表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Imitation Star  作者: 十七夜
4:赤様降臨@FF練習場
20/50

威嚇と豹変

「俺が選んでいいのなら、あなたのすがたをそばで見られる方がいいです」

「──紀藤さん、こいつ、わかって言ってんの?」

「ハハ。羽角の取り合いじゃなくて、逢坂の取り合い。それもアリなんじゃねーの」

「────どういう意味?」


羽角が、逢坂の腕をつつく。


「さあ……おまえはわかんない方がいいとおもう」

「こいつ、さっき、おまえのこと素で『きれいなひとですね』とか言ってたし。ここいらの女子って、佐賀の女帝で慣れてるから、ぜんぜん抵抗ねーよ」

「嫌だ。妹にまた、お兄シネって言われる」


赤間の表情から、余裕ぶった笑みが消えた。


「へえ。赤間さんにも弱点なんてあるんですね」

「……言っとくけど、まだ一八になってねーからな。手ぇ出したら、淫行罪でタイホだぞ!」

「赤間、そりゃ無理があるだろ。逢坂が相手じゃ、合意と見なされるに決まってる。おまえ相手なら、強姦罪でも納得しそうだけどな」

「俺、そこまで非力じゃないけど。今は人生捨ててないし、返り討ちにしてやるよ」


じろ、と赤間が逢坂をにらむ。

ケンカを売ったつもりはなかった逢坂は一歩ひるんだ。

と、急に、その頭のうしろに手が見えた。


「優児。淫行罪だ強姦罪だって、いったい何の話をしてるんだ」

「マコ……!」


頭を叩かれた赤間の気配が、目に見えてなごむ。

いっそ、その豹変ぶりにおどろくほどだった。

紀藤に笑いかけたときもおどろいたが、江野に対する警戒心のなさときたら、尋常ではない。

江野誠、という先輩を、逢坂は誠実で人はいいが、平凡なひとだとばかりおもっていた。

けれど、それはとんでもない認識不足だった、と気付かされる。

あきらかに非凡であり、異質と言っていい、世にも『おっかない』赤間優児という獣に、いささかも彼はびびっていない。

同期だからとか、十年以上のつき合いだからとか、そんなことはきっと赤間にとって理由ではないだろう。

赤間はさっき、妹という弱点を知った逢坂に対して、明確に威嚇をした。

弱点を知られたことに対する居心地の悪さを、隠そうともしなかった。

自分は赤間にとって、後輩どころか、仲間として信頼さえできない相手なのだと、思い知らされたも同然だ。

赤間にとっては、それが当たり前なのかもしれない。

ただ、江野はちがうのだ。

それだけは、よくわかる。

仲間として、心の底から信頼している相手なのだろう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ