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第143話・お披露目します


耐久訓練を行ってからというもの、何故か一部の生徒から嫌われている。

だが、そんな事を気にしていたら教育者なんぞ務まらない。


『訓練教官というものは、訓練生に怨まれてナンぼだ!!』

とは、ミュラー爺さんの有り難いお言葉である。


俺は生徒達に怨まれたくはないのだけれども……。





さて、そんなある日の事……。


ピロロンと軽いアラームと共に、例の超文明の遺物の解析が終了したとDELSONが告げてきた。

これで、自動鎧(オートメイル)の試作が出来そうだ。材料も揃ってるしね。

最初のヤツは自重ナシでDELSONチートてんこ盛りで製作しよう。


とりあえず、クララ様から頂戴した鎧は正直いうと武骨なんで、デザインを一新しよう。スリムで格好良く洗練された感じに…。

あと、色も重要だね。試作型は戦闘用でも派手な方が良いと思うので、某有名ロボットアニメの様なトリコロールカラーか、もしくは金色が良いね。

武器には飛び道具も採用しよう。軽く飛べるのも良いかも…。


うむ。これで大枠は決定だな。早速、製作に入ろう。

まずは、中身。ただ棒人形をそのまま鎧に突っ込むんじゃあ面白味がない。

それっぽく、改造しよう。DELSONの「クリエイト機能」を使ってゴーレムのパーツをフレーム構造にしていく。要は某プラモデルの上位グレードっぽいモノを目指してみたいんだわな。

なんせ、最上位グレードのヤツだと1万円レベルの高級品だったから、俺の給料だと気軽に購入出来なかったのさ。その夢をここで果たそうとしてるわけ…。


パーツを一つ一つ丹念に製作していく。関節は可動域を考えて二重関節だな。

パワーの事も考えてアクチュエーターか人口筋肉も装着してみよう。

ジャンプ力のアップもしたいから、風属性の魔法を利用したロケットも…。

武器はどうしようかな?普通の剣じゃつまらない。

やっぱり、ビームサーベル?ヒートサーベルも捨て難い。

飛び道具もしっかり着けよう。なんせ棒人形には魔法を利用した『マナブラスター』なんてモノが標準装備だったんだしね。こちらもパワーアップして装備しよう。


あれやこれやとヒマを見つけてはパーツを製作し十日ほど時間を費やした。

今は外装の為に鎧を分解して再調整している。

そして重要な『色』の問題にブチ当たった。

最初の予定では白を基調として赤と青で配色したトリコロールカラーにしようかと思っていたんだけど、外装のデザインからして『金色』に変更。

しかし、外装に金箔を施すなんて剛毅なことは不可能なんで、ちょいと裏ワザを使うことにした。


人が『金色』と認識する色は実は単純な方法で再現できる。

一番簡単なのは、アルミホイルのピカピカした面にマジックに黄色を塗れば『金色』になる。わざわざ、金箔に頼ることはないのだ。

って事なんで外装の表面をピカピカに鏡面加工して、その面に特製の黄色の塗料を塗った。これで見た目だけは『黄金』の自動鎧(オートメイル)の出来上がりだ。



そして、本日は毎月恒例のダンジョン茶会の日。

出来立てホヤホヤの自動鎧(オートメイル)のお披露目といこう。


「と、いうわけで、自動鎧(オートメイル)第一号機が完成しました!」


パンパカパ〜ンと景気良い効果音が鳴りそうな勢いで発表してみた。

ユーノさん、ルキアさん、マリアさん、クララ様はポカ〜ンとしてます。

ラムちゃんだけは「早く見せてぇ〜」と興奮気味。


「ナニが『と、いうわけ』なのよ?また戦争の火種になりそうなモノ作って…」


と、ユーノさんは頭を抱えているが、文句は現物を見てから言ってほしい。


「まあ、イイんじゃないの?うちらには必要な戦力なんでしょ?」


ルキアさんは、そう言っているが、たぶん模擬戦を御所望なのだろう。

他にも言いたい事はあるだろうが、まずは現物をご紹介しましょう。


自動鎧(オートメイル)一号機!召喚!!」


景気づけの一声と共にDELSONから目映く光る『黄金騎士』がみんなの目の前に出現する。


「オオオオーーー!!カックイイーーー!!」


ラムちゃんは大興奮です。わかってるねぇ〜。


「な…なんですか?この派手なのは……」


マリアさんは黄金騎士の豪華さにびっくりしてます。


「これは……何とも、美しい鎧ですねぇ……」


クララ様もお気に召したようでうれしい限りです。


「金ピカにする必要ってある?どこぞの王室にでも飾ろうってぇの?」


と、ルキアさんは飽きれている。

ユーノさんに至っては無言で頭を抱えている。


いろいろと盛り込み過ぎて身長2m20cmと少々大柄にはなってしまったが、スリムなボディの中身は一騎当千のパワーを秘めているんですけど…。


「コンセプトはパワーとカッコ良さとの両立を目指して製作してみました」


難点があるとすれば、メンテナンス性とコストパフォーマンスが悪い事くらい。

でも、コイツ一機あれば下手な軍隊なんぞ敵じゃないくらいの性能はありますよ。


「いや…。パーティの前衛を出来れば良いだけなんだから、そこまでの性能は無くても良いと思うんだけど…」


ルキアさんの言う事も尤もなんだけど、コイツはデータ収集の役目もあるんで自重ナシで製作したのよ。


「んじゃ、次からはここまでのヤツじゃないと?」


「そう言う事っすね。メンテナンスやコストの事もあるし、汎用性の高いヤツとか特化型とかも考えてるよ」


クララ様の護衛機は特化型にするつもりだしね。


「ねぇ、ねぇ、アタシのはぁ?」


と、ラムちゃんが催促してきた。


「ちゃんと考えてるよ。農作業用自動鎧(オートメイル)ってヤツをね」


やったぁーーーとラムちゃんは喜んでいるけど、戦闘用より農作業用の方がソフトの面でもハードの面でも難しいんだよ。わかってるのかなぁ?


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