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第33話・探検しよう


思いのほかDスライムの捕獲が早く終わった。なので、余った時間を利用してダンジョンの探検をしようと思う。

第二階層はここ第一階層とほぼ同じなのでスルーして、第三階層の探検をしよう。


ちなみに、第三階層以降の地図は有料で銅貨10枚〜って感じで販売してた。

さすが、商売人のギルドさんだ。


さて、探検をするにしても今回は何にも用意していない。なのでここはサクっとステルス機能を発動して探検する事にしよう。

これなら、魔獣にも襲われないだろうし、他の冒険者たちに迷惑をかける事もないだろう。

何せ、第三階層以降にいる冒険者はD〜Cランクの言わば熟練者の人達だ。俺みたいなポっと出の素人が近くをうろついていたら彼らの邪魔でしかないからね。


まずは、第二階層から第三階層へと向かう降り口に向かった。その降り口は第一階層からの洞窟を抜けて、20分ほど歩いた森の中にあった。

「石造りの階段」それが第三階層へと続く降り口だ。たぶん、冒険者を餌にするためにダンジョン自身が「階段」にしたんだろうと思う。

ま、この考え方は『ダンジョン生物説』ってヤツなんだけど、世間一般には受け入れられてないトンデモ学説なんだとか……。


その階段の幅は5メートルほどと広いが薄暗い。でも「暗視機能」を発動してる俺にはそんな事関係ない。しばらく降りていくと左右に延びた廊下に突き当たった。

廊下も薄暗く5メートルほどの広さ、パーティーを組んで闘うには微妙な広さだ。

大群の敵にでも出くわしたら、かなり厄介な事になるんじゃないかな。

それもダンジョンの計算の内かもしれない。レーダーで警戒しつつマッピングしていこう。


とりあえず、左右どちらに進むかだけど悩んでいても仕方ないんで右に進む事にした。意味は無い、単なる思いつきだ。

しばらく進むと今度は道が交差した。選択肢は「前」「右」「左」の三つ。

レーダー上で確認すると左右の道には扉の無い小さな部屋がいくつもあり、前方の道を進めば大き目の広場に出る事になる。

どの道を進んでも敵とは遭遇しそうにないので、直進して広場に出てみた。


広さは体育館ほどかな?戦闘するには充分な広さだ。

但し、明るければの話。薄暗い中での戦闘ならこの広さは不利な方に働くだろう。

そんな事を考えながら進んでいると、レーダー上に反応が出た。

ゆっくりとこちらに向かって来ている。たぶん冒険者のパーティーだ。

魔法使い(マジシャン)がいるパーティーかな。光の玉がフヨフヨと浮いて彼らの道筋を照らしている。


「……なんかさぁ、ゴミ増えてきてない?」

「そりゃそうだろう。未帰還者が増えてるって話だし…」


そんな会話が聞こえてきた。4人のパーティーだ。一番前を進んでいるのが魔法使い(マジシャン)だろうか?ローブ姿の女の子が杖で光の玉を操っている。

並んで歩いているのは盗賊(シーフ)かな?軽装備の男だ。前方を警戒しつつ会話している。

その後ろには回復役の神官(プリースト)の女の子、そして最後尾に鉄製の重装備に身を包んだ戦士(ファイター)の男。


バランスの良い組み合わせのリア充パーティーに見える。

嫌がらせに襲ってやろうかとも思ったけど、後々問題になるので止めておいた。


クエスト帰りらしい彼らは、背嚢にいっぱいの素材を背負ってえっちらおっちらと進んでくる。お仕事、ご苦労様です。


「ギルドもダンジョンの掃除もして欲しいんだけどなぁ〜。落ちてるゴミが邪魔で戦い難いんですけど〜」

「そんな事言っても無理じゃないの?ギルドのダンジョン要員は人手不足だし、俺達冒険者だって落ちてる鉄装備なんて拾わんでしょ?重いだけでほとんど金にならないんだからさ」

「でもさぁ〜、ちょっとくらい掃除しても良いんじゃないの?ギルドだって儲けてるんだしさぁ」

「んじゃ、ダンジョン掃除のクエストが出たら、お前やるのか?」

「う〜ん……。遠慮するぅ〜」

「それじゃ、一生ゴミは減らんわぁ」


彼らはそんな会話をしながら俺のすぐ傍を通り過ぎて行った。


おぉ〜。ステルス機能がちゃんと機能してるじゃん。

あいつら、俺がいる事に全く気付いてないよ。自画自賛だけど、コイツは良い機能だ。しかもなんかイイ事聞いちゃったよ。


彼ら冒険者たちにとっては、鉄製の装備品は重いだけのゴミ。でも俺に言わせれば鉄は「資源」だ。

何せ、こっちは鉄とコンクリートの世界から出張して来てる異世界人。

鉄の有効性は嫌というほど知っている。捨てる「資源」なら俺が貰ってあげようじゃないの。


計画変更!!ダンジョンのお掃除ついでに「資源回収」といきましょうかね。


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