表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/227

第02話・DELSONを試そう

森の中を適当に歩き始めてしばらくすると

水の流れる音が聞こえてきた。

近くに川があるらしい。ラッキーだ。

川があればサバイバルも楽になるし、それに人里も遅かれ早かれ見つかるだろう。

そう安易に考えて、水音が聞こえる方へと足を向けた。


森を抜けると、そこそこ広めの河原に出た。

川の水も澄んでいて飲んでも大丈夫そう。

それに流れも緩やかだし、魚も居そうだ。

これなら「水」と「食料」の確保も簡単にできるろう。

ならばと思い、ここでDELSONデルソンを使ってみる事にした。


まずは吸引力のチェック、足元にたくさんある1㎝くらいの小石を吸い取ってみよう。

DELSONデルソンのスイッチを入れると、甲高いモーター音が響き始めた。

静音設計の賜物だろう、微かにしか聞こえない。

ゆっくりとホースの先端を小石に近づけると、ズココッって感じに小石を吸い込み始めた。


スゴイ!何の抵抗も無く、気持ちいいくらいにドンドン小石を吸い取っていく。


自分の周囲にある小石をあらかた吸い取ってみたが、DELSONデルソンが重くなったようには感じない。

ちゃんと吸い込んでるのかな?と確認しようと思ったら、ピロンと軽い音がして目の前に何か表示された。


「小石 3486」


……小石の個数かな?

ダストケースはラノベの定番のストレージみたいな仕様になっているみたいだ。うむ、便利ぃ~。

正直、こいつは俺自身に付いて欲しかったなぁ……。


次は川に向かってスイッチを入れた。

ゾゾゾって感じで川の水が吸い込まれていく。そして、確認。


「水 158」


こっちの単位は「リットル」かな?よくわからん。


さて、お次はどうしようかなぁ~

あ!あれにしよう!少し離れてる所にある1m程の小さめの「岩」

その岩に向けてDELSONデルソンのスイッチを入れる。

初めは何の反応もなかったので、少しづつ吸引力の威力を上げてみた。

モーター音も徐々に上がってくる。

すると岩がカタカタと動き始め、バコッという音と共にすごい勢いでこっちに飛んできた。


「のぁ!!!」


正直、ビビって腰を抜かした。が、岩は消えていた。


「岩 1」


うむ、成功~。なんとか吸引できたみたいだ。

ホッと一息ついて、もう一度川へ向かった。

食料確保のためだ。サバイバルなんだから水と食料の確保は絶対条件だ。

だが、DELSONデルソンがあればなんとかなりそうだ。


川に目を凝らして探してみると、数匹の魚が泳いでいるのが確認できた。

食べごろサイズの大きさだ。DELSONデルソンなら簡単に捕れるだろう。

あとはどうにかして「火」を起こせば、当面は安心できる。


では、「魚捕り」といきましょうか。

DELSONデルソンのパイプをライフル銃の様に構えて魚に狙いをつける。

そしてスイッチON!チャポーンという感じで魚が飛んできてDELSONデルソンに吸い込まれた。


「やった!!」


と、思った次の瞬間

ポーンと魚が吐き出されて、川に落ち逃げていった。


「え?どういう事?」


何かの間違いだろうか?

確かに魚は吸引されたはずなのに……なぜ?

もう一度だ!試してみよう。


…………。

いかん……。あれから、数回試してみたが同じ事の繰り返しだった。

魚は確実に吸引されているはずなのに、何かに弾かれる様に吐き出される。

マズいぞ……この問題を解決せんことには、このサバイバルは確実に詰む。

考えろ~……どうして弾かれる?~……。


……弾かれる?……弾かれる?!……


「そか!」


ダストケースのストレージ機能だ!

DELSONデルソンは何でも吸い込めるが、ダストケースのストレージ機能は生きた動物は収納できない。

だから、吐き出されたんだ!


そうとわかれば、あとは簡単。

お魚さんには悪いが、とどめを刺さしていただきましょう。

これも生きる為です。ごめんね。


ならば今度はDELSONデルソンの「お魚殺傷兵器」としての機能を確認せねばなるまい。

そう思って、俺はお魚との死闘に向かうのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ