トリチウムの蛍
短機関銃で蜂の巣にされて
ボロ雑巾のようになっても
抱きしめていてくれるか
無様にも敗れ去り醜態をさらし
落ちぶれて疲れ果て
それでも愛してくれるか
おまえが昨日の夜みた光は蛍
腕時計の文字盤に埋め込んである
放射性物質のトリチウムガス
おれが与えられる光はその程度だ
トリチウムのように自然発光をする
しかし弱い
なみだがでるほど弱弱しい
それでもその光を信じていてくれるか
いいや答えはなにも期待していない
もう答えなどきまっている
たとえ暗闇になっても愛しつづける
トリチウムの光のように