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第221話・宣戦布告

マイクラやってると、時間が溶けるねぇ~


バーが開店して五日ほど経過した。

その間、店は閑古鳥が鳴き叫んでいた……って事はなく、ヤーヴェさんから話を聞いて来たっていうハイソな方々がそこそこ来店していた。


来客数は一見さんも含めて多くても一日に4~5人程度。

まあ、思っていたより順調といえば順調なのかもしれない。


その間、俺はこの店の魔改造をしていた。

H鋼を組んで補強工事をしたり、壁を二重構造にしてパイプやら配線を通したり、地下室にダンジョン交通を開通したり、三階の部屋を指令室に改造したりとかね。


それと店舗の裏方要員として強化アバターを20体ほど配置した。

酒類の運搬とか警備員としても使えるのでとても便利だ。


一見すると安普請の店舗だけど中身はオーバーテクノロジーだらけのチート店舗。

うむ、良いんじゃないの?これで少しはヤドラムの安全性も高まったと言えよう。


なんて安心していた時、事件が起きた。


俺が帰った後の事だったらしい。

その時、お客様の相手も一段落つき店内にはレッドさんだけだったそうだ。


静かな店内、カウンターの内側でレッドさんはグラスを磨いていた。

バーン!!と大きな音と共に店の扉が勢いよく開いた。

入店したきたのは、如何にもって感じのチンピラ風の男達が数名。


「ほ~、イイ感じの店じゃねぇ~か。いつ開店したんだぁ」


ドカドカと足音も高らかに入ってくる。


「五日ほど前に開店したばかりです。新参者ですが、よろしくお願いします」


レッドさんは店員モードで対応する。


「おお、こっちこそヨロシク頼まぁ。んで、オマエさんがここの店長?って事でいいのかい?」


「ええ。雇われではありますが、一応はこの店の一切を任されております」


「なら、話が早い。ここら辺りは歓楽街なんでな、少々治安が悪い。俺達がこの店の用心棒になってやる。だから……わかるだろう?」


「ほう……用心棒ですか……。当店には不要なモノなのですが……」


「必要ないと……。じゃあ、お暇しますっていうわけねぇだろう?こっちはガキのお使いじゃねぇ~んだからよ」


と、言うなりチンピラはカウンターに並べてあった小物を薙ぎ払った。


「舐めた口、利いてんじゃねぇぞ!痛い目に遭わせたろうか?」


最悪の事態だ。これでレッドさんは店員モードから強者モードに切り替わる。


「ヒト如きがイキがるなよ」


一瞬にして店内の空気が変わる。レッドさんから『覇気』が漏れ出したのだ。

「ひっ……」と声にならない声を出してチンピラ共が恐怖に固まった。

だが、ただ一人最初に啖呵を切ったチンピラだけは息も絶え絶えに虚勢を張る。


「て、てめぇ…『エシェド・ファミリー』に逆らったらどうなるか、わかってんだろうなぁ……」


「ファミリー?きさまらはマフィアか……。ならば、ギルドとの協定で決まっている境界線の外で暴れている事になるが、それは理解しているのか?」


「ふん。そんな協定なんざ関係ねぇんだよ。この町で商売がしたかったら『エシェド・ファミリー』に逆らうんじゃねぇ。でなきゃ…命の保証は無ぇぜ…」


「ふむ…。人間同士で決めたルールも守れぬ輩の集団という事か…。ならば少々躾けてやらねばならんな…」


そうレッドさんは呟くと指をパチンと鳴らした。




翌日の昼過ぎ、俺が店に行くとレッドさんと店員姿の強化アバターが散らかった店内の片付けをしていた。グラスやらワインの瓶が割れて散乱している。


一体、何が遭ったのよ?ってレッドさんに問い質したら、斯々然々(かくかくしかじか)と説明してくれた。


で、そのあとチンピラさん達はどったの?

アバターに躾けを頼んで返却した?躾けってナニしたの?大丈夫なの?

チンピラさん達は死んでないよね?

どうしたの?なんで目を背けるの?


お読みいただき、ありがとうございました。


不定期更新で、のんびり進めていきます。


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