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Imitation Star  作者: 十七夜
4:赤様降臨@FF練習場
21/50

地球にとっての太陽のように

──神前のきもちが、わかる気がした。

そんな存在を目の当たりにしていれば、うらやましくてならないに決まっている。

赤間の信頼が欲しくて、でも、江野のようにはなれなくて──

だから、心が縛られ続けるのに、ちがいない。

何が江野を特別たらしめているのか、わからないけれど。

赤間にとって、江野は『とくべつ』なのだ。

江野にあるとくべつさならば手に入りそうな気がするから、きっとあきらめることができないのだろう。

けれど、逢坂にはわかってしまう。

江野は、赤間にある恐ろしさをものともしない、信念の持ち主なのだ、きっと。

仲間、と決めた以上は、牙があろうが爪を隠していようが毒があろうが、恐れずに手を触れる。

その手の貴さは、赤間にとっての江野を見ていれば疑いようもない。

けれど、江野は、みほんがあってそうしたわけではないのだ。

いっしょのチームにいる同期は自分の仲間だという信念ひとつで、彼は赤間にも寄って行ったのだろう。

江野にとっては、そんなものは勇気でも何でもないのかもしれない。

ただ、そうしなければ気が済まないだけ、という気もする。

でも、たしかに江野の持っている、清廉さのひとつの形にはちがいなかった。

もちろん逢坂も、それが彼の美徳なことはわかっている。

それでも、夜空にいくつもある星のように、とくべつな何かだとおもったこともなければ、とくに必要としたこともない。

けれど、地球にとっての太陽のように、とくべつなことだってあるのだ。

それが無くては、すべてが闇に包まれるくらいに──

赤間優児が、なぜ、ここに帰って来たのか。

理由は、江野誠だ。

それ以外には、考えられないとおもう。

故郷であることも、ファンがいることも、そんなことはきっと赤間にとって理由になど、なりえない。

彼流に言えば、他のことなど、どうでもいい──のだろう。

神前がよろこぶかどうかさえ、どうでもいい、のだ。


「どうしたんだ、逢坂?」

「返り討ちを脳内シミュレーションでもしてんじゃねーの?」


笑い混じりに言った紀藤が、目の前でひらひらと手を振る。


「してませんよ。──それより、ちょっと誠さんに訊きたいことがあるんですけど、いいですか?」

「な、何だ?」

「もしも、の話なんですけど」


と言えば、江野がわずかに表情を固くしたのが見て取れた。


「もし、誠さんが女性だったとしたら、赤間さんと俺、どっちを選びますか?」

「────は?」

「おまえアホか! 赤間優児とは争っちゃダメって、オレ、言うたがやろっ」


羽角が小声で叱ってくる。


「おまえがそんなアホなこと訊きたがるとは、俺も意外。でも、江野の答えは聞いてみてーな、たしかに」

「あんたまで……」


江野が渋い顔で紀藤を見た。



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