表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
144/227

第144話・報酬ナシ?


お披露目が終わった後、お茶会の話題は俺のDランク昇級に変わった。

Eランクになったばかりだというのに、気が早くありませんか?


「ナニ言ってるの。冬にはダンジョンの階層を増やす予定になってるんだから、焦らないでどうするの?」


と、ユーノさんは言うが焦ったところで、ラムちゃんの魔力の溜まり具合ってのもあると思うんですけどぉ〜。


しかし、その心配は無用だったようだ。


「それなら、大丈夫だよ。予定以上に魔力量が上がってるから」


ラムちゃんの話ではギルドでやっている『スライム牧場』の規模が広がり、その影響でラムちゃんが吸収できるマナが増大しているらしい。

なので、秋の終わり頃か遅くとも冬の始めには次の階層を増やす準備が出来るとの事だった。


「って事で、ユウキ君には秋が終わるまでにDランクになっててほしいわけよ」


と、ユーノさんが言い出した。


「それは了解しましたが、昇級試験の内容ってどうなってるんです?」


正直、Dランクの昇級試験なんて俺にはよくわからない。


「まあ、筆記試験はEランク昇級で受けちゃってるからね。試験らしいモノは無いも同然なのよ」


と、ルキアさんが言う。試験が無い?どういう事?


「Dランクになるには規定の仕事をやらないといけないのよ」


「規定の仕事?『盗賊の討伐』とかですか?」


「討伐は、まず無いわ。試験に使えるほど盗賊なんて居やしないもの」


考えてみれば、当たり前の事だ。いくら治安が悪い世界とは言え、野生動物じゃないんだから、そうそう盗賊なんているモノじゃない。

しかも、盗賊をできるだけの力量があるなら、冒険者なりマフィアの用心棒なりをやっている方が稼げる。

この世界で盗賊なんてやっているヤツは、冒険者にすらなれない半端者だ。

それに商人は大抵の場合、魔獣対策の為にある程度の大きさの隊列を組んで移動するので、少々の盗賊など敵にもならない。


「じゃあ、規定の仕事ってなんです?」


「大抵は商人の護衛よ」


「え?でも、隊列を組んで対策してるんですよね?」


「その対策が仕事なの。護衛の仕事相手は盗賊じゃなくて魔獣とか野生動物よ。それに、他の冒険者たちと上手く連携できるかってのが重要なのよ」


そういう事ですか。コミニュケーション能力の試験なのね。

『コミュ障』じゃ、上位の冒険者にはなれないというわけですな。

まあ、そうだろうな。上位になればなるほど貴族などの上流階級との付き合いも増えるんだから、『俺様冒険者』じゃ仕事が回ってこない。

仕事がこなければ当然ランク落ちって事にもなりかねない。

そうなったら、冒険者として仕事をしていくのは難しくなるだろう。

あとは引退して再就職するか、マフィアへ身を落とすしか道はない。

いやぁ〜、この世界の冒険者って思うほど自由奔放じゃないんだねぇ〜。


「まあ、割に合わない護衛の仕事を4つほどやれば昇級ってのが普通ね」


「割に合わないほどキツい仕事なんですか?」


「そりゃね、報酬ナシの仕事だもの……」


マジすか!?それって単にギルドが儲けを増やす為だけにやっているのでは?


「一応、試験官も同行するから必要経費はギルド持ちだけどねぇ」


昇級試験に使われる仕事は、支払う依頼料も安くなるので、商人達には好評なのだそうだ。


「往復の護衛で2回、もしくは片道護衛で4回。時間的に短くて2週間ってところかな?」


と、ルキアさんがはじき出す。


「んじゃ、来月あたりにはヤドラムに行かないといけないですねぇ」


「そうね。ちょっと慌ただしいけど一人で頑張ってちょうだい」


………そか……。みんなと行動するわけじゃないんだっけ。

昇級試験を受けるのは俺だけ。パーティで仕事をしたら試験にならない。

まあ、ついこの間までソロでやってたんだから別に気負う事もないか。


「了解しました。アドルさんと相談して来月のスケジュール調整をしますよ」


こうして俺のやる事が決まり、お茶会の続きがまた始まった。


しかし、無報酬で仕事させるって何か納得できないなぁ〜。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ