第125話・勉学とは眠気との戦いです。
さて、ガンバリ屋さんのケビン君に続いて火を起こせたのは、バディー君だ。
流石は冒険者!と、言いたい所だがケビン君には30分近く差をつけられている。
やっぱり、街クエストばかりやっていたのが効いたのかな?
しかも、パワーで押し切った感じなんで手のひらに傷が出来ていた。
そして、バディー君と僅差で遅かったビクター君。
こちらも、登録はしていないとは言え冒険者の父親との経験値がモノを言った。
ただ、バディー君も力押しの感が強い。バディー君と同様に手のひらに傷が出来ていた。
とりあえず、二人にはキズ薬の軟膏で治療しておいた。
で、残りのヘンリー君、サラさん、レベッカさんの三人は授業時間内には火を起こせなかった。
まあ、これは仕方ない。なんせヘンリー君は元貴族だし、女子二人はキャンプの経験すら無いときたもんだ。
レベッカさんは「魔法が使えるんだから、こんな事したって意味ないじゃん」って小声で言ってたけど、魔法が使えない場面も考えないといけないのがサバイバルってヤツなんだよ。
さて、いろいろと不満もあるだろうが、次の授業だ。
次の授業は、個別授業。ヘンリー君、バディー君、サラさんは校庭に残ってルキアさんの指導の元、剣術の授業。
文字と計算で遅れをとっているケビン君とビクター君は、ミュラー爺さんが直々に『読み・書き・計算』を厳しく教える。
二人は、まるで処刑場にでも連れて行かれる囚人の顔つきになっていたのが印象的だった。まあ、諦めてガンバってくれたまえ。
最後の一人、レベッカさんはマリアさんの指導で魔法の勉強だ。
俺はマリアさんのお手伝いで、レベッカさんと教室に来た。
この魔法の授業内容は一応『魔法学会』のマニュアルに沿って進められる。
レベッカさんのように、将来は学会に入って魔法の研究するのであれば当然の事と言えるだろう。
ちなみに通常、魔法使いの勉強をするのならば、『魔法学会』の教育組織の『魔法学院』なる学校に入学する。但し、入学金が高額な為にお金持ちか貴族くらいしか入学できない。
その資金が都合出来ないような人達は、冒険者になり最低限『Bランク』なってから『魔法学会』の入会試験を受ける事になる。
それから、学会の教授の下について研究員として働くって寸法だ。
『錬金術師協会』も似たり寄ったりで教育組織もあるし、入会試験もある。
まあ、犬猿の仲の組織なので両方の勉強をするって事は、ほぼ無いということだ。
だが、ここはロンダーギヌス辺境伯主導の『冒険者育成学校』だ。
普通なら習わない魔導具の技術論も習う事になる。
そこから、研究職に進むような人材がいたならば、更に突っ込んだ魔法理論に移行していくっていう教育方針になっている。
教室では、マリアさんが待っていた。早速、授業の開始だ。
「今日は、属性の基礎について学びましょう。教科書の18ページを開いて…」
ついでに俺も授業を受けさせてもらうとしよう。
教科書を眺めつつ、集中する。マリアさんの優しい声がとても心地よい。
春の気候も相まって、何とも言えないまったりとした時間が流れていく。
この感じ、なんだか………イイねぇ………。
………ぐゥ~………。
………ベチっ!!!
痛ぁーー!?突然、頭に衝撃を受けた!!
「お手伝いのアナタが真っ先に居眠りとはイイ御身分ですね?」
は!!知らないうちに爆睡してたようだ。
マリアさんがお怒りモードで睨んでいる。
「す…すみません……。あまりに心地良かったモノで……」
「もう!ユウキくんにとっては、時代遅れの理論でつまらないでしょうけど、レベッカさんにとっては大事な基礎知識なんですから、せめて寝ないようにお願いしますね!!」
はい!!以後、気を付けます!!
と、謝ったものの………。
………ぐゥ~~~………。
………ベチっ!!!
………ぐゥ~~~………。
………ベチっ!!!
………ぐゥ~~~………。
………ベチっ!!!
と、3回ほど繰り返し………。
「廊下に立ってなさい!!!」
と、マリアさんにブチ切れされました……。
………反省。




