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第52話・スライムはどうなってるかな?


やって来ましたダンジョンの第一階層。

3日ぶり?4日ぶりかな?

今回はロールさんとダルトンさんも一緒です。

早速、Dスライムに会いに行きましょう。



第二階層へ向かう道を外れて、ダンジョンの奥へと向かった。

Dスライムの置いてあるルートは前回、マッピングしてあるから迷うことはない。

のんびりとロールさんとダルトンさんを案内する。


「いやぁ〜こんな奥に来るのも久しぶりだなぁ」


ダルトンさんが懐かしそうに呟いた。


「ダルトンさんクラスの冒険者だと第一・第二階層じゃやる事ないですものねぇ」

「ま、それもあるんだがな。二十年も前だが俺はこのダンジョンでランク上げをやってたんだよ」

「そうなんですか。じゃダルトンさんはヤドラム出身?」

「そうだ。俺はこの街で生まれてね。ここでDランクまでランク上げしたんだよ」


そのあとは、スライムの場所に着くまでダルトンさんの思い出話を聞かされた。

昔のダンジョンはもっと豊な場所だったとか、初めて第四階層に行った時はどうっだったとか……。

奥さんとの出会いの話になった時はさすがに閉口したけど……。


そんなこんなでDスライムの飼育器にしている壺が見えてきました。

外見の異常はないみたいです。ではでは、中身の確認といきましょう。


最初に確認するのは餌に『ウサギ肉』を与えたヤツ。

蓋を開けてみると…。居ました。なんの異常も無く元気そうです。

ロールさんとダルトンさんも覗いてきます。


「小さいな…」


これはbeforeを知らないダルトンさんの感想…。

大きくなってますよ。ちょっとだけどぉ〜。

10cm級だったDスライムが15cmくらいになってます。

とりあえず、外に出してみましょう。蓋を外して…壺をひっくり返してっと……。


ビシャ〜って感じで、なんか水みたいな液体と一緒にDスライムが出てきました。


「なんだ?水か?Dスライムのオシッコかな?」


液体に匂いはありませんでした。なんの液体かな?流しきる前にDELSONで吸っておけば良かったよ。


で、Dスライムはというと…。

のんびりとウニウニ動いてます。ちょっと木の棒でつついて反応をみてみよう。

ツンツン。ツンツン。

つつかれたの嫌だったのか。逃げるようにゆっくり動いています。


「……。攻撃性がなくなってるのか?」


ダルトンさんが不思議そうにDスライムをツンツンしてます。


うむ。この反応、予想通りだな。


「ユウキさん、どういう事なんですか?」


ロールさんも不思議がってます。


「簡単な事ですよ。ダンジョンのスライムは『飢餓状態』だったって事です」

「飢餓状態?でも、餌になる動物ならここでも繁殖してますよ」

「これは俺の個人的な考えなんですが、ダンジョン内で繁殖している動物だけだと栄養となる『魔力』というか『魔素』というか、そういうモノが足りないんじゃないでしょうか。ダンジョンはその性質上、外部から栄養となる『魔力』を持った生き物が必要なんだと思います」

「どういう事だ?それじゃ、まるでダンジョンが外にいる生き物を呼び寄せて食べてるみたいな言い方じゃないか?」


ダルトンさん、いいとこ突きますねぇ〜。


「!?それって…。『ダンジョン生物説』?」


その通り。さすがロールさん、優秀です。


「オイオイ。ユウキよ、そんな眉唾物の説を信じてるのか?」


一番先にその説にたどり着いたダルトンさんが否定してどうするんでしょうか?


「ずいぶん昔に魔法学会に否定された説ではありますけど、俺自身は信憑性が高い説だと思ってますよ。でも……」


でも、今はその説が正しいかどうかは問題じゃない。


「今、考えるべきは『外部から持ってきた餌を食べたDスライムは成長して攻撃性がなくなった』って事なんじゃないでしょうか?」


これって大事なことだよ。『説』より現実の出来事の方が優先するんです。

何せ、『儲け』になるのは『現実の出来事』の方で、その説明は後で学者先生にやってもらえば良い。


「そ、そうだな。今、大事なのはダンジョンに餌を撒けば、スライムをどうにかできるって事だな」


ダルトンさん、わかってますね〜。


「そうですよ。効率的にスライムを育てる事が出来れば、これは『儲け』になる可能性があるって事です」

「スライムゼリーの安定供給が永続的にできる可能性が出てきたんですね」


ロールさんもわかってきましたね。

これがポーション類の安定供給に繋がれば、冒険者たちの生存率も上がるってことなんですよ。


守銭奴ギルドなら食いつく懸案事項でしょ?





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