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何でも持ってこい!

あの魔物騒動は俺達が暴れたのもあってか、すぐに鎮圧された。

魔物とい言うのは獰猛で、かなり危ないイメージがあったが、あまり強くなかったな。

そして後、何故か、ティアに呼ばれた。


「何だ? 何か不味いことでもしたか?」

「わ、我が炎の力は、その、制御が難しいんだ、だから、何か消滅させても・・・」

「なんで来た途端そんな後ろ向きなの? 大丈夫、悪いことじゃないよ

 あなた達のお陰で被害が殆ど出ないで魔物を倒せたから、色々と報酬を出そうと思って呼んだの」

「そうなのか、いやぁ、良かった、範囲が広すぎて、何か壊したのかと思った・・・」

「そんな壊れるような物は無いよ、剣士達もまだ戦ってなかったし」


・・・うん、本当にそれで良かった、もしも範囲が広すぎて、気が付かない間に

誰か巻込んで殺してたらと思うと・・・普通にゾッとする。


「それにしても、凄かったね、君達の魔法、良くあんな規模の魔法を出せるよ」

「我は選ばれた物だ、あれくらい出来て当然なのだ!」


シャナは得意げに笑いながら、ティアに向ってそう言った。

やっぱり、今まで抑えていたからか、成功したときのテンションはかなり高いな。

なんせ、今までの憧れが叶ったんだ、こんな風になるのも、分かる気がする。

それに、その能力を認めて貰ってるわけだからな。


「確かに選ばれた人だよね、あんな火力を出せるんだから」

「ふはは! もっと褒めるが良い!」


シャナの奴、かなり調子に乗ってるな・・・嬉しいのは分かるが、あまり調子には乗らない方が良いと思うが


「うん、凄いよ、これだけ強いなら、君達にはもの凄く難易度が高い依頼をして貰えそうだよ」

「そうだろう! 何でも持ってくるがよい!」

「お、おい! そんな安請け合いするな!」

「大丈夫だ! 私達なら何の問題も無かろう! さぁ、共に強き魔物を狩ろうぞ! 我が好敵手よ!」


テンション上げすぎだな、こいつは・・・


「まぁ、分かった、お前達の手に負えない依頼は、俺たちで片付ける、任せてくれ」

「ありがとう! これで、今まで消化できなかった高難度の依頼をなくせるよ」

「我らに勝てる相手などいるわけないのだぁ!」

「それじゃあ、早速で悪いけど、この依頼をこなせるかな? 結構近くで速く倒したいんだ」


ティアは俺たちにこの付近に現われたという大型の魔物の討伐依頼を渡した。


「この魔物は何なんだ?」

「メガルって言う、かなり大きな魔物でかなり厄介なんだ

 攻撃力はあるけど、それ以上に厄介なのは、回復速度でね、軽い傷なら数秒で治っちゃうの」

「それは、厄介だな」

「うん、一撃で倒さないと行けないんだけど、私達にそんな魔法は無いんだ・・・

 いや、正確にはあるんだけど、術者の命を削る技だから、使えないんだよね・・・」


この世界には、まだそんな危険な魔法があるのか・・・

いや、魔法の研究があまり進んでいないのなら、それは仕方ないかも知れないな。

命を削る魔法は相当の威力を発揮する、正確にはこの魔法は自分の魔力を凄い速さで消費して放つ魔法。

研究が進んで、少ない魔力で高火力を出せるようになった俺たちの世界とは違って

この世界は魔法を研究する余裕が無い、だから、そんな魔法くらいしか高火力は出せないか・・・


「命を削る魔法・・・そ、そんな危険な魔法が・・・あると言うのか・・・」

「うん、そうしないと倒せない魔物が多すぎるんだよ・・・だから、魔法使いはドンドン死んじゃうの」

「なるほどな、だから魔法使いが少ないのか・・・」

「うん」

「じゃあ、魔法使いに若い子が多い理由は何だ?」

「命を削る魔法・・・この魔法があるから、30歳以降の魔法使いは死んじゃうんだ・・・削りすぎてね・・・」


なるほどな、だから魔法使い達には若い子ばっかりだったわけだ。

それに、それだと連携とか、魔法の伝授とかも出来ないから、魔法技術は発展しない・・・

そうか、魔法を発展させるには、この環境は最悪の環境なんだな。

だから、魔力は豊潤でも、魔法の威力は低いし、魔法使いは減るのか・・・

その上、消費する魔法使いも少ないなら、魔力を源として増える魔物も多くなる・・・

完全に悪循環だな、これだと、精々、後数年で人類は全滅だな。


「なるほどな、だから、こんな悲惨な状況な訳だ」

「うん、技術も皆0から鍛えないと行けないから、年々魔法使いの能力も落ちていくんだよ・・・」

「魔物は増えるのに、魔物に強い魔法使いは減っていく、だから、最悪の状況なんだよ」

「剣士とかで補うことは出来ないのか?」

「無理だね、剣士じゃ、魔法使いの殲滅力には勝てないし、数もそんなに多くないんだ

 まぁ、魔法使いに比べると、多い方なんだけど」

「魔法使いは全国に合わせて20人だからね、この場所は5人、あ、あなた達を入れなかったらだよ?」

「因みに剣士は全国合わせて1000人、全住民は5000人だから、意外と多いんだよ」

「ぜ、全国民合わせて5000!? す、少なくないか!?」

「魔物が多いから・・・1年前までは10000人は居たんだけどね・・・たった1年で半分だよ・・・」

「魔法使いも、その頃は50人位は居たんだ・・・でも、1年で40人も死んじゃってね・・・」


40人も・・・か、でも、今は20人、じゃあ、1年の間に魔法使いは10人生まれたって訳だ。

明らかに減っているな・・・もしかしたら、このペースだと、今年人類終わってたんじゃ無いか?


「う、うむ、そこまで被害が出ておるのか・・・」

「このペースだと、人類は今年全滅しちゃうんじゃ無いかって、そんな噂も聞えるんだ・・・」

「普通ならそんなわけ無いって、ハッキリ言いたいんだけど・・・状況が、状況だし・・・」

「・・・安心するのだ! 我と我が好敵手が来たのだ! 我々が人類を救ってやろうでは無いか!」


シャナが堂々と人類を救うと宣言した・・・普通なら無茶だと、そう言うんだが・・・

今はその事は非現実的な事じゃ無い、俺たちの魔法はこの世界の魔法よりも発展している

それも、1歩2歩所じゃ無い、100歩以上だ。

それに、魔力も豊潤、俺達に取って、この世界は最高の魔法を扱える環境だ!


「あぁ、俺たちが何とかしてみせよう」

「凄い自信だね! 普通なら無理だって言うんだけど、君達は強いから」

「あぁ、と言っても、俺たち2人でどうこうできる訳じゃ無い、お前達にも手伝って貰うぞ?」

「勿論、人類のために貢献するのは魔法使いとしては当然だからね、何かあったら言ってよ

 魔法ギルドは全力で君達を支援するよ」

「剣士ギルドも支援してくれると思う、要請があったら、私に言ってね」

「あぁ、ま、とりあえず、今はこの依頼を処理するとするか、行くぞ、シャナ」

「うむ! 我らの力を見せてやろうぞ!」

「頑張ってきてね!」

「危なくなったら逃げてね! あなた達は希望なんだから!」

「我らが逃げるなどあり得ぬ! 何せ、我が煉獄の炎がメガルとやらを焼き払うからな!」


俺たちは2人に見送られながら、メガルと言う魔物がいる場所に急いだ。

しかし、ちゃんと依頼に地図が貼ってあって、わかりやすいな、まぁ、急ぎますか。

・・・そう言えば、報酬って奴を貰ってなかったな・・・まぁ、良いかメガルを仕留めたら聞けば良いだけか。

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