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第55話・冬の森に泊まりに行こう


昨夜、新しい玩具を手に入れたので、これでポーションでも作ろうか?と思ったんだけど、ポーションの材料を持ってなかった。

なので、初のポーション製作は諦めて、もう一つの玩具『魔結晶』の解析をやってみた。

それでわかった事なんだけど、この魔結晶には7つの種類があって、その内の6種類がそれぞれの魔法の属性に対応していた。

含有率はほぼ同じで16~18パーセントって感じだった。

ただ、1種類の無色透明の魔結晶が何の属性にも対応していなくて、含有率も極端に少なく、1パーセント以下って感じだった。

それで、この結果を踏まえて個人的な仮説みたいなモノを考えてみた。


DELSONの鑑定で魔結晶が大きくなって魔石になる事がわかっている。

ならば、どういう風に魔結晶が大きく成長するのか?

初め、俺は1種類の魔結晶が成長するんじゃないのかって考えた。

炭素が地下で少しずつ結晶化していき、ダイヤモンドになるような感じで…。

ただ、それだと魔石自体が1種類の属性しか持たなくなる。

そうなると、この世界の魔法は複数の属性が関わり合って成り立っているとする『属性相互作用説』に反してしまう。

じゃぁ、どういう風に成長するのか?

そこで思いついたのが宝石のルビーとサファイアの事、この二つは「コランダム」と言われる同系統の宝石で主成分は「酸化アルミニウム」。

で、なぜ同系統の宝石なのに色の違いが出るかというと、含有している不純物が違うからなんだそうだ。ちなみに、ルビーの不純物が「クロム」でサファイアの不純物が「鉄」や「チタン」らしい。

これと同じように、魔結晶が大きく成長する時に他の属性の結晶を取り込み、複数の属性が相互作用する「魔石」になるんではないか?と考えたわけだ。


まぁ、この考えが合っているかどうかは実際の所わからない。仮に正解しているとしても他にいろいろと疑問が出てくるわけで、例えばなぜ魔獣の種類によって使う魔法が違うのか?とか、無属性の魔結晶はなのためにあるのか?とかね。


つらつらと素人が無駄に考え巡らしたところで簡単に答えが出るわけでもないし、無属性の魔石については、ユーノさんあたりに聞けば何かわかるだろう。

それに、この魔結晶の使い道を考える方が俺にとっては有用性があるしね。

案外、魔導具に使ってみるのも面白いかもしれないなぁ。なんてくだらない事を考えながら昨夜は眠りについたわけだ。


んで、翌朝。

今日は天気も良いので、森に行こうと思っている。

たぶん森での狩りは寒さで限界が近いし、昨日買った装備の確認もついでにやっておきたい。

と、いうわけで今回は森に一泊の予定で狩りに行く事にした。


新品の革製の装備を身に着け出発する。まだ、革が硬くて着心地がゴワゴワしてるけど、その内に慣れるだろう。

一応、屋台で今日明日の食料を確保してから森に入った。


この寒さじゃ獲物はあまり期待できない、でも森のマッピング範囲を増やすのも目的の一つだからレーダー機能を立ち上げてのんびり森の奥に向かった。


あっちへフラフラこっちへフラフラと一時間ほど森を彷徨ってみる。

動物たちは暖かい場所に移動したのか、レーダー上で確認できるのは小鳥やリスのような小動物くらいだけだ。

スライムたちも冬眠し始めているんだろう、ほとんど確認できなくなっていた。


「こりゃあ、完全に森の狩りは諦めた方が良いなぁ~」


一応、ウサギの巣穴っぽい所には『括り罠』をいくつか仕掛けてはみたが、どうなる事やら……。

もう少し奥に行ってみれば、少しくらいは獲物になる動物か魔獣が残ってるかもしれない。そう思って更に足を延ばしてみた。


森の奥を目指して2時間ほど歩いたところであるモノを見つけた。


「あぁ~爺さんから話は聞いていたけど……これかぁ~」


俺の目線の先に直径1mほどの木がある。その木の高さ2m辺りにガッツリと爪で

引っ掻いた跡が残っている。しかもかなり新しい……。

これは…たぶん…熊だ。魔獣化しているかは不明だがデカい事は確実だ。

冬籠りに失敗した熊なんて凶暴なのがお決まりじゃん…。出会いたくないなぁ。

俺としては、もっとおとなし目の獲物が良かったんだけどなぁ。


あぁ、嫌な感じぃ~フラグ立ったんじゃないかなぁ~。


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