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第118話・秘密はバレる前に共犯を作ると良い


ラムちゃんが持っていた魔石はダンジョン内から集めたモノらしい。

冒険者は倒した魔獣からは魔石を取り出すのが普通だが、時間的に余裕が無い場合や素材の方が価値が高い時などは魔石を放置する事もある。


そんな魔石の残った魔獣をスライムが処理した後には、その場に魔石が残されている。それをスライムに拾って来させたというわけだ。


「スライムって、そんな器用な事が出来るんだぁ」


「ダンジョン産の魔獣なら単純な命令をこなす事くらいは出来る。それにこの命令は『吐き戻し』の時に使う命令の応用」


ラムちゃん曰く、ダンジョンには各階層に通じる配水管の様なスライム専用のスペースがあり、それを使ってスライムを移動させているらしい。

『吐き戻し』の時には大量に発生させたスライムを各階層に流し込み、入り口に向かって一気に吐き出す、その時にスライムにダンジョン内の未消化物を取り込むように命令しておき、体内の掃除をするんだそうだ。


「まさに、スライムを使った腸内洗浄だね」


「今回の魔石集めはそれの応用編」


「んじゃさ、ダンジョン内に捨ててある金属製品とかも集められる?」


「小さな物ならって限定付き、スライムの通り道は狭いから…」


そんなに都合よくいかないか……。ダンジョン内の素材探しが楽になると思ったのにな。


「ここに集める事は出来ないけど、各階層に集める事は可能だよ」


お!それはありがたい。それならダンジョンを無駄にうろつく事もなくなる。


「ユウキが金属を回収してくれるなら、ワタシとしても嬉しい。これで『吐き戻し』の回数も減るから」


『吐き戻し』には、かなりの体力と魔力を使うそうで回数が減るなら、それはラムちゃんにとって良い事なんだそうだ。

俺にとっても楽して素材回収が出来るのだから、まさにWinWinの関係だね。


「次に来る時までに集めておくから、その時に回収して」


うむ、楽しみが増えたな。お礼に集めた素材でダンジョン用のアイテムでも作ってあげようかな。




そんな話をしつつ、その日の夕方前に帰路に着く事にした。

片道1時間ほど掛かるし、余裕があるとは言えアバターの残り時間も心配だしね。


まあ、高速な交通手段が開通したから気軽にダンジョンに来られるからね。

また時間ができたら遊びに来よう。


アサイ村の自宅の地下に到着したら、タイミング良くアバさんも帰宅していた。


「おかえりぃ~」


「ただいま。悪ぃね、仕事を押し付けちゃって」


「構わんさ。それがアバターの存在意義なんだから」


うむ、流石は俺のコピーだ。達観してらっしゃる。


「んじゃ、記憶の摺り合わせといこうか…」


と、アバさんの一言でDELSONが起動。アバさんがDELSONへと吸い込まれた。

次の瞬間、アバさんが体験したここ二日間の記憶が一気に俺に流れ込んでくる。


「うおおおおお。これは…、キツい……」


なんかヒドい二日酔いになった感じに似ている。

頭の中がグワングワンして、目が回る。5分ほどそんな状態が続いた。

たった二日間の記憶でこれほどとは…。脳が焼き切れるかと思ったわ。


「これの記憶の摺り合わせってヤツも改良せんといかんなぁ~」


う~む、ダンジョンの事もあるが、アバターの新機能で身体に影響が出るのは避けたい。

やる事が増えて、手が回らなくなってきた。

パンクする前に皆に相談するとしよう。


怒られる前にダンジョンの秘密もオフレコで皆に公開して楽になろうっと…。


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