第201話・竜の名は……
まさかこんな所に『月刊 エルドランド』の読者いたとは思わなんだ。
ちょっとびっくりしたが聞いてみると、赤竜さんの趣味は読書だとか…。
ちょくちょく人に化けては町に降りて本を買っているらしい。
「基本的にヒマだからな……」
と、自嘲気味に言っていた。
お金とかはどうしてるの?って聞いたら、それは過去に来た愚か者共から巻き上げたヤツが大量にあるから大丈夫との事だった。
「ほら、そこに置いてあるだろう」
と指差された部屋の様になっている穴を見てみると、そこには赤竜さん曰く、愚か者共の成れの果てがゴミの山のようになっていた。
「うわぁ〜…何これ?鎧やら武器やら魔導具まであるよ……」
しかも、よく見れば鎧には中身が残っている物まである。
「ちょっとグロいんですけどぉ……」
「仕方あるまい。あの程度の武装で私に挑もうなどと浅はかに考えるからだ」
「せめて中身くらいは弔ってあげるくらいはしましょうよ」
「なぜ私がそのような面倒な事をせねばならんのだ?弔いたければ貴様がやれ」
まあ、赤竜さんは狙われた側なんだから敵を弔う気持ちなんぞありはしないだろうけどね。
さすがに俺が言い出したんだから、弔わないといけない感じがする。
「んじゃ、弔いついでにこのゴミの山を整理させてもらうけどよろしい?」
「ああ、勝手しろ」
と許可が出たので、一気にDELSONで吸い上げてストレージ内で仕分け、部門別に分けて部屋に並べていった。
中身の方は適当に穴を掘って埋め、墓標代わりに杭の一本を打ち込んでおいた。
ナンマイダブナンマイダブ〜。
「よし。こんな感じで良いかな?あと、お宝は部門別にして置いてあるから処分は自分でやってね」
「うむ、手間を掛けたな。助かる」
お宝の中には『ドラゴン・バスター』なんて如何にもなモノがあったけど、そんな剣ですら赤竜さんの前では役に立たなかったようだ。
「ああ…。そう言えば自己紹介をスッ飛ばしてたね。俺はユウキ、ここには出稼ぎに来てる冒険者だ」
「ユウキと言うのか…覚えておこう。私には名が無いのでな。だから適当に呼んでくれ」
「そか…。じゃあ、適当に……」
と、悩むことしばし……。
「身体が赤いから『レッド』さんで!!」
「なあ、ユウキよ。適当にもホドがあるぞ?」
「だって、俺にはネーミングセンスが無いんだもん。仕方ないじゃん」
「だからと言って、その名前。なんか締めに一発ギャグをしないといけないような気がするんだが?」
この名前からその発想に行きつくのは、相当なマニアな人だけだぞ。
でも大丈夫、そんな無茶ブリは絶対にしないから。
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