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第59話・面倒くさい事はお任せします


「……ユウ……ろ…ユウキ!起きろ!!」


グラグラと揺すられて目が覚めました。

ボぉ~とした視界にルキアさんがいます。

燃えるような赤毛がすごく綺麗だなぁ~。


「……あと5分~……」

「ナニ寝ぼけてるんだ!!さっさと起きろ!!」


掛布団を引き剥がされて、無理やり起こされました。

何でしょう?こっちは徹夜明けだってぇのに……。


「なんすかぁ?一体……」

「マリアの事について事情を聞かせてほしい」

「……事情?俺が話せる事なんて、ほとんどないっすよ」

「それでも構わない。少しでも情報が欲しいんだ。緊急事態でな」


窓の外を見ると昼過ぎくらいな感じ、睡眠時間は3時間ってとこかな。

仕方ないかぁ~。なんか緊急事態とか言ってるし事情聴取を受けますかね。


「昼飯ついででも良いっすか?腹減ってるんで…」

「ああ、それで良い。部屋に運ばせるから、すぐに用意してくれ」


そう言うとルキアさんは治療室を出ていった。

今、気付いたが隣のベットとの間にはカーテンで仕切りが出来ていた。

緊急治療している隣で爆睡って、俺も常識ないね。

カーテンの隙間から問題の彼女の様子をチラッと見てみたけど、若い冒険者がそばについていた。ちょっとイケメンの剣士だな。彼氏さんだろうか?

ま、どうでもいいけど……。


ぐぅ~と伸びをして眠気を払って治療室を出た。ドアの外にはアドルさんが待っていた。


「お疲れのところ、すみません」

「いえ、何やら緊急事態って事ですから、構いませんよ」

「ありがとうございます。あちらの第一会議室にみなさんがお待ちになってます」


みなさん?なんか面倒くさい事になってそうだなぁ~。

そう思いながら、アドルさんについて第一会議室に入るとそこには、ルキアさんの他にとてもグラマラスなお姉さんがいた。

キターーーーー!!これは絶対にラノベの定番!!切れ者のギルマスだーーー!!

ああ~テンション上がるわぁ~。

しかし、ここではしゃいではいけない。冷静に対処しなければ。


「失礼しま~す。事情聴取に来ました」


冷静を装って会議室に入ると……。


「それじゃルキア、またねぇ」

「ああ、マリアの事、頼んだよ」


と、グラマラスなお姉さんは会議室を出ていった。あれぇ~?


「あの……。今の方は?」


アドルさんに尋ねてみる。


「はい。彼女は保険課のミルドレットです。マリアさんは保険に入っていたので今回の件の担当者ですねぇ」

「あぁ~そうなんですかぁ~」


なんでしょうかねぇ。変に期待した俺がバカだったんでしょうかねぇ。

しかし、保険業務もやってたのね。この守銭奴ギルドは…。


「じゃ、そこに座って待っててくれ。今、用意させるから」


ルキアさんに促されて対面に座るとほぼ同時に「失礼します」と食事が運ばれてきた。メニューは塩焼きそば風のパスタに焼肉、サラダとスープだ。

ギルドのカフェのランチメニューだね。でも麵類があるなんて初めて知ったよ。

とても良い匂いだ。美味しそう。いただきま~す。


「すいません。銅貨8枚になります」


え?ギルドの奢りじゃないの?メシ代は自腹?そうですか。徹底してますね。

ええ、払いますよ。俺だってそこそこは稼いでますからね。

ギルドに奢られようなんて俺の甘えでしたね。勉強になりました。

でも、この塩焼きそばは美味しいです。


食事が済んでアドルさんが出してくれたお茶(無料)を飲んでいると、ガチムチのおっさんが会議室に入ってきた。


「遅れてすまんな。私がヤドラム支部ギルドマスターのロドリゴだ」

「ユウキと言います。ランクはFです。よろしくお願いします」


ああ~また、おっさんかぁ~やる気なくすなぁ~。


「では、早速だが今回の件について君の知りうる限り事を話してもらおうか」


こうして事情聴取が始まったんだが、話せる事なんてほとんどない。

彼女を看病してここに運んで来たってことくらいだ。


「じゃ、これを見てくれ」


ルキアさんがそう言って、机に上にニードルベアの針を出した。


「マリアはニードルベアに襲われた証拠だ。彼女は運良く軽傷で助かったんだがギルドとしてはこの魔獣に対処しないといけない。ユウキは何か森で見てないか?」

「ああ、それで緊急事態ですか。それなら大丈夫だと思いますよ」


そう言いながら、俺はDELSONをガサゴソと探って締まってある物を出した。

ニードルベアの針だ。


「ユウキも持っていたか。それで大丈夫とはどういう事だ?まさかお前が倒したってわけじゃないだろうな?」


ギルマスのロドリゴ氏はFランクがニードルベアを倒せるはずがないと思っているらしい。

その通りです。Fランクはそんな強いヤツを倒せません。倒したのは彼女って事にしておこう。


「そんなわけないじゃないですか。俺はド底辺のFランクですよ」


そう言って、俺はニードルベアの生首をドンと机の上に置いた。


「彼女が持ってました」


これには流石のギルマスやルキアさんたちも驚いたらしい。黙り込んで生首とにらめっこ状態になっている。


「彼女の左手と左脚の傷はこれを未処理で持っていたからだと思いますよ」

「まさかマリアがソロでニードルベアを討伐したって事?」


ルキアさんも驚いている。


「そうだと思いますが、そこら辺の事は彼女に聞いてもらわないと…」


ニードルベアの討伐は普通なら数パーティーの合同でやるからね。Dランクのましてや魔法使いのソロじゃ絶対に無理な話なんだけどね。

生首って言う証拠があるからねぇ~。彼女は否定するだろうけどね。

さて、もう俺の話すことは無いな。それならば…。


「じゃ、そういうわけで俺は帰って寝ます」


ロドリゴさんとルキアさんとアドルさんが今後の事について検討をし始めたので、俺はあとはヨロシクぅ~と会議室を出ていった。


そして、ギルドを出ようと受付の前を通った時である。受付嬢のロールさんに呼び止められた。何だろう?デートのお誘いかな?


「ユウキさん、ベット代。3時間で銅貨6枚になります」


ベット代も取るんかい!この守銭奴ギルドはぁ~!!!



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