第22話
「痛った!なんかわかんないけどすごく痛い。銃で撃たれたことなんかないからなんて表現したらいいかわかんないけどものすごく痛い!!」
「メサイア大丈夫かいな!幸いこの程度の傷ならうちら悪魔の回復能力ですぐに治る。まぁ痛みにはしばらく耐えなあかんけどそれは我慢するんや。けどなんでや、弾が飛んできたのが全く見えへんかったで。間違いなくさっき動いてたあの木のとこから撃ってきとるはずやのに!」
「そんなのわかるの!?後ろからかもしれないじゃん」
「うちの直感に外れはないで!」
「勘かよ!!!」
ほんと適当なやつで困る。
けどその勘も案外当たるのかもしれない。
「ほなもっかい一緒にあそこ見といてーな!絶対当たってるから!!」
「そんな悠長に言ってる場合じゃないっつーの!はやく身を隠さないと」
「いや頼むわほんまに。一回だけでいいから」
嫌だって。
だが対立するわたしとサタンに反応したのかまた木が揺れた。
五キロほど先だろうか。普通なら何か動いていても全くわかるはずがないのだけど、悪魔になった特性か何かかよくわからないが、わたしにはその動いているものがじーっと目を凝らすと見えた。
んん?
動物じゃない。色は黒色で丸い穴のようなものが見える。
あっ、これは。
「ほらみてみー!やっぱあっこから飛んできて」
パーン!
再び銃声が鳴り響く。
弾丸はサタンの翼を撃ち抜いた。
「痛ぁーーー!なんやっ、全く弾が見えへんかったで?!銃口がこっち向いてたから撃ってくるのはわかったたはずやのに、ほんっまに見えへんかった。ありえへんぐらいの速さや。しかもあの銃、大きさからしてハンドガンや。普通のやつならまずこんな遠くまで当たるわけないし、ましてうちらの身体を貫通させる程の威力なんか絶対ないはずや。これが噂に聞いてた対悪魔用の銃、やばいな」
「やばいなじゃないんだって。なんでそんな冷静に解析してるの」
「戦いにはまず相手の情報と能力の特性を掴むことも大事なんやでメサイア」
「そんなことしてるうちにわたしたち蜂の巣にされて終わりだって」
「それもそうやな。とりあえず隠れて作戦立てるとするか」
やっと正気に戻ったか。やれやれ、サタンと会話するだけでこんな疲れるとは。
とりあえず隠れなきゃ。
「そこを動くな!!!」
怒号美声だ・・・ゲームに出てくるかっこいいお姉さんみたいな声。
ついうっとりしてしまっているが状況は最悪と言っていいだろう。
ひとまずわたしたちはアイコンタクトをして、それに従うことにした。
動かず待っていると、隠れていたであろうオオカミは怪訝な顔をして姿を現した。
大きな耳・・・人間のものではない、狼の時の耳。立派な尻尾も生えて全身が動物の毛で覆われている。人の形はしているが、もともと獣だったのが姿に大きく影響されている。
動物を擬人化したアニメキャラと言うのが正解かもしれない。
目鼻立ちの整った美人、ポニーテールの髪は艶やかな紫色で妖しく揺れている。
綺麗だ・・・!
おっと、わたしもこの状況で何言ってんだか。




