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第09話・掃除機は武器になるのか?


さて、いろいろと「機能」を紐付けして使い勝手の向上をはかったら、次はDELSONの武器としての性能を見極めなくてはならない。

前回はミイシャ婆さんとの出会いで出来なかったしね。

日も傾いてきたってことで、暗くなる前に確認しておかないと。


まずは、30m程離れた所にある木を的代わりにして狙いをつけてみる。

弾丸には河原で集めておいた「小石」を使用してみる事にしよう。


さて、ここで問題になるのは、「射出速度」だ。

うろ覚えだから正確かどうかはわからないけど、拳銃なんかは秒速300mくらいらしいし、ライフル銃だと秒速1000mくらい、戦車砲になると秒速1800m~2000mになるらしい。

ちなみに、弓矢だと秒速50mくらい、弩だと秒速100mくらい。


つぅ~事で、今回は「小石(大きさは1㎝くらい)」を秒速300mで打ち出してみよう。


まずは、狙いをつけてみる。

ん~……なぁ~んか狙いづらいなぁ……。所詮は掃除機、銃のようには出来ていないからなぁ。


とりあえず、秒速300mで射出するように念じてスイッチON!

パシュッって軽い音が「小石」が打ち出された。と言っても「小石」は全然見えてないけど。

で、結果はと言うと、見事に大ハズレ。的の木にかすりもしてない。

もう2発ほど射撃してみたけど、結果は変わらず……。


射撃の反動は、ほとんどないからそれが原因とは考えにくい。

さすがに掃除機の形状だと狙いがつけにくいから、それが原因なのかな?


「せめて、スイッチ周りがアサルトライフルみたいな形状になれば良いんだけどな~」


なんて、考えていたらスイッチ周辺がウニウニと変化し始めた。


うわ!キモ!!


どうやら、デフォルトで付いていた「クリエイト機能」が作動したらしい。

そう言えば、吸排出力の威力及び各パーツの形状の調節は、使用者の意思によって調整出来る仕様って取説に書いてあったの忘れてたわ。


そしてスイッチ周辺の変化が終了すると、ピロンとアラーム音が鳴って目の前に説明文が現れた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


スイッチ周辺の調整が終了しました。

現在のスイッチ形状は「アサルトモード」としてレシピ集に登録されます。

なお、初期のスイッチ形状は「初期モード」として登録されています。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


スイッチ周辺がちょっとカッコよくなってる。

グリップがあってスイッチはトリガー型に、しかも伸縮できるストック《肩当て》まで付いてる。

グリップの下から出ているホースはご愛嬌って感じかな。


これでかなり狙いがつけやすくなったから、もう一度試し撃ちしてみよう。

ストックを伸ばして肩に当て、しっかりと狙いをつけてトリガーを引いてみた。


バシっ!!と破裂音がして的にしていた木に当たった。

ただ、狙っていたところじゃない。

狙いは付けやすくなったけど、的には当たらない。


う~ん……。なぜ当たらん?ラノベの主人公が銃を使えば普通は百発百中なんじゃないの?

ライフル形状にしてまで頑張ったのに、これじゃ使えないじゃん。


……ライフル?……あ!そうか!ライフリングだ!!


忘れてたよ。銃に必要な内部構造が抜けていた。

早速、念じて「クリエイト機能」を起動してみた。

けど……なんの反応もない……。

パイプを覗いてみたけど、ただ真っ暗になっているだけでなんの変化もおきていない。


マジすか……。ライフリング無しかよ……。

ってことは……。「滑空砲」ってこと?

ん~ってことはだ。弾丸の方を工夫しないといけないのかぁ~。超めんどくせぇ~。


面倒とは言っても、やらなきゃならない。

滑空砲の弾丸の形状と言えば、「矢」とか「ミサイル」みたいな形だ。

要は「安定板」と言われる「羽」があれば良い。


ってことで、簡単な「矢」を作ってみた。

真っ直ぐな木の枝を適当に削って先端を尖らせて、「矢」の後側に切れ込みを入れて「羽」代わりに厚めの葉っぱ。

それを木の皮を細く裂いた紐で固定して完成!

適当に作ってみたけど、案外いけそうな感じ。自画自賛ではあるけど。


まずは、試し撃ちしてみようとDELSONに吸わせると……。


ピロンと、またメッセージが出た。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「木の矢」の解析及びレシピ集への登録が完了しました。

以降、材料があれば製作可能です。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


おぉ~、これまた便利機能~。

早速、材料を掃除機に吸わせて「クリエイト機能」で「木の矢」を20本ほど製作した。


ここで気づいたんだけど、もしかしたら「クリエイト機能」で弾丸が作れるんじゃね?

とにかくダメモトでやってみよう。

「小石」を選択して、「クリエイト機能」を起動する。

すると、3Dモデリングのような画面が表示された。


おっと!!さらに便利機能!!!

まるで粘土を扱うように石の形を変えられる。

これで弾丸の問題も解決だ!

早速、作ってみよう。


粘土細工ってなんか好きなんだよねぇ~。

まずは「ミサイル型」。先端を尖らせて後に4枚の安定板を付けてっと……完成ぇ~!

んで、レシピ登録!

次は「迫撃砲弾型」先端は尖らせて後は絞ってからの安定板。ついでに先端の丸いヤツも作っておこう。

あ!そうそう「矢じり」も作っておかないとね。返しのあるヤツと無いヤツの2種類。

こいつは「木の矢」に付けてと……完成。

では、試し撃ちといきましょうか。


結果から言うと、見事に成功!!

百発百中とはいかないけど、なかなかの命中率だから大丈夫だろう。

ま、あとでゆっくりと改善していけば良いんだしね。


明日からは初の狩りだ。がんばっていきましょう。


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