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第18話・祭りの後は出稼ぎの日


夕飯の後はゆっくりと寛ぎながら、村長さんと今後のことを話し合った。


「あと、一週間もすれば麦刈り作業も終わるだろう。その後、秋の祭りが終わってから、ユウキ君には街に出稼ぎに行ってもらう事になる」

「はい。でも、よろしいんですか?俺はまだ半年も訓練を受けていませんけど…」

「あぁ、訓練期間の事か。それなら君は大丈夫だ。ヘイぜル爺さんからもお墨付きをもらっているからね」

「そうなんですか!?」

「そうだよ。君は自分が思っている以上に優秀とのことだ。余程の事がない限り大丈夫と爺さんが太鼓判を押してくれたよ」


爺さんはずいぶんと俺の事を買ってくれているみたいだ。


「だからと言って、無茶はしないでくれよ」

「元々、無茶する気はありませんよ」

「そうかい?亜竜に会いに行くとか言ってたらしいじゃないか」

「……え〜と……そんな事は……しませ……ん?」

「くれぐれも無茶はしないでくれよ。村の連中も心配してるんだからな」


いやぁ〜なんか俺の行動がバレてる感じだ。

自分的には、無茶してるつもりは微塵もないんだけど、例の魔法集めが周囲からは無茶に見えてるらしい。


「大丈夫!大丈夫ですってばぁ〜」


にこやかに誤魔化してみたけど、村長さんは信じてくれてなさそうだ。


「ま、街では君にやってもらう事も多いから、無茶を出来るほどのヒマがあるとは思えないがな」


そう言って、村長さんはドサドサと大量の資料を持ってきた。


「あの……これは……?」

「そう、これは訓練校開設に必要な書類だよ」


いやぁ、スゴイ量の書類の束だ。


「いくらギルドからの依頼とはいえ、領主様も絡んでいるからね。申請書やら何やらでこの量だよ」

「これ、全部ですか?スゴい量ですねぇ」

「いや、まだ半分くらいだよ。残りは出稼ぎの日程が決まるくらいには渡せると思うから頼むよ」


ま、がんばってくれたまえ…そう言って村長さんは書類の山を俺に渡してくれた。


これじゃ、出稼ぎするより関係各所に巡って出稼ぎ期間が終わりそうだよ。



それから、十日ほどして収穫作業が終わり、村では秋祭りの準備が始まった。

祭りと言っても規模は小さく、収穫を祝う飲み会みたいな感じだ。


この祭りが終われば、数回に分けて出稼ぎ組が街に向かうことになる。

俺は第一陣で出発する事になっている。


なんか、あっという間に訓練校卒業?って感じになってるなぁ。

ま、学校自体が出来てないから、卒業ってわけでもないんだけどね。


「そんな事で、これが残りの書類だからよろしく頼むよ」


デン!と置かれたのは例の学校関係の書類。

確実にキロ単位の量はありそうだ。


「スゴイ量になりましたね。これをギルドに渡せば良いんですね?」

「ああ、そうだ。ギルドには私の息子のアドルがいるから指示を仰いでくれ」

「了解しました」


街に行ったら早速、学校関係の事で立ち回る事になるだろう。

その合間に出稼ぎって、かなり忙しくなりそうだが仕方ない。村には世話になったんだから、少しくらいは恩返ししないとね。


「街での暮らしの事は、ロイドやガンツから聞くといい」

「はい。いろいろとお世話になりました。これで立派な出稼ぎ冒険者になれそうです」

「はは。出稼ぎの基本は無理や無茶をしない事。それを忘れんでくれ」


最後の最後で、ガッツリ釘を刺された。

俺ってそんなに信用ないのかな〜。



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