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Imitation Star  作者: 十七夜
エピローグ2―礼視点―:赤間との電話
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逢坂の愛と本気

「──なるべくね、早く、いっしょに暮らしたいとおもってるの」

『のろけ?』

「ちがう。わたしのところには狭いシングルベッドしかないのに、いっしょに寝たいって言って毎晩のようにやってくるから」

『シングルベッドに、ふたりで寝るの?』

「逢坂くんは、床でもいいって言うんだけど、固い床に寝るのと、狭いベッド、どっちが体に負担だとおもう?」

『……聞きたいの?』

「うん……」

『いちばん体に負担なのは、礼といっしょにいたいのに、ひとりで眠らされることだよ。礼を上に乗っけて眠るんだって、本人がしあわせなら、べつに負担になんてならないとおもうけど?』

「わ、わたし、体重の軽い女の子じゃないのよ?」

『礼は軽いよ。まあどうせ、上に乗っかってなんて寝ないんだろ? 毎晩やったって、あいつの体の方には負担なんてないんだし、気にすることないよ』

「優児……!」

『礼が毎晩は負担なら、そう言えばいいじゃない』


笑いまじりに赤間が言う。


「た、たしかにすこし困ってるけど……彼がしたがるからじゃないの。しなくていいから、いっしょに寝させてって言うから、困るのよ」

『……ああ。したくないから今日は帰って、って追い返せないもんね』

「あんな求め方はされたことがないから、ほんとうはしたいのか、したくはないのか、わたしから求めるのを待ってるのか、わからない」

『そりゃ、礼に求められたら、よろこんでするんじゃないの?』

「それを期待してるってこと?」

『そりゃ、どっかで期待はしてるだろ。でも、あいつがいっしょに寝るだけでいいって言うなら、それだけでいいと本気でおもってるんだとおもうけど?』

「…………体温とにおいを感じていたい、髪に触れてないとさみしくて眠れない、って。そんなこと、本気で言う男なんている?」

『礼は、あいつをふつうの男だとおもってるの?』

「──ふつうじゃないって言いたいの?」

『ちなみに。俺もマコに、それに近いことはおもってるけど、口に出しては言わないかな。マコは、俺に対しておなじようにおもってないことはわかってるからね。言うと、俺のためにつき合わせることになっちゃう』


はっ、と礼は手にした携帯電話を見つめた。


「わたしもそうおもってる、から?」

『あいつは、礼が自分の体の心配をしてくれてることは百も承知だとおもうよ。それでもいっしょに眠りたい、っておもってるなら、直球で言うか、脅すかしかないんじゃない?』

「……脅す、ようなひとじゃないわ」

『礼は、あいつに経験ないほど求められるのはうれしいんだろ? 俺は全然だったし、男は大抵、自分勝手な生きものだから。礼のやさしさにつけ上がることはあっても、愛を注がれるのは、未経験──』

「うん……」


赤間の言うとおりだ。

逢坂の愛を感じるたび、震えるほどうれしいのに、どこかで信じられなくなってくる。

これはほんとうに、自分が受けていていいものなのか、と。



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