第七話 戦いの始まり
久しぶりの投稿です。間をあけてすみませんでした。
軽く、動きやすく、なおかつ丈夫な鎧を着け、シンプルな形の剣を手にしたその姿はまさに戦う者だろう。
ライジャは竜一の変化に驚きつつ、笑みを浮かべる。
「やる気になったか。そうこなくちゃな。だが俺がいきなり戦うのもつまんねえな……」
ライジャは少し悩む。そして何かを思い付く。
「そうだ! 現れろ! トルーパー!」
ライジャが叫んだとたん、やや小さめのオモチャのような兵士が現れる。兵士は細い剣と丸く小さな盾を持っていた。
「こいつらに勝てないんじゃ意味ねえからな」
簡単なデザインでできた兵士は竜一のほうに剣を向ける。その状況に竜一はあわててしまう。
「え、ど、どうしよう、三対一なんて! ていうかオールは!?」
いつの間にかオールの姿が見えない。辺りを見回してもいなかった。
(落ち着け! 俺はここだ!)
「うわぁ!? オール!?」
オールの声が竜一の頭に直接ひびく。
(ソウルインは精霊と同化して力を高める魔法だ。だから俺はお前の中にいるんだ)
「な、なるほど」
竜一は納得すると同時に安心する。やはりオールの存在は大きい。
「それはそうと、これはどうすればいいの?」
(とにかく剣を振れ! ソウルインした状態のお前はかなりの能力を持っている。大丈夫だ、自分を信じろ!)
「うん!」
自分を信じろ。さっきも言われた言葉。いままで自分を見下していた。自分にはできないと、やる前に逃げていた。でも今は違う。戦う、戦ってみせる。ライジャに。あの兵士に。そして自分に。
竜一は剣を両手でしっかりと握る。重くなく、軽すぎない竜一に合わせた重さが伝わる。
(やってやる!)
兵士達が動き始める。三体のうち一体が竜一に突撃する。竜一は集中して攻撃をよける。そして胴体を狙って剣を振る。
「やあ!」
堅い兵士の体を難なく切る。兵士の体は胴体から二つに別れ、消滅する。
(次だ!)
「うん!」
竜一は次の兵士を攻撃させず、速攻で切る。三体目の兵士がジャンプし、大きく振りかぶって攻撃しようとするが、その動作でできた隙を狙い、剣を振る。
「せいやぁ!!」
三体目の兵士が消滅する。竜一が全ての兵士を倒したのを見てライジャは喜ぶ。
「さすがだな! 良かったぜ! お前がそこそこの実力を持っていてよ!」
ライジャは戦う姿勢を見せ、竜一を威圧する。
「俺をがっかりさせんなよ」
その様子を見た竜一は気を引き締める。汗が頬をしたたる。
(気をつけろ! さっきの兵士とは比べ物にならねえぞ!)
「うん、わかってる」
ライジャは手を前に出して叫ぶ。
「放て! レイレイン!」
ライジャの手から小さな弾が散らばりながら飛ぶ。竜一はそれを避け、接近しようとする。
「まだまだぁ! サンダーボール!」
今度は電気の大きな弾を放つ。竜一は直撃は避けたものの、地面に着弾した瞬間電気が周囲に散らばり、その電気を受けてしまう。
「うわぁ!」
(大丈夫か!)
「なんとか……。でもほんの少し痺れただけだ……」
(ライフフィルターだ。ソウルインしたお前の体を守っているんだ)
「なるほど。しかし……」
竜一はライジャを見る。強い。自分が勝てるのか。そんな事を考えてしまう。
(でも……勝たなくちゃいけないんだ!)
竜二を見る。絶対に助けてみせる。竜一はそう強く思いながらライジャに立ち向かう。