1冊め 『王子とこじき』少年たちの戸惑い
[出版社問わず・児童文学] 著者:マーク・トゥエイン
王子エドワードと乞食のトムが服を取り換えて入れ替わっちゃうお話。
乞食に成り代わったエドワードは酷い目に遭いますが、騎士マイルス・ヘンドンの援けを得て、苦難の旅をしながらも、本来あるべき場所に戻り、大団円を迎えるという冒険物語。
子どもの頃に読んで感銘を受け、以来、心のバイブルに!
私の中で、"少年王子には年上の強い騎士様がつく"という構図が確定した瞬間でした。
当時は王子様になるトム・パートが好みでしたが、今はエドワード・サイドが味わい深いなぁと。
しかし双方同時進行でハラハラ、ドキドキ。どちらも見せ場に山場の連続で、著者マーク・トゥエインの手腕がこれでもかと光ります。ぴっかぴかです!
たくさんの出版社から、数多く出されていて、いろいろ読み漁りました。
ただ、一番のお気に入りは廃校となった小学校の図書室で出会った「小学館 国際少年少女文学全集3 王子とこじき」という本です。絵がめちゃくちゃ多くて美麗でした!
話変わって。
舞台となった世界の裏話をしますと、16世紀、早世したエドワード6世がモデルの創作ストーリー。
著者マーク・トゥエインは、最初、別の代のエドワードで書こうとしたんだけど、"恐れ多い"という理由で6世に設定されたという……。
6世だったらいいんかい?!
時代的には、彼が早死にしななければ、メアリーとエリベスがすんごい争いを繰り広げることもなかったのでは、と思える、二人の縁者の王子様。ヘンリー8世の息子です。
ヘンリー8世、メアリー女王、エリザベス女王、皆有名なのに、エドワード6世だけ埋もれてます。15歳で死去なんて、若過ぎました。
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趣味の余談枠。
※ヘンリー8世。奥さんとっかえひっかえしたやりたい放題のイングランド王として有名だけど、夕飯の"牛の腰肉"が美味し過ぎて"サー(ナイト爵)"の称号を与えたがために"サー・ロイン"という言葉が誕生したことは意外に知られて……ないかも?
(↑ 2008年の絵)
※メアリー。"ブラッディ・マリー"というカクテルの元になるほど、血塗られた女王として有名。
※エリザベス1世。言わずと知れた超有名人。びっけ先生のコミック『王国の子』では、彼女が何故独身を貫き、「処女王」の呼び名を持ったか、が、奇想天外&ドラマチックに描かれていて、ドレス少年がお好きならぜひと言いたいところ。現在Amaz〇nで法外な値段になってましたが。
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さて、著者マーク・トゥエインに話を戻します。
彼は『トム・ソーヤの冒険』『ハックルベリーフィンの冒険』等も書かれていて、たぶんそちらの方が日本では知られているのでは?
でもマイナーなものも発想が凄くて、『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』はアメリカ人技師がアーサー王の時代にタイムスリップするという設定で展開されるのです。話の内容はもう覚えてないんですけど、ラノベっぽいですよね。19世紀の人なのに。
マーク・トゥエインはペンネーム。ミシシッピ川の「水深マーク20」から。
……なぜ?
本名はサミュエル・ラングホーン・クレメンズ。こっちの方が、かっこいい。けどクレメンズをクレメンスと覚え間違えてた私。ごめん、マーク・トゥエイン先生。
掘り下げ始めるとキリがないし、私もそう詳しくないので、この話題はこのへんで。(十分、長い)




