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第67話・なんか知らんがボコられた


「どう?これでマリアに報酬の権利が無いって事がわかったかな?」


ニヤリとルキアさんが黙り込んでいるロバートに確認した。

なぜかロバートは歯ぎしりするほど悔しがっていた。

ロバートよ、そもそもお前には報酬をもらえる権利なんぞハナからなかったぞ。


しかし、思ってた以上にノートンさんの分析力があって非常に嬉しくない状況だ。

見えない魔法使いインビジブル・マジシャンは実在があやふやなのが俺にとっては良い事だったんだが、実在が確固たるモノになると次は犯人探しって事になる。

一段階、事態が進んだってことなる。なんかヤバいなぁ〜なんて考えていたら…。


「どうした?ユウキ、何か変だぞ」


ってルキアさんが心配そうに俺を見ていた。


「あ!いえ…。俺は見えない魔法使いインビジブル・マジシャンの実在を疑ってましたから…」

「ええ〜!ユウキは否定派だったの〜〜?。仲間だと思ってたのにぃ〜」


ノートンさんが涙目で訴えてかけてきた。

いやいや、俺はアナタに一言も実在派だって話しちゃいませんよ。


「ま、そういう事だから報酬金は見えない魔法使いインビジブル・マジシャンが受け取りに来るまでギルド預かりになったってわけよ」


そう言ってルキアさんが話を締めくくった。

ロバートはそれでもマリアさんとのパーティー解散を諦め切れないのか


「なぁ…。マリア…、俺たちはもうダメなのか?」


と、なおも食い下がる。なんかカップルの別れ話に付き合ってるみたいで、いたたまれないなぁ〜。


「ロバート、もう終わりにしましょう。私たちは始めから無理だったのよ」


マリアさんからロバートへの決別宣言がなされた。


「あなたは夢を追い過ぎて、私は安定を求めた…。それがこの結果なの。諦めてちょうだい」

「それでも俺達は今までウマくやってたじゃないか。これからだってウマくいけるって」

「何度も言わせないで!あなたとはもう無理なの!そんなに夢を追いかけたかったら裏通りにいる彼女と追いかけばいいじゃない!!」


………!?おっと!マリアさんから爆弾が投げつけられましたよ!!


「な!?なにを言ってるんだ!?マリア!!」


ロバートがめっちゃ慌ててる。そりゃ、浮気がバレてたら慌てるわなぁ〜。


「あたしが何も知らないとでも思ってるの!アンタがずいぶん前から裏通りの飲み屋の女に入れあげてるのくらい知ってたんだからね!!」

「いや!あれは違うんだ!一時の気の迷いというか…」

「どうせ、その女に貢いで借金でも作ったんでしょ?そんなくだらない借金のためにアタシは命を張りたくないって言ってるのよ!!」

「マリア!許してくれ!!あの女とも別れる!借金だって自分の力で返済するから俺を捨てないでくれ!!」


はぁ〜。なんだかなぁ〜。なんで俺はこんなアホな痴話喧嘩なんぞを拝聴してなきゃならないんだろう?早いとこ済ませて貰えないかなぁ〜。


「アンタがあの女と別れたって無駄なのよ!!アタシはそこにいるユウキくんと付き合うことにしたんだからね!!!」


………!?はぁ!?何を言ってんのかな?

マリアさんからの爆弾発言。この瞬間、俺達がいるカフェスペースの時間が止まった…。俺どころか、ベテラン冒険者のノートンさんやルキアさんまでもが動けなくなっていた。動けたのはただ一人、この発言に怒りを爆発させたロバートだった。


「てめぇ!!勝手に人の女に手ぇ出してんじゃねぇぞ!!」


怒号と共にロバートの裏拳が俺に飛んできた。

事故の時や咄嗟の時って世界がスローモーションになるって本当だね。

ゆっくりと飛んでくる裏拳に身体は全く反応出来ずに「ああ、これって当たったら痛いんだろうなぁ〜」なんて事を考えていた。

そして、ロバートのゴツイ裏拳が俺の顔面に直撃した。衝撃で吹き飛ばされる。

激痛が顔面に走る中、俺は今日は打ち合わせだけだからってDELSONを部屋に置いてきた事を後悔しながら意識を手放した。




…………。


…………………。


……………………………………。


ふっと目が覚めた。瞼が腫れているのか視界がぼやけている。


「気が付いたのね。大丈夫よ。ここは治療室だから安心して」


その声はルキアさんだった。心配して付き添っていてくれたみたいだ。


「………おえ?ろうひひゃったんれひょう?」


口の中まで腫れてるのか、まともにしゃべれない。

顔中、包帯で巻かれてミイラ男のコスプレをしてる感じだ。


「治療は一応済んでるけど、寝てなさい。説明はしてあげるから…」


あの時、マリアさんの発言でブチ切れたロバートは俺を裏拳でブッ飛ばしたあと、気絶した俺にマウントしてボコボコにしていたそうだ。

そりゃもうひどかったらしい。俺の顔面がグチャグチャになるほどに…。

その光景を目の当たりにして、ようやくルキアさんとノートンさんが再起動。

ロバートを止めようとした。が、ルキアさんはCランクとは言えスピード重視の戦闘スタイルの人だからパワー重視のローバトを止める事はできず、ノートンさんに至っては体力より頭脳労働の人だから、敵にもならない。

近くにいた冒険者たちが止めようとしていたところに、外の用事を済ませて帰ってきたガルダさんが状況判断もそこそこに暴れていたロバートをボディ一発で沈め、事態を収拾したという事だった。

いやぁ〜さすがはマッチョ戦士。同じDランクでも強さが違うね。

んで、件のロバートは現在、ギルドの独房で反省中とのこと。

これからギルドの判断でペナルティーを課せられる事になるんだってさ。

マリアさんにフラれた上に借金まみれとは…ご愁傷さまです。


それで、もう一人の当事者はというと…。


「本当にごめんなさい」


ルキアさんの隣で正座させられています。

俺が治療を受けている間、ずっとルキアさんから説教されてたんだって。

一応はマリアさんの爆弾発言が切っ掛けなんだから仕方ないね。

それにルキアさんもノートンさんと一緒にすぐにローバトを止められなかった事でギルドマスターとガルダさんから説教をくらったらしい。


「アタシもロバートを止められなくて、ごめんなさいね」


まぁ、俺が寝ている間に事は済んだんだし、ギルドも動いてくれてるんだからもう良いでしょうって感じで俺はルキアさんOKサインを出した。


「ありがとう。でも、どうしよう?その傷じゃ領主様との会見も厳しいわよね」


ルキアさんの話だと、俺の怪我は全治十日ほど痣なんか消えるまで1ヶ月はかかるらしい。

だが、心配御無用。俺にはDELSONがある。アイツの機能で何とかなるはずだ。

それがダメでもファーストエイドキットがある。あれを使えば傷の一つや二つどうにかなる。

俺はルキアさんとマリアさんの間に手を翳してDELSONを召喚した。


「え?なに?」

「こ…これって……ユウキの…」


二人の間が光輝きDELSONが召喚された。ちょっとびっくりさせちゃったかな。

二人にDELSON召喚を見せるの、初めてだったものね。

光が治まるとピロロ〜ンといつもの軽い電子音が鳴りDELSONが起動した。


_____________________________________


本品使用者、神代佑樹様のダメージを確認。


自動診断機能及び自動修復機能を起動します。


眼底骨折・鼻骨骨折・重度の打撲・切り傷・下顎の骨折・歯の紛失を確認。


修復を開始します。

_____________________________________


さすがはDELSON、優秀です。勝手に俺の事を診断して治療までやってくれます。

ピロロ〜ンと電子音が鳴るとDELSONのモーターが軽やかに起動し始めた。

すると、包帯を巻いた俺の顔から何やら煙が出始め、ゴキゴキと頭蓋骨から音がする。骨折を修復してるようだ。

そうこれは「治療」ではなく「修復」なんで、優しさの欠片もない。


「イダ!イダイ!!イタタタタ!!!」


めっちゃ痛いです!!ハッキリ言ってロバートに殴られた方が痛くないと思う。


「ちょっと!!ユウキ!!大丈夫!?」

「大変!!!ユウキくん!!」


ベットで痛みにのたうち回る俺をルキアさんとマリアさんが必死に押さえつけた。


激しい修復の痛みに耐えた十数秒間は正に地獄だった。

そして今は、地獄の痛みを耐え抜き肩で息をしている。


「だぁ〜。痛かったぁ〜〜」


いやぁ、DELSONさんの修復には優しさがありませんよ。でも、治療的には完璧だ。

骨折も治ってるし頬の腫れも引いている。しかも、折れたり抜けたりした歯まで完全に修復されてる。


「もう…大丈夫なの?」


ルキアさんとマリアさんが心配そうに俺を見ていた。


「はい。もう大丈夫ですよ。ほら」


そう言って、俺は巻いていた包帯を取って見せた。


「あ…本当に治ってる…」


マリアさんも俺の顔を覗き込んでびっくりしてる。

あんまり顔が近いんで何だか恥ずかしいですよ。


「ロールから聞いていたとは言え、ユウキの専用装備って本当にスゴイのねぇ」


ルキアさんは受付嬢のロールさんからDELSONの話を聞いていたみたいだ。


「ま一応、謎の錬金術師ですからね。伊達じゃありませんよ」


なんて言ってみたら、ルキアさんもマリアさんも笑ってった。


そうして俺は傷も完治したって事でその日の内に退院した。

当然、治療費やベット代は加害者のロバートが支払う事になっていた。


また、借金が増えて大変だね。ロバートは………。


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