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記憶

あれ?

作者: 月読 龍

うん、なんでこんなの書いたんだろ。

自分でもわかんないや。

「別れたいの」

簡単な言葉でも感情がおっつかない。

そんな事は良いんだ!

それはどうでも良い!

なぜここに他の男が居る!

俺はあらかじめ頼んだはずだ!

あくまでも差し向かいで振ってくれと!

感情の波は激流だ。

正直、相手の男に殺意が沸いた。

そしてしばらく経ちふっと感情の波が落ち着いた間をもった。

その直後彼女だった子の頭の上に手を伸ばす。

びくりと身を固めるその姿に微笑を浮かべ頭をなで一言残す。

「まぁ、お前が幸せになれるならそれで良いや」

身を翻し車に乗り込みとっととその場を離れる。

感情に収集がついてはいない。

あのまま何もせずほ放かっておければ周囲からは「格好良い」なんて勘違いされたかもしれない。

原因も言って貰えず、ただ「別れたい」だけでは納得がいかないのが普通だろう?

数日部屋に閉じこもり、納得できない感情と向き合った。

そこでとある事をしてみる。

彼女の親に電話して別れた旨を伝える。

「こっちで呼ぶからちゃんと話してみなさい」

ありがたい言葉に泣けるが精神の崩壊具合はこの後に別の行動を取らせる。

彼女に連絡をとり、「親元に戻ると俺と差し向かう事になる」と伝える。

当然ながら拒絶をする。

何かが心の中で完了して収拾がつく。

そして日常に向かって行った・・・。



数年が経ち、なんとなく過ごしていたが実は未練たらたら…と言うより、いまだに彼女を愛していた。

アレから色々あって結婚の話しもあがったし、色々な子達と色々な意味で付き合った。

ペンを取って彼女への手紙を書いてみた。

伝えたい思いはこれだけ。

「幸せであって欲しい」

「誰と付き合おうがお前の事を一生愛し続ける」



手紙には返事があった。

実は心の中で色々と収拾がついてなかった事もあり、返事はありがたかった。

そして事の経緯を改めて聞いてみた。

・自分だけが彼女と言う事が信じられなかった

・友達に浮気現場を見たと嘘をつかれた

・男友達に別れるよう進められた

なるほど・・・信用が無かったのか・・・

これはお笑い種だ。

本当の意味で心に決着がついた。



実はその後付き合っている彼氏と別れる為に利用されたりもしたのだが、どうでも良い事だ。


さて、あれから何年たっただろう。

彼女の事はいまだに愛している自分が居る。

もちろん優先順位は今となりに居てくれる人の方が上なのだが・・・それでも感情として表現するならやはり「愛している」だろう。

見えもしない、何も知りえない状況の中で今も愛している。

逢いたいかと言われれば今でも逢いたい。

「助けて」と言われれば今でも向かうに違いない。

自分から彼女に対し「何か」をしたいと思う感情ひとつを残し無くなった。



「彼女が幸せでありますように」

そう祈る事。



これを身の回りの人達に言う事は無いのだが、なんとなく感想はこうなのかな?

「馬鹿?」



うん、馬鹿で良いと思うよ。



実は付き合っていた頃も最後に利用された時も一言だけ彼女に呪詛をかけた。

だから彼女は今でも耳の奥にその言葉が残っているだろう。



「お前は俺の物だ」



本当に今でもそう思っている。

自分は他の子と付き合い、彼女も知らない誰かと幸せにしているだろう。

でもね、本当に困ったとき思い出して欲しいんだ。

「お前は俺の物だ。だからいつでも帰って来い」



さて、彼女にとってこれは幸せだろうか、不幸だろうか…



自分の感情にあきれているのは自分だ。

ここで明らかにしても彼女に届く事は無い。

でも、思わず書いた事に何か意味があるのかもしれない。



うん、どうでも良い。



彼女が一生を幸せに過ごせますように…



…あれ?

自分が幸せでないからそう思うのかな?


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