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第25話・勉強もしなくちゃね


さて、一週間も経つと街での行動パターンがなんとなく決まってくる。

午前中はスライム狩り、午後は基本的に営業活動って感じってなっている。


だからってこのままルーティンワークにするわけにはいかない。

そこそこ稼げても、所詮はフリーターと同じなんだから事故に巻き込まれでもしたらそれこそ命取りだ。

チャンスがあれば安全マージンを広げる。それがこの世界で生き残るのに必要な事だ。


んなわけで、今日はアサイ村では出来なかった魔法のお勉強をしにギルドにやってきた。

受付にアドルさんの姿がなかったので、猫耳の受付嬢に声をかけた。


「すいません。今から資料室は使えますか?」

「はい。大丈夫ですよ。今、鍵を持ってきますから、ちょっと待っててくださいね」


そう言って、猫耳のお姉さんは奥に行った。語尾に「にゃ」って付けないのねぇ〜。


「では、ご案内します。2階へどうぞ」


そういって、猫耳さんが先に立って案内をしてくれた。


「もしかして、アサイ村のユウキさんですか?」

「はい。そうですけど…、何か?」

「やっぱり!アドルさんから優秀な方と聞いてましたから」

「優秀って…、知識も無い出稼ぎですよ」


アドルさんが評価してくれてるのは嬉しいけど、面と向かって褒められると何か照れるな。


「いえいえ、ほとんどの冒険者のみなさんは資料室なんて使いませんからね」

「そうなんですか?情報って大事なんですけどねぇ〜」

「そうなんですよ!みんな情報がどれだけ大事かわかってないんですよ。その点、ユウキさんは勉強家なんですねぇ」

「勉強家ってほどでもないですよ。単にビビリなだけで…、情報を入れて自分の安全性を高めたいってだけです」

「それでも、情報の重要性をわかってらっしゃるから優秀ってアドルさんは評価なさってるんだと思いますよ」

「そういうものですかねぇ」

「そういうものですよ。あ!自己紹介まだでしたね。私、ロールって言います。たぶんユウキさんの担当になると思いますので、これからもよろしくお願いしますね」


おおおおおおお!!!キターー―!!!不意を衝く出会い系イベントーー!!

テンション爆アガリするわーー!!

いやいや、焦るなぁ〜落ち着けぇ〜ここで焦ったら数少ないイベントが台無しになるぞぉ〜。……深呼吸深呼吸、すぅ〜はぁ〜すぅ〜はぁ〜

よし!!落ち着いた!!


「そうなんですか。こちらこそよろしくお願いしますね」


うん!!紳士的!!これで第一印象はOKかな?


「こちらが資料室になります」


そう言いながらロールさんが扉を開けた。そこは学校の図書室といった感じの部屋だった。ほとんど使用されていないので、少しカビ臭い。


「本の閲覧は自由ですが、持ち出しは禁止です。メモを取る時は本を汚さないようにご注意くださいね」

「はい。了解しました」

「では、何かありましたら私は受付にいますのでお呼びください。資料室の鍵はユウキさんに預けておきますね」

「はい。ありがとうございます」

「あ!私、語尾に『にゃ』は付けませんから、あしからず」


そう言って二コリと微笑んでロールさんは受付に戻っていった。

う〜ん…、なんか心を読まれたかなぁ〜


さて、今回は魔法の勉強になりそうな資料を漁ってみよう。アサイ村では魔法の資料が皆無だった。

できれば属性について詳しくは知りたい。そうすれば、DELSONの謎機能が何かの役に立つだろうし、ダメでも魔法の知識があれば対魔法戦でアドバンテージが取れるはずだ。

ウロウロと資料棚の間を探し回っていると……。それっぽい資料を見つけた。

『基礎魔法学・総論』なんてのがあった。パラパラとページをめくってみる。

「属性」や「錬金術」「魔法陣」「魔導具」なんかについてザックリ書いてあるらしい。

コイツは良い資料だ。DELSONに吸わせて完コピしてレシピ集に保存しておこう。

次はぁっと……、『初めての錬金術』『魔法陣の書き方』『魔導具を作ろう』なんて初心者向けの資料がある。

俺には持ってこいの資料だ。全部コピっておこう。

こうして俺はそれっぽい資料を十冊ほどコピってから、ゆっくりと読む事にした。


今日は勉強、はかどりそうだぁ〜



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