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赤ん坊の中級魔術師試験

これからしばらく6時に毎日上げられるように頑張ります!ブクマしてくれると励みになるので、本当にお願いします!感想も是非!


 それから、少しの間。


 涙は止まったようだが、エリナさんは俺を抱いたまま、何も言わなかった。

 胸元に押し付けられて、視界は彼女の服しか見えない。

 柔らかい布の感触と、微かに香る匂い。

 心臓の音が、やけに近い。

 ……流石にこれ以上は生々しすぎる。

「落ち着きましたか?」

 恐る恐る聞くと、エリナさんは小さく息を吐いた。

「はい……取り乱して、申し訳ありません」

 そう言いながら、ようやく体を離す。

 目元は少し赤いが、表情はいつもの落ち着きを取り戻していた。

「……あの」

 何か言おうとして、言葉に詰まる。

 その沈黙を破ったのは、屋敷の外から聞こえた音だった。

 ガタン、と重たい音。

 エリナさんが、はっとしたように顔を上げる。

「……馬車の音ですね、いらっしゃったようです」

 胸の奥が、ぎゅっと締まる。

「試験官、ですか?」

「はい。おそらく」

 エリナさんは立ち上がり、いつものメイドの顔に戻る。

 さっきまで泣いていた人と同一人物とは思えない切り替えの速さだ。

「アルト様、もう外へ向かいましょう、試験は外で行われます」

「は、はい」

――――――――――――――――――――――――

 外に出ると、随分とでかい馬車があった。

 異世界に来てから馬車は何度も窓から見ていたが、こんな近くで見るのは初めてだ。

 少し経つと、ゆっくりと馬車のドアが開かれた。

「あぁ、もう外にいたんですか」

 第一声

 ……声が低い。

 そして、妙にドスが効いている。

 視界に入った男を見た瞬間、俺の頭に浮かんだ言葉は一つだった。

 や、ヤクザ!?

 背は高い。

 体格もがっしりしていて、身長は180をゆうに超えている。

 無精ひげ、鋭い目つき、フェードカットの髪。

 どう見ても、前世で俺が想像していた魔術師の格好じゃない。

「あなたが、試験を受けるということですね」

 庭を見まわした後、俺に声をかけてきた。

 エリナさんが一歩前に出て、深く頭を下げた。

「本日はお越しいただき、ありがとうございます。私は侍女のエリナと申します」

「レグナ・フォルディスです。知ってますよ、アリス・ローヴァルさんの孫ですよね」

「……はい、家族とはもう連絡はとっていませんが」

 おいおい、無意識だろうがいきなり地雷を踏んでんじゃねーよ。

「あぁ……そうだったのか、それは失礼なこと言っちゃいましたか」

「いえ、お気になさらず」

 ……こいつ今、がっかりしなかったか?

 もしかして……ローヴァル家と繋がりがないことにがっかりしたってか?

「さて、前置きはここまでにして、試験を始めさせていただきます」

 俺の方をまた見てくる。なんて眼光だ、何人か殺しているんじゃないか?

「……はい」

 一応返事はしとかないとな、ここも採点対象かもしれないとエリナさんが事前に言っていた。

「試験には一切の不正がないことを誓います」

 試験官のレグナは、俺の目を見ながら宣言を始めた。

 その視線が、逃げ場を塞ぐように俺に向けられた。

「もし、合格者がその後に問題を起こしたら、採用した俺に責任がのしかかります。中級魔術師となると尚更です。2歳だろうが100歳だろうが容赦なく採点をさせていただきます」

「わかりました……」

 こいつもカシウスと似た感じか、規律は絶対に守る。怒らせたら1番怖いやつだ。

 そして、俺を見つめている目からは敵意を感じられる。言わずともわかるさ、そっちの不正も必ず見逃さねぇとでも思ってるんだろう。

 そもそも俺は不正が嫌いだ。そんなクソ野郎どもと一緒にしないでくれ。

「試験内容も今、俺が決めたものです。では、言い渡します」

 心臓の音が鳴り響く、どんな物なんだ。


「試験は三つ、一つ目はこの水晶の破壊です」

 と告げると、そいつは馬車から水晶を出し、宙に浮かせた。

 かなりでかい水晶だ、直径30センチはあるだろうか?おそらく魔法で作られた物だろう。

「わかりました」

 試験が三つあるのは少し驚いたが、なに、まずはここに最高打点の魔法をぶつける。シンプルでいいじゃないか。

「では、試験を開始します」

 ふっと息をつき、俺は魔力と精神を整える。

 物理的な破壊力が1番ある

「――起きろ。大地に眠る力よ、沈黙を破り、意思に応え、我が前に集いて形を成せ。」

 岩魔法だ、ここで終わったら初級魔法だが、ここからさらに繋げる。

「――重なれ。締れ。大地の重みをもって、力を示せ。」

 土低級魔法

「《ストーンショット》」

 ピュン

 土を重ね、性質を変化させ、土から石に派生させたら、前方に放つ。

 パリーン

 水晶はいい音で庭に鳴り響いた。

「よし!」

 俺はガッツポーズをした。完璧に水晶を割ってやった。

 ストーンショットは近くで人に当てたら骨が折れるくらいの威力だ。十分の威力を持った一撃。

「ふむ」

 フッ、こいつも面食らった様な顔をしているな。

「一つ目の試験完了です。次はこの粉々になった水晶をなんでもいいので造形をしてみてください」

「え?」

 そんなの無理に決まっている。直すどころか創造なんて、あり得ないくらいの土魔法の制御が必要になる。

「さ、流石に無理で――」

「もちろん、これはただの水晶ではありません」

 どういうことだ?

「この水晶は魔道具でございます。かけらを手で包み、魔法を想像する様に、形を思い浮かべれば、自然とその形になります。もちろん、かなりの魔法技術は必要となります」

 魔道具……?初耳だな、少なくとも俺が初めて読んだ本には書いていなかったし、エリナさんの授業でも出てこなかった。

 だが、魔法の想像と同じイメージなら……

「わかりました」

「では、始めてください」

 作るものは決まっている。

 それに、俺は想像は自信がある。

「……いきます」

 俺は、魔法を失敗したことはない。

 初めて風魔法を使った時だって、詠唱で炎魔法を使った時だって、毎日反復練習で風魔法を使った時だって、一度たりとも失敗をしたことがない。

 これがマコトがくれた才能なのかもしれないが、それ以前に、俺は前世でよく妄想をしていた。

 絵描きを目指そうとし、頭の中で図はできていたが、俺の元々の才能のせいで諦めた過去もある。

 才能が溢れる今の体なら。

 やってやるよ。

「何を作るか決めましたか?」

「杖です」

 俺は間髪いれずに答えた。

「……じゃあお願いします」

 今、舐めた顔してるな?

 ただ細長い棒を作って終わりとでも思ってるのか?

 見てろよ……杖と言っても、ただの杖じゃないぞ。

「いきます!」

 まずは先端はとにかくカッコよく、ダイヤモンドの様な、キラキラと輝いて見える様に水晶を付ける。

 杖の持ち手は水晶を薄く使うことで透明に、中は空洞にする。

 その空洞には、水晶を分厚くして濃い青を作り、鎖状に演出。

 杖の石突、下の部分を少し尖らせてシックな雰囲気で。

「……これは」

 フフ、驚くのはまだ早いぞ。

 この水晶、分厚くしてわかったが、かなり工夫ができる。

 極薄に分けられた結晶層を、魔力の流れに合わせて角度を変えながら重ねる。

 そうすることで光が鈍く反射させ、真鍮のような色を演出!

 杖の先端を蜘蛛の足のようにしっかりと掴ませる形で作り出す。

 杖の持ち手の下部分も、それっぽい模様を付け足す。

 そうして……完成だ。

「はぁ、はぁ、で、できました」

 俺は完成した杖を渡した。

 汗が止まらないが、我ながら完璧だ。この作品、本当に俺が作ったんだよな?完璧にも程があるぞ……!

「どうですか?」

「……」

 フッ黙ってやがる。めちゃくちゃ俺の杖を凝視しながら、感触を確かめている。

「これもエリナさんのおかげなんですよ、普段の特訓の指示がすごかったんです。俺もこんな魔術師になりたいと、日々頑張っています!」

 もちろんエリナさんのアピールも忘れずに。

「……すごい謙遜ぶりですね、貴族の方としても、2歳とは思えませんね」

 ギクッ、流石にエリナさんを褒めすぎたか。

「二つ目の試験完了です。では、最後の試験、面接を行わせてもらいます」

「はい」

 最後は面接か、少し予想外だが、適当に取り作れば終わりだろう。

「普段は中で面接をやらせてもらうのですが、たった一つ質問をするだけなので、少し寒いですが、ここで面接をしてもよろしいでしょうか?」

「はい、構いません」

 さっきの杖作りで俺の体はポカポカだし問題はない。

「では、私から一つ質問をさせていただきます」

 その声は、この寒い空気よりも、冷たく響いた。

「あなたにとって魔術師とはなんですか?」

 なるほど、よくある質問だな。

「僕にとって魔術師とは、魔法の力に溺れたりせず、己を律し続け、清く正しく魔法を使う者のことだと思います」

 少々短いかもしれないが、完璧だろう。

「はい、わかりました。これにて試験を終了とさせていただきます」

 あれ?随分とあっさりだな。

「あ、ありがとうございました。ところで結果はいつ発表で?」

「あぁ不合格ですよ」


 

「え?」

 喉から漏れた声は、自分でも驚くほど間の抜けたものだった。

 心臓が、一拍遅れて強く打つ。

 ドクン、と嫌な音が耳の奥に響く。

「え、あの、すみません、今なんて?」

「不合格です」

 聞き間違いじゃ……ない。

 あぁ……そうか、ここでもか。

 頭が冷えて、軽い目眩がしてきた。

「あの……なんで、不合格なんですか?自分ではうまくできてる方だと思ったのですが……」

「いや、間違い無いですね。では騎士団の方へ戻らせていただきます」

 ……きっと、何かの間違いのはずだ。

 なぁ頼むからそう言ってくれよ。

「アルト様のために、わざわざご足労いただきありがとうございました」

 いや、こんなはずじゃなくて、もっと違う形式だったらうまく言ってたはずなんだ。

「まぁ、なんだろう、あなたは彼の才能以外にも、ちゃんと目を向けてあげてくれませんか?」

 ……え、こいつ何言ってるんだ?

「…………すみません」

 なんで、エリナさんが謝ってんだよ。

 なんで、そんな申し訳なさそうな顔を、エリナさんがしてるんだよ。

 人より魔法が使えるのは、そんなに偉いのか?

 気分は王様か?


 本当、なんでか知らないが、こいつを論破してやりたくなった。

 今まで自分のやつのことなんか、いくら悪く言われても、どうでも良かったのに。

「あの、質問いいですか?」

「ん?あー……是非どうぞ」

 かったるそうにしやがって。恥かかせてやるよ。

「まず、俺はどうして落ちたんですか?威力の試験も、造形の試験も、面接も、全部うまくやれたと自負しているのですが」

「落ちた理由は面接ですね。あなたがいかにも大衆受けを狙った作為的なものを感じたので、不合格としました」

 ……なんだよそれ

「大衆受けで何が悪いって言うんですか?」

「大衆受けを言うってことは、自分の本音を言わず、俺を欺こうとしたってことですよね?そんな方を合格させるのは、俺のプライドが許さなかったからです」

 は?そんなのお前の勝手じゃねぇか。

 ここまで来ると下手くそな敬語を使われてることにもイライラする。クレームも仕事の一環ですよってか?

「それじゃあ、自分と考えが合わない奴がいたらどれだけ優秀だろうと問答無用で落とすということでいいですか?」

「それが魔術師試験というものですが?そんなに不満なら、クレームなりなんなり入れてください。みんな俺と似た考えだと思いますよ」

 こいつ……開き直りやがって……

 ……くそ、なんで言えばいいんだ。

 喉の奥が、ひりつく。

 怒りなのか、悔しさなのか、自分でもよく分からない。


 

 何を言うか考えている時、エリナさんの顔を見ると、さっきまで温かかった体が、嘘みたいに冷えていく。

 

 ――違う。

 違うだろ。

 俺が1番大切なのは、こいつを論破することじゃ無い。

 エリナさんを、こいつに認めさせることだ。

「……だったら」

 気づけば、口が勝手に動いていた。

「だったら、俺の本当の実力を見せて、今後俺が、さらに上に行く奴だって、認めさせます。そうすれば、あなたは見る目があることになる」

「ほう」

 こいつの眉が、ほんの少し動いた。

 こいつは試験で作った俺の杖をまじまじ見ていた、それだけ魔法が好きだってことだ。

「悪いですが、もう試験は――」

「いや、まだ誰にもレグナさんは報告してませんし、結局はあなたに認められたら合格なんですよね?」

 そっちのペースに乗るつもりはない。

「俺の創造の試験は、文句なしでしたよね?」

「あぁ、完璧でしたよ」

 もう敬語とかやめればいいのに……普通にしててもドスの効いていた声がさらに低くなった気がする。

「威力魔法に関しては、どう思いました?」

「可もなく不可もなくといったところです」

 俺が使ったのは初級魔術だ。そう来るのは予想通りだ。

「それなら、俺に受けさせて欲しい試験があります」

 ここからが正念場だ。散々匂わせてやってるんだ、ワクワクするだろ?

「…………内容は?」

 よし!初めてこいつのテンポを崩してやった。それならこれで――

「俺が一発だけレグナさんに魔法を放ちます。もちろん防御魔法を使ってもらって構わないので、それをうち抜けたら、俺の勝ちです。合格を認めてもらいます」

「アルト様……」

 そう、これはエリナさんの時の中級魔術師試験だ。

「……合格を認める、ですか」

「もしかして、初級魔術師でもない俺の魔法が、貫かれるのではないかと考えてるんですか?」

 こいつはプライドはさっきも言ってたが、あるはずだ。俺にわざわざ言うくらいだから、相当のプライドを。

 レグナは顎に手を置きながら悩んでいるようだが、うまく行くのは半々といったところか。


「………………わかりました。ですが、これが最終試験です。これ以上は何も受け付ける気はありません」

 よし!

「はい、十分です」

 魔術師としてのプライドだけではなく、人としてのプライドもあるはずだ。

 そんなこと言った覚えはないと約束を破られることは起きないと願おう。

 ――エリナさんの時の試験で俺も同じようにカッコよく決めてやるよ。

 さらに、ここから俺が考えたルールを追加する。

「では、早速始めましょうか、石を上に投げるので、それが落ちたら開始で構いませんか?」

「…………はい、問題ありません」

 また考えて答えを出しているが、そこに不正ない。

 ルールを守り、勝つ。

「エリナさんは軽く治療魔法も使えるので、そこは安心しといてくださいよ」

「お気遣いどうも」

 さぁ、誤解しろ、俺が中級以上の魔法を使うだけだと勘違いしろ。


 

「……では、行きます!」

 俺はそこそこでかい石を、上に放り投げた。

 今のうちに俺は魔法を選び、出力を決め、魔法のイメージの3ステップを完了。

 石が…………

 今……

 落ちた!

 風初級魔法

「《ウィンドブレイク》!!!」

 風の塊をこいつに飛ばす。

 バン‼︎‼︎

 ……当たった。

 かなり豪快な音が聞こえたが、狙いは肩だ、命に別状はないはずだ。

 唯一の懸念は、避けられて有耶無耶になることだったが、間違いなく当たった。

 俺の、勝ちだ……!




 ……は?

 俺の目に映ったのは、全くもって無傷の、レグナだった。

 そんな、なんで?

 おかしい、間違いなく当たったはずだ。詠唱なんか使ってなかったし、もしかしたらこいつも無詠唱魔法を使ったのか?

 いや、無詠唱だとしても、魔法名は言わないと使えない。

 どうしてだ?

「あ、あ……」

「…………俺は、風上級魔法、ウィンドヴェールを使って、外敵から守れるように、朝から詠唱をして纏っています」

「え……」

 そんなの……わかるはずが――

 ――いや、ヒントはあった。

 石が地面についた瞬間、すぐに詠唱を始めなかった時点で、怪しむべきだったんだ。

 詠唱勝負になるはずなのに大きく遅れたのを、怪しむべきだった。

 ……俺がやるべきだったことは、詠唱をしっかりして魔力を込め、最高打点の魔法を撃つことだった。

 清々しいほどに、俺は負けた。

 俺は足に力が抜け、尻餅をついた。

「この魔法……」

 結局、俺は才能をもらったとしても、頭がダメなら、全部ダメなんだな。

「なぁ坊主」

「……なんですか」

 レグナは俺を見下ろしていた。

 坊主って、いきなりなん――

「お前、やるな」

 え?あぁ無詠唱のことか。

「無詠唱はこんなの、運が良くて手に入れただけ――」

「いや、そこじゃなくてな」

 ん?じゃあなんだって言うんだよ。

「この風魔法、めっちゃ努力してるだろ?」

「………………え?」

 無詠唱じゃなくて、風魔法?

「俺は風魔法を主軸にしてるからな、どれくらい努力してるかは、お前の風を見ればわかる。しっかり練り上げられ、努力を感じる風だ」

 ――フッなんだよ、努力を感じる風って。

「暇だったんで」

「いや、暇潰し程度ならこうはならない、断言するが、しっかり集中して、成長をする意欲を強く持たないと、不可能だ。努力は時間も大事だが、1番大事なのは、どう思って努力したかだ」

 ……そうかよ

「……敬語、取れてますよ」

「ん?あぁ、ヤッベェ敬語をつけ忘れるなって上司からキツく言われてたのに……」

 頭をかきながら呟く、やっぱり指示でつけてたんだな。似合ってなかったしな。

「いつも通りでいいですよ。……俺って、そんなにすごいんですか?風魔法」

「かなりすげーよ、なんか悪いな。センスだけのある金持ち坊ちゃんだと思ってたわ」

「いや、俺もすみません。最初は筋金入りの悪者に見えましたもん」

「先祖代々伝わるこの顔の良さがわからないとは、やっと年相応の反応が見れた気分だ」

「え?その髪型とか先祖代々伝わってるんですか?」

「ジョークだ、というかすぐに髪型が例えで出るってことは相当この髪に思うことがあるんだな?お前」

「い、いや〜ハハハ」

 いつの間にか、レグナは俺の視線を合わせるように、しゃがんで話しかけてくれていた。

 俺が苦笑いをした後、しばらく沈黙が落ちた。

「……お前、合格で」

「え!?」

 ど、どうしたんだ?いきなり合格?

「そんなに驚くことか?話してて楽しくて、意欲があって、悪い奴じゃないならもういいだろ?それに、1番合格させたいやつでもあるしな」

 チラチラとこっちを見てくる。聞かれまちかよ。

「それってどんな人ですか?」

「そんなに気になるなら、教えてやるよ」

 思ったよりこいつお調子者だな。

 と思っていると、レグナは俺の頭を撫でながら言った。

「もしそいつが問題を起こしたなら、そいつのけつを拭いてやりたくなる奴だ」

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