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赤ん坊の修行

至高級を天級に変更しました。


 あの日、初級炎魔法フレアを撃ってから――七日が経った。

 エリナさんは午前中は完全に仕事で、昼飯が終わったら2時間ほど対策をしてくれる。

 エリナさんの時間が空いていない時は、ひたすら瞑想だ。

 瞑想と言っても集中力の向上とか精神的なものを鍛えるわけではない、魔力感知の練習だ。

 庭に立ち、目を閉じる。

 風の流れ、川の流れに、土の硬さ、日の暖かさ。

 それらの中に滲んでいる、確かな魔力。

 魔力というのはどんな物体にも含まれている。

 それを習い、

「私が仕事をしている間、瞑想で魔力を認識し、それを生かして魔力操作の精度をより高めてください」

 と言われた。

 今は魔力を感じるだけ。

 使わない。動かさない。

 ただ、そこにあると理解する。魔力に触れるというのは、案外心地いいものだった。

 炎、岩、水、風、それぞれの魔力の感触や形などを知ることで、俺は魔力の練り方を深めていく感覚を得た。

 そして、俺は魔法で1番大切な想像をスムーズに扱えるようになり、魔法を使う必要な魔力が減っていった。

 午前中の修行は、これで終わる。

 午後は、前までは今か今かと実戦が来ると思っていたが、この2時間は毎回座学に充てた。

 書庫に籠もり、魔導書を使いエリナさんが授業をする。

 詠唱の法則、属性同士の相性など。

 どんな授業も居眠りをしていた俺だが、魔法を学び、自分の実力がメキメキ上がるのを楽しみ、授業を上手くこなしていった。

 特に時間が割かれたのが、魔法暴走の事例だ。

 失敗した魔法が、どのような結果を招いたのか。

 火傷、爆発、最悪の場合は、術者自身の死。

 2歳児に教える内容とは思えないが、魔法にはそれだけ気をつけろという当たり前の指摘だろう。

 その中でも特に印象に残ったのが、俺の得意属性だ。

 基本的には全部の属性を覚えるのだが、メインとする属性は決める必要があるらしく、魔法の属性には得意不得意がある。

 

 

 炎魔法はシンプルな分魔力が食いやすく、魔力を込めるほど簡単に威力を伸ばしやすいから、魔力が多いやつは簡単な炎魔法をメインに選ぶ。(といっても手軽さからか1番使い手が多い魔法)

 殺傷性強そうだな。冒険者になるつもりはないし、これはないな。

 

 

 水魔法は炎魔法の逆で、テクニック重視、魔法の操作が上手いほど威力やできる幅が増しやすい。センスがあるやつはメインに水魔法を選ぶ。

 エリナさん曰くセンスがあるらしいから、まぁ無難に水でいいのか?

 

 土魔法は魔力を炎魔法以上に魔力を食いやすく、水魔法よりは簡単だがある程度魔法の操作も必要とされる。攻撃できる手段はほとんどないが、魔力から物体を唯一作り出せる魔法だ。建築とかいろんな職業で使えるから、そういう仕事に就きたい人や、1番防御に特化魔法だから安全に過ごしたいやつは、土魔法をメインに選ぶ。

 魔力量が俺は今どれくらいあるのか、成長するかもわかっていないんだし、これはないな。安全に過ごせるのは魅力的だが。

 

 最後に風魔法だが、風魔法は基本的になんでもできるが、何にも特化していない。もちろん風魔法にもできることはあるっちゃあるが、他の魔法で代用できるのがほとんどだ。それに、風魔法は他の魔法と比べて見えにくく、他の属性よりも練習を必要とされる。なんでもできるというのに練習がかなり必要という噛み合いの悪さから、サブ魔法としてはいいが、主要魔法としては人気がダントツ最下位で、根気強いやつが風魔法をメインに選ぶ。

 これ以上努力するのは流石に少し面倒くさいなぁ。できればやりたくないのだが……

 


 俺は水魔法を選ぼうと思ったが、風魔法を管トレの時から使っていた理由から、風魔法をメインとして選ぶことになった。

 聞いた中で1番選びたくなかったが、転生した時に努力することを誓ったんだし、これも運命だと思い、風魔法を主軸にエリナさんに教えてもらった。

 ここまでが、この7日間でやってきた試験対策だ。

 




 

 俺は庭に立ちながら、いつもの瞑想を始めていた。

 風を感じている時に、今日はふと、他とは違う風を感じ、家の方を振り返ると、エリナさんが俺に向かって手を伸ばしていた。つまり、魔法を使っていた。

 振り返ると、はにかむようにエリナさんが笑い、こちらに近づいてきた。

「アルト様」

「なんですか?」

「本日で、試験対策は終了です」

「え?」

 あれ?もうか?実践的なものは何一つ今日までしていなかったが、残り3日を残して、試験対策は終わったのか?

「あの、一体僕がなにを?」

 エリナさんは上機嫌そうに教えてくれた。

「アルト様が習得したのは魔法探知です。私の極限まで抑えた魔力に気づくなんて、流石でございます!」

 あ、あれ?エリナさん流石に喜びすぎじゃないか?そんなに、すごいことなのか?

「えっと、そんなにすごいことなんですか?」

「まぁ、私も割と早めに使えましたけど、エリシア様もカシウス様も、ここまでは会得できませんでしたよ?」

「え?」

 なんでここでエリシアとカシウスの名前が出るんだ?

「…………すみません。なんでもありません」

「あの、エリナさん?何でいきなりお母様とお父――」

「すみません、仕事に戻らせていただきます。あとは私に教えることはありません。強いていうなら瞑想を忘れずに、魔法の反復練習を必要最低限行ってください」

「え、ちょっと、エリナさん?」

 本当に、家の方に戻ってしまった。

 どうしたんだ?いきなりエリシアとカシウスを出して、俺はあの2人を目標とはしていないのだが……

 どうして……比べたのだろう。

 もしかしたら、俺の家系はそんなに優れた血統なのか?いや、それなら訂正なんかせず教えればいいし、今までクールキャラだったエリナさんがあそこまで喜ぶ理由は何だ?

 …………まぁ、考えてもしょうがないか、俺がそんなに家族のことを意識しているように見えたってとこだろ、そうしよう。

 俺が今するべきことは、3日後の試験に備えた追い込みだ。

これから冬休みなのでどんどん書いていきます!フォローしてくれた2人の方ありがとうございます!!!まじで励みになります!!

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