第182話・次こそは等級GETだぜ!!
「……という事で、ギルドとしてはこの魔導具に問題有りと判断し、『廃棄処分』が妥当と決定いたします」
そうダルトンさんが宣言して『光る剣』は廃棄されることが決定した。
会場の冒険者からは不満の声も聞こえたが、ギルドの決定には従うしかない。
てか、ダルトンさんって、こういう権限も持ってここに来てたのねぇ。
しかし、件の剣はその宣言の前に、ルキアさんがベインベインしてくれたせいで変な形に折れ曲がり、すでに『廃棄物』と化していた。
「まったく、聖剣の割に脆いわねぇ〜」
ボッキリと折れた剣を片手にルキアさんが戻ってきた。
「それは聖剣じゃなくて、マナトーチの機能を付け加えた単なる鉄の剣です」
そう言って、折れた剣をDELSONに回収する。
「そんな玩具じゃ問題ナシでも等級が付くか怪しいもんだけどぉ」
「なに言ってんすか?コイツは危険魔導具の規定じゃ、最低でも三等級は付くんですからねぇ」
「ウっソだぁ〜。玩具に等級が付くはずないよ〜」
と、ルキアさんは納得してないようだ。だが、そこでユーノさんが援護射撃をしてくれた。
「それがねぇ。危険魔導具は『殺傷能力のある魔導具』って規定があって、それには魔導具の発する魔法に殺傷力が無くても、魔導具自体に殺傷力ある場合も含まれているのよねぇ」
「そういう事で、コイツは最低限の三等級は確定してたんですぅ〜」
「なにそれ?そんな決まりがあったの?何か納得できないんだけどぉ〜」
「でも、この決まりも曖昧でね。判断基準が判定人に一任されてるのよ」
「んじゃ、判定人の気分次第で等級の有無が決まるの?そんな事で大丈夫なの?」
と、ルキアさんは納得していないようだが、その辺をキッチリし過ぎちゃうと家庭用の魔導具にも等級が付く事もあるので適当にしているんだそうだ。
まあ、殺傷力なんてモノは道具の使い方次第でどうにでもなるモノ。
極論ではあるが、鉛筆一本にも殺傷力はあるのだ。
さて、そんな事よりも大事な事を進めよう。
今回のラスト、5本目の魔導具の判定試験だ。
「また、剣タイプ?」
今度は大丈夫なんでしょうね?とルキアさんは疑いの眼差しを向ける。
「大丈夫!今度のは耐久性もバッチリだし、光ったりもしません!!」
この剣はあるロマン武器を目指して開発した。
それは『蛇腹剣』とあるロボットアニメが元祖らしい。
接近戦では「剣」に敵が遠のけば「鞭」に変わる変幻自在の武器だ。
ただねぇ、実際に造るとなると上手く出来ないんだよねぇ。
「剣」の時は接合部が脆弱だし、「鞭」の時には重すぎるし、扱い難い。
んじゃ、補助的に風属性の魔法でも組み込んで、素早く展開できるようにしようとやってみたんだけど、これが上手くいかない。
そこで、更に扱い易くするために「蛇腹」の数を減らしていって、どうにか使い物になりそうになったんだけど……。
『スペツナズ・ナイフ』みたくなっちゃったのよ。
刀身の中ほどから分離して風属性の魔法を使って発射、刀身自体はワイヤーで繋がった状態なのである程度は制御できるって寸法だ。
ワイヤーの長さは5mほどあるが、刀身がそれなりに重いので有効射程距離は3mくらいにしかならなかった。でも、刃渡り3mの剣を振り回すって考えれば威力はかなりのモノだと思う。
「一応、ユウキから説明は受けたけどねぇ…。上手く扱えるか不安よ」
と、ルキアさんは不安がっているが、それでもCランクの冒険者だ。
剣はそこそこ扱い慣れている。
「よし!!」
と気合い一発、手元のスイッチを押して魔法を発動させた。
プシューーと気の抜けた発射音と共に刀身の半分が撃ち出される。
そして……。
ガン!!と派手な音をたてて的の鎧に突き刺さった。
「はっ!!」
間髪入れずルキアさんが剣を操作して突き刺さった刀身を引き抜き、続けざまに鞭のように操る。
ギン!ギン!!と不快な金属音を響かせて的の鎧が傷ついていく。
「たあーーー!!」
最後の一撃が大上段から振り下ろされた。
ガキン!!と鈍い音をたてて、鎧の胸部辺りまで切り裂かれた。
「真っ二つとはいかなかったか…。でも、鉄の剣でこれだけ出来れば上々かな」
と、ルキアさんもご満悦の様子だ。
「ただし……」
と、手元のスイッチを操作して刀身を元に戻す。
シュルルと、刀身が勢いよく戻ってくるが…。
「うわ!!危なっ!!」
勢いがつき過ぎた刀身がルキアさんの位置を超えて俺の居る所まで迫ってきた。
「これじゃあ、危な過ぎて味方も傷つけちゃうなぁ。ヘタしたら自分も切っちゃうかもしれない」
かなりの訓練が必須ねぇ、と刀身を戻しながらルキアさんは言っていた。
でも、威力は申し分ないので「要訓練」という条件付きで「二級判定」を頂けた。
更新が遅くてスミマセンm(_ _)m




