表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/32

第十二話 謎の力

 フェンサーの動きは早く、また攻撃した時の破壊力がすごいため、竜一は回避一線だった。

「くっ、エナジーレイ!!」

 エナジーレイを放つが、フェンサーはそれを避ける。竜一の攻撃は最初の一撃以降、当たらなくなっていた。逆にフェンサーの攻撃をもう何回か受けていた。

「だめだ、当たらない……」

 疲れがたまっているのか、竜一の動きが少し鈍くなる。その瞬間にフェンサーの爪が襲い掛かる。

「やばい!!」

 横飛びをし、直撃は避ける。しかしそれでもダメージはある。少しのダメージでも、積もりに積もればかなりのものだ。そのため竜一の状態はかなり悪かった。

「ガルルルル……」

(負けちゃうの? 僕……)

 竜一は目の前の現実にあきらめていた。しかしそれとは別にこれを否定する思いもあった。

(いやだ、いやだよ……!)

 ライトはそれを見てフェンサーに命令を下す。そしてフェンサーは止めを刺そうと牙をむき出しで竜一に飛び掛る。

(竜一!)

(いやだー!!!!)

 その瞬間だった。フェンサーに思いもよらない衝撃を受ける。ライトも状況がわからない。しかし、それはすぐに解決する。フェンサーを攻撃したのは竜一だった。しかしそれは普通の竜一ではなかった。

「な、なんだこれは!?」

「この子の力……すごいことになってる!」

(竜一!? しっかりしろ!)

「うう……うあああ……!!」

 竜一の雰囲気は異常だった。竜一の剣があふれるように光り、竜一はうめき声を上げていた。

「ガアァァァ!!」

 フェンサーは再び攻撃を仕掛ける。しかし、フェンサーの爪は空を切る。次々と攻撃を出すが、竜一は全て避ける。

「この動き……さっきの奴の動きじゃないぞ!?」

(竜一! どうしたんだ!? 竜一!)

「……ナイ……マケタクナイ……!」

 竜一はフェンサ-の攻撃を避けた瞬間に切りつける。その威力もかなりのものだった。その威力にフェンサーはよろける。

「トドメダ!!」

 竜一は剣を上に向けるように構える。その輝きはいっそう強くなる。

(ま、まさか……あの技を!?)

「スマッシュブレイカー!!」

 上段の構えから一気に振り下ろす剣は、とても早く、莫大な威力を誇った。

 その一撃を受けたフェンサーはついに崩れ落ちる。竜一の剣の光は消え、元の状態に戻る。

「はぁ……はぁ……」

(竜一、大丈夫か?)

「えっ……僕は何をやったの?」

(竜一覚えてないのか!?)

 竜一はどうやらさっきのことを覚えていなかった。竜一は横たわるフェンサーを見て呆然とした。

「これを……僕が……!?」

「……まさかこれ程とはな。キャリー!」

 フェンサーは光に包まれると消えてしまった。ライトは竜一に向かって言う。

「次はこうはいかないぞ。テレポート!」

「バイバーイ」

 続いてライト達の姿も消えてしまう。竜一は元の姿に戻り、その場に座り込む。

「つ、疲れた……なんだったんだこれは……」

「戦獣か……、やばいのが出てきたな」

 オールはチラリと竜一のほうを見る。

(それよりやばいのは、さっきの竜一だな)

 オールはあの状態の竜一について驚いていた。

(前回の戦いといい……こいつ、実はものすごい力でも秘めてるのか?)

 竜一は足を投げ出すように座っている。そうとう疲れたらしい。

「家まで帰れるのか?」

「無理かも……ちょっとまって」

 そんな様子の竜一を見たオールは考えるしかなかった。

(こいつは……一体……)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ