト君が異世界人だということが、関係しているのかもしれんな」
ディズの答えを聞いて、モンモレットは独り言のようにそう呟いた。
「……案外、それもあるやかもしれんな」
と、答えたディズも独り言のようだった。
それぞれが思案に耽るも、そんな暇はない。
その時、試合が動いた――。
☆ ★
「――あっ!」
ミズリーがその異変を差し示す。
それと同時に闘技場内にゴーレムが無数に現れた。
その数、裕に50体。
荒れ狂う大地のように畝るゴーレム達。
さらにそれらを操る男もまた、動き出していた。
秋人も応戦するが、数の違いに圧倒されている。
襲い来る剣戟を捌き切れず、彼の全身に多少の傷が残った。
「あ~~~! ずるい、ずるいよ~!!」
ミズリーの子供のような甲高い声が文句をつけた。
「狡くなどありません。あれも立派な戦法ですわ」
ルルの煌びやかな声がそれを窘める。
「え~、でもでもっ、アキヒトくんは一人じゃない!?」
「彼も魔法を使いますでしょう? 貴女はもう少し静かになさい」
「ム~~~~」
ピシャリとミズリーを叱って、試合を眺めるルル。
ミズリーも渋々ではあったが黙ってルルに付き添った。
闘技場ではその間にも、剣戟の嵐が降り注いでいる。
その度にゴーレムの数は減っていくが、それに反比例するように秋人の傷もまた増えていく。
それを見ていてルルは気付いた。
(……もしかして。彼は自然魔法が使えない?)
秋人が今使っているのは強化魔法だけである。
その他の魔法はまだ一度も使われてはいない。(魔法無効化を除いて)
彼が自然魔法を使えるのであれば状況はいくらでも変わっているだろう。
(強化魔法に得体の知れない魔法無効化。彼が使える魔法はそれだけ……)
ルルの推測はほぼ的を得ていた。確かに秋人は自然魔法を使えない。
彼の元を離れた魔力は大気中のマナに触れると霧散してしまうからだ。
彼の刀を使った魔力無効化も、一度に沢山の敵に対しては効果が薄かった。
(それだけに……相手が悪いですわね)
秋人の対戦相手……ドン・ガジェロは強い。
Aランクの傭兵達の中でも彼の名は有名である。
戦歴の長さもそれを語る理由ではあったが、実力に裏付けされたものだった。
戦場において、彼の魔法“土の軍勢”は無敗の強さを誇る。
彼は一体一の戦いでは無く、そもそも軍勢で戦うことに優れた傭兵であった。
一撃の強さよりも、その手数でドンは秋人を翻弄していた。
さらに剣戟の白兵戦においても、ドンの剣技は秋人のそれを上回っている。
彼の傷の多くも、ゴーレムではなく、ドンによってつけられたものだった。
このままいけば、秋人がジリ貧になることは誰の目にも明らかだった。
「ガンバーーー!!! アキヒトく~~~ん!!!!」
いつの間にか、ルルの横ではミズリーが彼に応援の意を送っている。
一度は彼女を注意したルルも、応援ならばとそれを咎めることはしない。
そもそも彼女達は、秋人の応援に来ていたのだからそれは当り前である。
(このまま負けることは許しませんよ、ミナセ・アキヒト……!)
睨みつけるような眼差しで、ルルの瞳は秋人を追っていた。
「勝って……みせなさいっ!」
◇ ◆
(にゃろう、数が多過ぎだろうがっ!!)
俺は内心で文句を垂れながらも、剣の雨を躱していく。
右に、左に、後ろに、前に!
避けきれない剣戟が上から降ってくる。
それを士さんで受けるが、止まることはできない。
すでに視界の端に鎧の剛腕が迫っているのを確認していた。
俺は体を無理やり捻って、鎧からの攻撃をなんとか躱す。
しかし、気の休む間もなく目の前にはゴーレムがのさばってくる。
「ちっ、なめんな!」
強化した身体を最大限利用し、兎角士さんを振り回す。
それだけで5体のゴーレムは地にひれ伏すが、相手の攻撃はいまだ止まない。
「のわっ!?」
顔面ぎりぎりの剣先にビビりながら、一足で戦場を後にする。
身体に少し剣が掠ったが、そんなことは気にしていられなかった。
「ふぅ~」
とりあえず一旦距離は取ったが、奴等はすぐにでも此方へやってくるだろう。
早く奴等をどうにかしないとこのままでは埒が明かない。さて、どうする?
僅かな猶予を噛み締めつつも、俺は打開策を考える。
相手は多数、面倒くさい。
そもそも俺は多数の敵に弱いのだ。
前にも蜂の大群に逃げ惑っていた記憶がある。あの時はディズの魔法に助けてもらったっけ……。
せめて普通の魔法が使えれば、ゴーレムはなんとかなるかもしれない。
ゴーレム自体の動きはそれほど速くも無かった。(それでも並以上だが)
ディズやルルさんのような広範囲系の魔法があれば……まぁ使えないんだけど。
それでも、規模の大きい魔法が必要だ。ちまちまやっていてもキリがない。
闘技場を包み込むような、そんな特大な魔法。それには膨大な魔力も必要である。
――――二つ閃いた。
方法はある。
時間はなかった。
もう俺の目の前には土塊の軍勢が迫って来ていた。
「では、さっそく」
迫ってくる敵は無視して、俺はしゃがみ込んで士さんを地面に突き刺す。
ゴーレム達はこの地面の土から生まれた。
勿論、奴等は飛んでいる訳は無いので、足は地面に接着している。
そして、その地面の土は闘技場全体に渡って均等に均されていた。
要は、嫌な臭いは元から断てばいいわけだ。
限られた時間で集中する。案外、切迫感はなかった。
身体中にこれでもか、というほど練り込んだ魔力を大地に向かって流しこんでいく。
士さんに魔力を通していく感じでイメージを組み上げる。規模は全く違うが、方法は同じはず。
――よし。
結果は思いの外上手くいった。やっぱり今日は調子が良いみたいだ。
しゃがんだまま動かない俺の前では、すでに最初のゴーレムが手を伸ばせば届く所にまで来ている。
だが、揺らいではいけない。
魔力とは、魔法とは意思の力なのだから。
カァァッと身体の中が熱くなっていく――。
「――止まれ」
一言で済んだ。
意思が力を持つように、それを伴った言葉もまた力を帯びる。
俺の鼻先数センチで、ゴーレムの剣先は止まっていた。……どうやらギリギリだったらしい。
辺りは嫌に静かだった。
しかし、時間が止まったわけではない。
一瞬の静止の後、波紋が広がるようにゴーレムの軍勢は脆く崩れ去っていく。
これが、一つ目の案。当り前だが楽な方を選んだ。
しかし魔力を地面に通すだけなんて、俺は足の裏からでも十分に行える。
それを態々しゃがみ込んで士さんを地面に突き刺したのには、意味があった。
この状況を見て、あの鎧ずくめはこう思うだろう。
あの刀さえなければ、妙な魔法も使えないのでは? と。
そのための布石として、こんな体勢をとったのである。
くっくっく。ほぉら、間抜けな獲物がかかったようだ。
「何をした、小僧!!!」
突っ込んでくる鎧ずくめを、俺は士さんを構えて待ちうける。
――キン! ガキィン! キィィン!
打ちつけられる刃、俺も士さんで応戦する。
――キィーン!
「む……!」
やはり相手の方が、剣技は何枚も上手だった。
俺の士さんは弾かれて、後方へと飛んで行ってしまう。
「がはは、観念するんだな。貴様に勝つ術は無くなった」
俺の剣が無くなっただけで、相手はもう俺に勝った気でいるようだ。
正直、計画通りである。そんな風に思って俺はにやりと口元を歪めて笑う。
俺の剣技なんて、所詮素人に毛が生えたようなものである。
そんなことは百も承知で、俺はドンと剣を交えたのだった。
真に俺が得意とするのは徒手空拳での戦い――。
「はっ、油断したな」
油断大敵、と隙をついた俺は一瞬で相手の懐に潜りこんだ。
「――何っ!?」
相手の反応も素早いが、その前に俺は相手の手首を押さえる。
これでもう剣は使えない。そしてさらに掴んだ手首を捻ると――。
「あがぁ!!!」
鎧ずくめは、痛みに耐え兼ねて完全に気が緩む。
俺は無言で動いた。
敵に立ち直る暇を与えてはいけない。
相手の関節部を狙って、捻り技を加えていく。
「う、ぎゃあ!! ぐううう!!!」
手首から肘、肩に首を落として、最後に鳩尾を狙いにいく。
急所をめがけての掌底の一撃、これにはゴーレム数十体を壊した時と同じくらいの魔力を込める。
「ごぶっ!!!」
ボコッと鎧が変形した感触があった。
勿論敵は数メートルの彼方へと転んでいく。
「いってぇーー……」
痛む掌を気にしながらも、俺はさっと士さんを拾って相手に近づいた。
「がはは、観念するんだな。貴様に勝つ術は無くなった」
相手の口調を真似て、俺がさっき言われたことを復唱してやる。
これは散々痛めつけられた腹いせだ。俺の受けた痛みは倍増して返してやらなければならない。
「~~~~ぬぐぅうう!!」
悔しそうに唸りを上げる鎧ずくめ。
がっはっはっは。いやいや、実に爽快だ。今にも吹き出しそうな光景である。
「がっはっはっは~、今のうちに降参してもいいんだぞ~」
調子に乗ってさらに相手を挑発してゆく。
愉しい愉しい、これは止められないね!
「“土の瀑布”」
と、まぁ、油断していたのがいけなかった。
隙を突かれて、相手に魔法を使われてしまう。
「……ほう、考えたな」
俺を狙う土の洪水は、俺を取り囲んで真上からやってきた。
これでは魔法を無効化しても、土が自由落下してまともに攻撃を喰らってしまう。
――あれ? でもこのアングル……。
「が、はは……ぅぐ。はぁ、はぁ……貴様も、死ぬがいい!」
って、自爆するつもりか!? 何を考えてやがるっ!!
問い詰めようとしたが、こいつはもう動けないようで地面に寝転がったまま身じろぎすらしない。
…………どうやら本当に死ぬつもりのようである。直感がこいつが本気であることを告げていた。
もって数秒、それであの塊が降ってくる。
残った時間をどう過ごすか、そんなことは考えるだけ無駄だった。
「…………はぁぁ~」
迫り来る濁流を見ながら大袈裟に溜息をついた後、チッと舌打ちする。
たがか試合なのに、本当にやっていられない。俺を巻き込むな。馬鹿は一人でやってくれ。
「……だから、戦うのは否なんだよ」
なァ、とは誰に向かって言ったのか。
自分でもわからないまま、俺と鎧ずくめは土の濁流に飲み込まれた。
☆★☆
「ア、アキヒト君は無事なのかっ!?」
闘技場の入口付近でモンモレットが慌てる。
「おそらく無事じゃろう」
ディズのしっかりとした声の響きに、モンモレットはいぶかしんだ。
「無事、なのか……?」
「まだ主とのパスは繋がったままじゃ。主は生きておる」
契約の証。それはまだ生きている。
目に見えるものを信じるか、目に見えないものを信じるか。違いはそれだけだった。
「ほ、本当か。それならいいが……」
「まぁ、見ておるが良い」
話を聞いてもモンモレットの気は晴れない。
そしてディズは依然として揺るがなかった。
◇◆◇
「ちょっと……やだ……!」
その有様を見て、そんな言葉を零したのはルルだった。
「な、なんで、自分まで……!」
隣に居たミズリーも、驚きと動揺は隠せない。
それは会場の全体の空気としても同じだ。観客達もまさかの事態に混乱気味である。
闘技場の真ん中が(先程まで秋人達のいた所だ)、周りの土を集めて山のように膨らんでいた。
宛ら試合をしていた両人の結末を象った墓場のようである。
「し、死んで……ない、よね?」
ミズリーが震えた声でそう嘆く。
「……………………」
ルルはそれに答えることはできなかった。
無理もない。それは質問でもなんでもないのだ。
しかし、ルルの目線は彷徨っている。
彼女は自身の中で必死にミズリーへの答えを探していた。
そして何度か逡巡した後、もう一度ミズリーに視線を合わそうとした時――。
――歓声が上がった。
ルルの視線は闘技場に注目する。
「「――あっ!!!」」
そして二人は顔を見合わせて、その目で見たものを確認し合った。
††
秋人は疲れ切っていた。
「あ~~~、しんどぉ~!! ……うわぁ、なんだこりゃあ……!」
さらに砂まみれになった自分の全身を見て、げんなりする。
「おい、こら、てめぇ起きてるか? お~い……って、気絶してやがる……」
くそっ、と悪態を吐いて秋人はその場に座り込んだ。
彼の傍らにはドン・ガジェロが仰向けに倒れて気絶していた。
「ったく、割りにあわねーなぁ、おい」
秋人は嘆いた。
それも当然、彼は自分と対戦相手の命を救ったのである。
彼一人だけならもっと簡単に魔法を避けることはできた。
然し彼はドン・ガジェロを助けるためにその場に留まったのである。
そして濁流に呑まれて埋もれてしまった二人、だが秋人は助かる方法に気付いていた。(だからこそ留まったのだ)
秋人はまず濁流の一部の魔法制御を奪い取った。
一部しか制御を奪えなかったのは単純に彼がその方法に慣れていないせいであったが、それで十分でもあった。
彼はその奪い取った土を操作して、自分と、そしてドン・ガジェロを濁流から守っていたのである。
これが、彼の考えていた二つ目の案でもあった。
相手の扱う魔法制御を無理やりに操ったため、秋人は今精神的に(肉体的にもだが)疲れきっている。
相手の魔力を霧散させるのではなく制御を奪い取るというのは、彼にとってもそう簡単な話ではなかったのだ。
「自然魔法も使えたか……効率は悪過ぎるが」
初めて自然魔法を使えたにしては彼の声は重かった。
疲れ切っていた秋人にはそんな感慨しか沸かなかったのだ。
自然魔法の間接的発露、然も空気を媒介にしないことが前提なので、それ自体あまり使い勝手の良いものではない。
遠隔操作ではなく自分と繋がったまま(魔力を放出したまま)で操作するため、魔力消費が甚だしいのだ。
彼の持つ短刀のような小物なら如何と云うことはないが、莫大な量の土を操るのは彼の魔力の大半を要したのであった。
彼はぼ~っと遠くを見つめながら、時が過ぎるのを待ち続ける。
会場には試合の終わりを告げる鐘の音と、彼の勝利を褒め称える大きな歓声が騒乱していた。
うおっ!? 割り込み投稿ができるようになってる!
ということは……途中に入れたい話も010.5話とか010.6話とか、そんな感じのサブタイトルで実現できる……!




