第25話
とりあえず話を戻そう。
目の前にはオオカミが謎の儀式で出した銃が3つある。わたしはこういう類のものについては詳しくは知らないのでよくわからないが、大中小の大きさの銃があることだけわかる。
だが見た目はオオカミさん特製だけあって、わたしが知っている銃とはまるで違う色ばかりだった。人間界にあるのは黒色・銀色・茶色といったわりと地味な色の銃に比べ、わたしの目の前にある銃は、大きいものは赤、中くらいのものは紫、小さい物はピンク色とまぁ普通の銃にはないであろう派手な色ばかり。その全ての銃は光沢を帯びていて見ている分にはとても綺麗で、これが殺しに使われるものだと想像することは、銃を知らない人たちには絶対にわからないだろう。
そして全ての銃の持ち手の部分には特徴的なデザインが刻印されている。狼のイラストか?
「どう?私の作った銃は。他にもあるんだけど、とりあえず扱いやすい人間界の銃をベースにしたものを用意したわ。綺麗で繊細に作りこまれた銃は他の悪魔はもちろんのこと、人間界にもいない。この私にしか作れない。研究に研究を重ねて威力、性能と共にナンバーワンよ。まぁ見た目に関しては好みがわかれるから何とも言えないけどね」
何の躊躇もなく自画自賛しているあたり、相当自信があるんだろうなぁ。
けど見た目に関してはまぁ・・・確かに何とも言えないかもしれない。綺麗なんだけど、人間には見慣れていないものや目新しいものに拒否反応を示す人も一定数いるから、そういう人たちには受けが悪いだろう。良く言えば個性的、という言葉がしっくりくる。こんな色の銃を見たことがないからわたしもどう反応すればいいか困っていると、オオカミさんが私の顔を怪訝な顔をしながら覗き込んできた。
反射的に「あのっ、とてもいいと思います」と必死に笑顔を作りつつ嘘をついてしまった。
いや嘘ではないのだけれども、とてもいいとは思ってはいない。
悪くはないって感じだ。
わたしの嘘に(いや断じて嘘ではないが)オオカミさんは満面の笑みを浮かべてさらに饒舌になりだした。
「でしょ!?でしょでしょ!?いや~あなたわかってるわねー。他の悪魔達には受けが悪くてねぇ・・・どうしてなのかしら。この色合いが最ッ高にイカすのに!前に戦った名前も知らないやつがいたんだけど、そいつったらこの銃を見て悪趣味な銃だなとかぬかしやがったもんだから、殺す予定じゃなかったのについカッとなって殺っちゃったのよ~。体中を蜂の巣みたいにしてやったわ♪」
嘘ついてよかった・・・・・・・・・。
蜂の巣みたいにしてやったわ、じゃないんですよ~。怖いよこの人・・・悪趣味だとは思わないけど、正直心の中では微妙だと思っていた。もしこんなこと口にしたものなら、わたしは蜂の巣とはいかなくてもドーナツの穴のように綺麗な穴を一つあけられていただろう。
ホッと一息ついたわたしを見て、サタンはオオカミとは真逆のいやらしい笑みを浮かべてわたしの方をじーっと黙りつつも何かを言いたげに見ている。
しまった。こいつはわたしの考えてることがわかるんだった・・・
なんだか無性に恥ずかしくなってどうすればいいのかわからないので、とりあえずサタンを睨みつけると、わざとらしく口笛を吹きだしやがった。蜂の巣みたいにしてやりたくなった。




