表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Imitation Star  作者: 十七夜
3:江野誠が語る赤間優児
14/50

とんでもないサド野郎

「そうだ……ちなみに、直くんは何て言ってた、あいつのこと?」

「ああ。いえ、直さんには訊いてないんです。蓮に訊いて、まったく要領を得なかったんで、いちばんよく知ってるはずの誠さんに訊くのがたしかかなとおもって」

「そう、か。そっちの方がよかったかもな。直くんは、優児にけっこうひどいことばっかり言われてるから、とんでもないサド野郎だとか言いかねない」


紀藤もややSっ気があるので、そういうのが神前の好みなのだろうか、と逢坂はちらっとおもった。

もちろん、口には出さないけれど。


「直さんって、赤間さんにすごく思い入れがあるんじゃないんですか?」

「……まあ、直くんは優児と出会ってなきゃ、プロになれてたかわからないところがあるから」

「えっ────そうなんですか?」

「それは俺にも言えることではあるけど。かなり、出会って初期のころに、プロになりたいならいくらトップチームでも弱いやつにあこがれるのはやめろ、って言ってたし。あこがれるのなら、世界一の人間にしておけって言われて──それであのひと、ロベルト・カルロスとか、なんとかミハイロヴィッチとか、左利きのフリーキックの名手を徹底的に研究したんだ」

「すごい選手なんですか──?」

「前者がパワー系、後者がテクニック系の最高峰だ、って直くんは言ってたけど。ユースのころからたまに、直くんがフリーキックの練習してると、優児がキーパーやって、邪魔してたしな」

「キーパー?」

「あいつはキーパーの技術はないから実際は止められないんだけど、キックをことごとく手には当てるもんだから……要は、本職ならぜんぶ止められるぞ、と」

「……それも、コースを読んでるってことですか?」

「そうだろうな。あの直くんにキーパーとの駆け引きなんておぼえさせたのは優児だし。あの抜群のコントロールも、キーパーに入ってる優児に狙ったところにも蹴れないわけ、ヘタクソ、ってさんざんバカにされた結果だから」

「そうか──枠に行こうが、狙ったコースかどうか、パスとおなじで、赤間さんにはわかっちゃうんだ?」


江野が肩をすくめた。


「優児には、鍛えてやろう、なんて善意はさらさらなかったはずだけど。自分が遊んでやっていれば鍛えることになる、くらいはわかってただろうな。もちろん、直くんには優児に鍛えられた自覚があるんだとおもう」

「────赤間さんにとって、直さんって、どんな存在なんでしょう?」


意を決して問えば、江野がおどろいたような視線を返してくる。


「優児に、とって?」

「ええ」

「……あいつにとっては、数人の好きな人間と、数人の嫌いな人間以外、ほぼすべての人間がどうでもいい……らしいんだけどな」

「す、すごい爽快な分類ですね──」


ただのチームメイトなど、すべてどうでもいいに属するのだと、よくわかる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ