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7冊め 『亜州黄龍伝奇』香港の四聖獣に刮目

[トクマ・ノベルズ] 著者:狩野あざみ

 この世界は始原の黄龍が夢見ている世界。黄龍の目覚めと共に、世界は消える。


 で、あるのに、【黄龍を手に入れたものは世界を制する】 そう伝説がねじ曲がったものだから、黄龍を手に入れたい者達により、古来から歴史の裏で黄龍争奪戦が行われてきた。

 しかし、起こされたくない黄龍は、四聖獣(青龍・白虎・朱雀・玄武)を世に置き、密かに己の眠りを守らせてきた――。


 そんな設定で展開される物語。

 黄龍を起こすための道具も存在していて、キーアイテムとして時々登場します。それがまたイイ。


 主人公、工藤秋生(くどうあきお)は日本人で大学生(男)。今世における眠れる黄龍。(自身の眠りの中で人間として何度も転生を繰り返し、世界を堪能中?)


 訪れた香港で、事件に巻き込まれたことから()()()してしまう。


 世界を創った最強の龍が寝ぼけている状態。黄龍としてではなく、人間としての立ち位置で、秋生(あきお)が振るう力の強大さと言ったら!! カッコイイの一言につきます。

 この作品を読んだ当時「なろう」さんのなかった時代だったので、彼の無双っぷりにホレボレしました。


 従者にあたる青龍・白虎・朱雀・玄武も揃って秋生(あきお)(はべ)りますので、爽快痛快。面白さ増し増し。


 ちなみに青龍・白虎・朱雀・玄武は全員、秋生(あきお)と違って()()()()()がありまして。それぞれ今世でいろんな立ち位置にいるところが、お話の幅広さにつながるところ。


◆◆◆


 "青龍"ビンセントは青年実業家で、黄龍至上主義。黄龍さえよかったら、あとどうでもいいよね?的な徹底姿勢で秋生(あきお)最優先。香港に彼の住むとこまで世話しちゃいました。権力・財力・知謀・美貌全てを備えた切れ者青年が、平凡ともいえるおっとり青年に尽くすなんて……美味しすぎる……。あっ、いえいえ。コホン。


 "白虎"ヘンリーは黒社会(ハクセイウイ)ことヤクザなドン。黄龍に対しては跪いても、秋生にはフランク。いろいろ大胆なのに料理好きとかお茶目。


 "朱雀"セシリアは同年代の美人。めちゃ強いので、ほぼ日頃のボディガード。秋生(あきお)には遠慮なし。現代では彼とはイトコに当たる関係。


 "玄武"ユンミンは小船で暮らすひょうきんな老人。香港って水上生活者もいるのかぁと文化が学べました。


 見た目かなり違うけど、たぶんほぼ皆同い年。推定5000歳。←?!

 21歳の秋生(あきお)を中心に、その関係性からなる個性的豊かな会話と、テンポよくやらかす大規模なアクションまで見どころ満載でした。


◆◆◆


 作中の舞台になった香港があまりに魅力的に(えが)かれていて、私はこれを読んだために人生初の海外旅行は「香港」にしたほどでした。


 同時期に井上祐美子先生著の『長安異神伝』も読んでいて、今回の"小説10選"でどちらを選ぼうか迷ったのですが、人生に影響したという意味(初海外旅行)と、『亜州黄龍伝奇』の絵師様が山田章博先生で美麗すぎた!!という点、そして終わり方の満足度で『亜州黄龍伝奇』をセレクトしました。

 1991年の作品なので現在の香港は様変わりしていると思いますが、シリーズで数冊刊行。いまは全て中古作品となってる、かな?


 うろ覚えですが、秋生(あきお)の名前は秋に生まれたから秋生(あきお)、だった気がします。それでいいのか、ご両親よ。


挿絵(By みてみん)

(何もないと寂しいのでイメージちゃうけど置いてみたもの)

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― 新着の感想 ―
[一言] >権力・財力・知謀・美貌全てを備えた切れ者青年が、平凡ともいえるおっとり青年に尽くすなんて……美味しすぎる……。 わかりますとも……! (*≧∀≦)∞(≧∀≦*)♪握手! 面白そうなお話…
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