9冊め 『ロードス島戦記』英雄譚といえばコレ
[角川文庫] 著者:水野良
"ロードスという名の島がある。"
いえ、まあ、本当に実在するのですが。地中海に。
それはさておき、小説ではこう続く。
"アレクラスト大陸の南に位置する辺境の島だ。 大陸に住まう人はこの島を"呪われた島"と呼ぶ。"
お決まりの冒頭ナレーション(OVA版)が自動で脳内再生されてしまうほど、読み込み、聞き慣れた定型文。
小説・アニメ・コミック・ゲームと多岐に展開した1988年初出作品。
ちなみに大好きだったのは、テーブルトークRPG版なんですけども。(←言うなッ)
もともと『ロードス島戦記』は、TRPGという(対面会話で成り立つ)アナログゲームのプレイ結果を元に整えられた小説。ですが、これぞ日本発ファンタジーという素晴らしい作品で。
年若かった当時の私は、すっかりハマっていたのでした。
イラスト、出渕裕先生だったし。(←すごい好き)
その頃は私もまだ子どもだったため、登場人物は英雄の方に憧れてまして。カシュー陛下や黒衣の騎士アシュラムが贔屓で、回りくどくなかなか成長しない主人公・パーンには業を煮やしていたのも、今となっては懐かしい思い出。戦士好きなので、当然パーンのことも応援していましたが。
パーンは、ハイエルフの彼女付きという加点も高かったです。
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あっ、ストーリー解説あった方が良いでしょうか?
「なろう」さんを読む方で知らない人いるのかな、とさえ思ってしまっている有名作品なのですが、なんせ古いお話ですものね。
簡単に書きますと、
無理・無茶・無謀が代名詞・村育ちの青年パーンは騎士に憧れ、親友であり神官エト(♂・のちに逆玉)と共にゴブリン退治に挑みます。
その後、エルフであり精霊使いのディードリット(♀・ツンデレ板胸)、魔術師スレイン(♂・奥さん超美人)、ドワーフで戦士のギム(♂・名前の由来に注目)、盗賊のウッド・チャック(♂・すごい変化球プレイした)たちと出会い、パーティーを組んで冒険するうちに大事件に遭遇して……。と、まあ、そんな感じです。
小説もテーブルトークRPG版もシナリオは同じ。ただ見せ方が違う。
小説では、水野良先生がそれぞれのキャラクターの生い立ちを組み込み、文章としてしっかりと整合性のある世界を描き出されていますが、テーブルトークRPG版だと会話形式。そのバックにはキャラ一人ひとりに生身の人間がつくわけですから、行動の意外性、そして躍動感が段違いです。
そんなわけで、こちらの作品は、きちんとストーリーとして発表された小説だけでなく、TRPGリプレイ小説の方も、すごくオススメ。
サイコロの出目(※)に涙し、歓喜し、白熱し、脱線し。これに魅せられてテーブルトークRPGに手を出した方も多いのではないでしょうか?
まさに私もそのひとりで。TRPG結構やりました。初の絵仕事もRPG関連だったのですから、間違いなく『ロードス島戦記』は人生に影響した作品と言えましょう。
そんなわけで"小説10選"と言われると、外すわけにはいかないタイトルのひとつなのでした。
ところで2019年9月、久方ぶりにシリーズ関連で『ロードス島戦記 誓約の宝冠1 』が刊行されましたが、2巻はいつ……? すごくすごく待っているのですが……。知らないうちに出ていた、ということはないですよね?
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その他①:
(※)テーブルトークRPGは、戦闘や探索の成否が、サイコロを振って出た目の数値によって決まります。進行役でありシナリオ通りに参加者たちを誘導していく"ゲームマスター"は、即興力が求められて大変です。が、全てのネタバレを知っていて、皆を手の平の上で踊らせるという美味しみは、一度味わうと癖になります。
(「みてみん」さんは版権モノ不可。全身描いたけどトリミング。
これは全ての装備を外した通りすがりのエルフ・イメージ)
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その他②:
同時期に書店では塩野七生先生が『ロードス島攻防記』という文庫を書かれていまして。混同した方もいたのでは? と思います。
こちら上述の『ロードス島戦記』とは完全に無関係。
説明省きますが、『攻防記』の方は史実に基づいた海戦小説。
『コンスタンティノープルの陥落』・『ロードス島攻防記』・『レパントの海戦』と三部作なのですが、もちろん読破しております。
"小説10選"を読み歩くと、塩野七生先生作品も時々あがっていて。
読んでまーす、メフメット2世が好きでーす(←オスマン・トルコ側。私はビザンチン側ではないのです、ごめんなさい)
『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』も読んでいます!
意味わからない方にはごめんなさい。




