2冊め 『もうひとりの王女』入れ替わりと恋
[サンリオロマンス文庫] 著者:バーバラ・カートランド
大昔、書店で立ち読みしてて(←こら)あまりに気に入り、「買うしかない」とその場で購入した小さな本。なら、立ち読みなどせずに、さっさとレジに持っていくべきでした。
しかし買って良かった。あの時の決断は正しかった。
かなり大好きで、その後何度読み返したことか。
◆◆◆
舞台はヨーロッパの小国ルテニア。
ヒロイン・ジニアと、ジョアンナはそれぞれ母親同士が双子という間柄。(つまりイトコ)
でもジニアの母親は王女でありながら駆け落ちし、平民として暮らしたため、ジニアも市井育ち。
一方、王宮に残った方のジョアンナの母は、王室暮らし、ジョアンナも王女様育ち。
互いの存在を知らず、まるで接点のなかったジニアとジョアンナですが、列車事故で出会い、事故のどさくさで互いの立場を入れ替えるというお話。(はい、好きなんです、こういう設定)
持ちかけたのはジョアンナ王女。というのも彼女には恋人がおり、しかしこの列車は婚約者であるルテニア国王のもとに結婚目的で行くための旅だったから。恋人と過ごしたかったジョアンナ王女は、婚約者のもとに身代わりにジニアを送り込むことを思いつくわけです。
そんなわけで、はじめて会った自分そっくりの従姉妹に持ちかけられ、ジニアは、突然王女としてルテニアの王様の元へ。
そこで政治と婚約者にまるで関心のなかった王様の心を解きほぐし、ふたりで悪大臣に立ち向かい、なんのかんのありまして……、最後はジニアもジョアンナも、ふたりとも幸せを掴むというハッピーエンド。
王宮育ちのジョアンナ王女様が身勝手で性格悪い点がスパイシーで良いです。でも恋人には一途。だから、ジニアもジョアンナも最後はちゃんと幸せになるの。そこがいい。
当然ヒロイン・ジニアの可愛さは言わずもがな。初心で一生懸命で。何より美しい。あっという間に皮肉屋の国王イシュトヴァーンは彼女にメロメロ。
うん。「なろう」さん恋愛ジャンルで、ありそうなお話ですよね。糖分補給がしたい時、私はこれを読みました(笑) ハーレクイン系の物語です。
表紙が正統派な油絵っぽくてすごく素敵でした。前出した廃校の『王子とこじき』も油絵挿絵のついてたんだ。油絵、美麗。憧れます。




