第四話 子供達の力
話が進まない上に読みにくい文章になってしまいました……。すみません。
「戦ってくれって……、どういう事!?」
「話すと少し長くなる……」
「竜一ー!」
オールが話そうとしたとき、下から母の声が聞こえた。
「ご飯ができたよー! 早く降りてきてー!」
「はーい! ごめんオール、昼ご飯の後でいい?」
今日の学校は始業式と簡単なHRだったので午前中に終わっていた。
「飯か……仕方ないな。そうだ、俺もたべていこう」
「精霊もお腹が空くの?」
「いや、気分的に食べたいと思うだけだ」
「……もう一つ聞きたい事があるんだけど」
「なんだ?」
「オールって他の人にも見えるの?」
「見える」
「ここにいてね」
「だめなのか」
「当たり前でしょ!!」
母や竜二がオールを見たらどうなるか想像もつかない。
「かわりの物を持ってくるから」
「わかった」
オールは不機嫌そうな顔をしながらうなずいた。
(不思議だな、オールって)
竜一は一階に向かう。
「ガツガツモグモグ……」
「どう?」
「ああ、うまい」
竜一は少しのせんべいとチョコレートを持ってきた。オールの口にも合ったそうだ。
「なかなかの味だったな」
「満足した?」
「ああ。さてと、そろそろ本題に入るか」
竜一は話しを聞く体勢をとる。
「さっき戦ってくれって俺は言った。それは俺達の世界を救ってほしいからだ」
「君達の世界を……?」
「……俺達はこの世界とは別の、アークロンワールドと言う場所から来たんだ」
「ア、アークロンワールド?」
「ああ。そこでは様々な国や文化が発達していて、国境をまたげば別世界のような気分になる」
「具体的に言うとどんなの?」
「例えば、お前たちと変わらない人間が一番多いが、人間の中でも違う文化が発達している。その文化を発達させているのが魔法だったり、機械だったり。そういう違いがある」
「へえー」
「もちろん人間以外も存在する。獣人族やエルフ、目が赤くて全身が白い月涙の民、そして俺たちのような精霊も独自の文化を発達させて生きてきた」
そこでオールはいったん切って、何かを懐かしむ顔になる。
「俺たちが住む所はとても平和でな。棲みやすくて、みんな笑顔だった」
オールの言った言葉に竜一は疑問を持った。
「……だった? それって……」
「ああ、それを突然壊した奴らが現れたんだ」
怒りを込めるようにオールは言う。
「そいつらの名は、ディープカオス」
「ディープカオス?」
「正体不明の奴らだ。一応今までの情報だと、とある人間の男が頭らしい。奴らは各地にある集落を襲い、徐々に勢力を伸ばしてった。そしてその勢力はとても巨大なものとなった。このままいくと俺たちの国だけじゃなく、アークロンワールドまで奴らに支配される」
「そ、そんな……」
竜一はかなりのショックを受けていた。自分の知らないところでひどいことが起きていることを。オールはそんな様子の竜一に気付き、次の言葉を言った。
「そんな顔をするな。俺達だって何もしてこなかったわけじゃないし、何も方法を見つけてないわけじゃない」
「じゃ、じゃあ!」
「ああ。俺達はとある人に教えてもらったんだ。そしてこんな事を言ってくれた」
(異世界の子供達の力を借りるのだ。それが世界を救う)
「もしかしてそれで僕が……?」
「ああ、そうだ」
「む、無理だよ! 僕喧嘩弱いし……!」
「おまえ自身の身体能力には期待してない。俺が言ったのは……」
オールは竜一の胸あたりを指差す。
「お前の中にある能力だ」