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第187話・明日に向かって…。

新年、一発目の更新です。

本年もよろしくお願いします。


あと、新作も投稿しました。

こちらもよろしくお願いします。

『異世界は指鉄砲でBANG!!』https://ncode.syosetu.com/n1724ia/



「少しずつではあるけど、低ランクの冒険者には優しいダンジョンにするつもりでいるよ」


人間と上手く共生関係を築き、立派なダンジョンになってみせる。

そう、ラムちゃんは意気込んでいた。


その意気込みは称賛するんだけども、ラムちゃんの農業セクションはどうなっているのよ?


「そこは説明するより見た方が早い」


と、ラムちゃんは第八階層の農業セクションにみんなを案内する。

エレベーターで一つ降りると、そこには未開拓の土地が広がっていた。


「ここは直径3kmの丸い土地、ここを農地として開拓する」


「開拓するって言っても、あたし達だけじゃ難しいわよ?」


と、ルキアさんは難色を示した。

そりゃそうだ、ここにいる連中は開拓の「か」の字も知らない。

ましてや、開拓する為のマンパワー自体が皆無だ。


「それは、ユウキのゴーレムにやってもらう」


とラムちゃんが言う。まあ、その御要望に御応えする為に棒人形を改良して、農業用ゴーレムを造ったりしてたんだけどね。


「まさか、ゴーレムに鍬でも持たせる気?」


とルキアさんが茶化してくるが、そんな事はしませんよ。


「御安心召され、ちゃんと用意出来てるよ。お()でませ!農業戦隊!!召喚!!」


と気合い一発。DELSONから20体の棒人形が排出された。


その棒人形たちは、お揃いの麦わら帽子を被っていて見た目は「案山子」そのものだった。

だが、彼等はタダの案山子ではない。

二本足で立ち、手はしっかりと五本の指を備えている。


「やっぱり、単に帽子を被ってる棒人形に鍬を持たせるんじゃん」


とルキアさんは呆れているが、実のところ戦力はコイツ等だけじゃない。

ちゃんと、ラムちゃんが観察し蓄積してきた農業情報を組み込んでいるオプションパーツも作ってあるのだ。


「これだけじゃありません!!()でよ!農業機械軍!!」


と、更に気合い一発。DELSONから数種類の農業機械は飛び出す。


「また、わけのわからないモノを造ってからにぃ〜」


それを見たユーノさんは頭を抱えていた。


「まあまあ、一応はここだけでしか使わないモノなんだしイイじゃありませんか」


「アンタはそういうけど、明らかにこの機械は超文明の技術で造ったモノでしょうがぁ〜」


「そりゃそうでしょ。この圧倒的にマンパワーが足りてない状況で、広大な敷地を開拓するのに超文明の遺産を使わない選択肢は無いですよ」


その農業機械は耕運機、トラクター、コンバイン、小型トラックと思いついたモノを用意してみた。

まあ、見た目だけは元の世界の農業機械だけど中身はゴーレムだし、ついでに魔導具も組み込んである。


農業用棒人形も繊細な作業をしないといけないので、下手な戦闘ゴーレムより高性能だったりするんだよね。


「んで、ラムちゃんや。ここで栽培するモノは決まってるの?」


「うん。まずは基本の麦でしょ。それから芋と根菜類。あとは豆類なんだけど、これは魔獣化技術を応用して品種改良した大豆とトウモロコシを栽培するよ」


とのラムちゃんの説明にマリアさんが質問してきた。


「豆を魔獣化って…。大丈夫なんですか?」


「大丈夫。魔獣化と言っても形質を変化させるだけだし、DELSONのサポートもあるから安全性はバッチリだよ」


今回の品種改良にはDELSONのクラフト機能も使用して、遺伝子情報から改良している。しかも、疑似的に改良したモノをシュミレートして安全性も確認している。


「大豆やトウモロコシが急に暴れ出すような事ないから安心して」


と、ラムちゃんが付け加えた。


「あと、ユウキの言ってた『米』なんだけど、あれはもうちょっと研究してから始めようと思う」


「だよねぇ。田んぼなんて、こっちじゃ見た事ないし、どこぞの国に稲作文化があるって保証も無いし、曖昧な情報から推測して稲作の技術を確立しないといけないからねぇ」


「この困難を乗り越えた先に、食文化の夜明けがあるのだ!」


ビシッと見えない明日に向かってポーズを決めるラムちゃんであった。


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