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Imitation Star  作者: 十七夜
7:交際宣言
33/50

「おまえは勇者」

「あっ。江野さんの彼女さんだ」


クラブハウスのロビーにたたずむ礼を見て、羽角が声を上げた。

礼が、はっとしたようにこちらを向く。

逢坂は、羽角の頭を小突いた。


「ちがう。あれは俺の恋人だ」

「は? ……はぁ? ウソォ!」

「ウソじゃない」


と応じた逢坂のTシャツを、羽角がむんずと掴んだ。


「おっまえ、そんなやつやったがか? 先輩の恋人を略奪するがは最低やき! 江野さんが可哀相ッ!!!」

「おまえさ、誠さんに、彼女ですって礼さんのこと、紹介されたか?」

「……ゆ、友人って。でも、同居しちゅうがは、同棲ってことやき」

「だよな。俺もそうおもった。でも、ほんとうに、同居してる友人ってだけだったんだ。しかも、とっくに、いっしょには暮らしてない」


羽角が、困った顔で距離を置いて立つ礼を振り返った。


「…………江野さんより、こいつの方が、顔がいいから?」

「マコとは、小学生時代からの友だちなの。ほんとうに……」

「あ、れ──そういえば、おまえの好きな相手って、たしか、赤間さんのことが好きだとか、言ってなかった?」


礼が、丸い目で逢坂の顔を見る。

逢坂は、髪を掻いた。

それは神前の話だったが、礼もそうだったのは、単なる偶然だ。

でも、ふしぎな符合のようにもおもえる。

逢坂は、礼の腕を引いて、その体を腕に抱いた。


「そう。略奪したというなら、赤間さんの方から、かな」

「マジか……? それなら応援するき。悪魔の手から美女を救い出す、おまえは勇者────うぎっ」


悲鳴を上げた羽角の頬が、ムギュッ、と背後からつねられている。


「誰が、悪魔だってえ?」

「い、いひゃいっ!」

「おい、優児、やめてやれ。そんなことばかりするから、悪魔だとか言われるんだ」


数歩遅れてきた江野が、赤間の肩に手を置いた。

羽角の頬から離れた指が、逢坂のTシャツをつ、と突く。


「礼さ、こんな服装のやつと歩くの恥ずかしいっておもったら、容赦なくダメ出しした方がいいよ?」

「え……すみません、俺、着るもの無頓着で」

「いいの。それ以上かっこよくなってしまわれると、いっしょになんてとても歩けない」

「そうだな、礼の選んだ服を着せたら、サッカー界ナンバーワンのイケメン、って雑誌に書かれたくらいだし」

「まあね。どんな服着てようが、脱がしてしまえばおんなじだけど」

「優児……っ」


礼が赤い顔で怒ったが、もっと赤くなったのは羽角だった。


「そ、っか……恋人って、そういうんだ?」

「それはそうだろ?」

「そうですけど──江野さんが相手だとおもってるときは、そういうこと考えなかったし」

「あー……おまえもしかして、礼が女じゃないって気づいてる?」


赤間のことばに、江野と礼はギョッとした視線を向ける。

逢坂は、羽角を見つめた。



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