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Imitation Star  作者: 十七夜
プロローグ:先輩と『後輩』
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『後輩』・赤間優児

赤間優児:元FF所属で、ゼロ円移籍したチームの顔。ユース出身。神前の1才下。元代表選手でイングランドのクラブに所属。

それなのに、あの日、あのことばに、悟らされた。


『選んで欲しかったのは、本当は、ここにいること、だろ?』


手に、にぎりしめていたかったのは、自分ではなかった。

愛してやまない『後輩』は、自分ではなかったのだ、と。

ただ、代わりににぎりしめておける『後輩』が、自分しかいなかったというだけ。

たった、それだけのことだった。

あの、いちばん大切だとおもったものは、誰かの代わりに注がれた愛に抱かされた、一方通行の想いに過ぎなかった。

恋でも、愛でも、あこがれでも、何でも良かったけれど──

自分にとってこの世でもっともかんたんに手に入るとおもっていた、誰かの心!

それが、まぼろしだったと気づいた、あのとき…………


逢坂大和の世界は、がらりと景色を変えた。

ピッチの上だけではない。

この世界そのものが、愛の狩猟場なのだと実感した。

愛など、寝ていても手に入るものだ、などとはとんでもない自惚れだった。

この世は、本気で欲しいものは、自ら狩りに行かなくてはならない世界だったのだ。


おっもしれーじゃん。


胸の奥を掻きむしりたくなるような、乾きと、疼き。

それでも、なかったころよりも、ずっと、ずっと、自分の人生はおもしろくなった、と逢坂はおもう。

追われるよりも、追う方が、はなから性に合っている。

追うのは、少年のように透明な、神前直澄かんざきなおずみの心。

汚すことなく、その透明な心の内側に抱かれたい──

それでなくては、おもしろくない。


──さあ、狩りを始めようか?



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