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第二章:揺らぎ始める髪の帝国

レジスタンスの計画

地下の隠れ家では、レジスタンスのリーダー・山野しずえが仲間たちを集めていた。彼女の前には、都市全体の地図が広げられている。その中心には、かなさが居住する豪邸が大きくマークされていた。

「かなさの髪を傷つければ、彼女の魔法は大幅に弱体化する。それがこの都市を解放するための最初の一歩よ」

しずえの声は冷静だが、その奥には憎しみが滲んでいる。

風間蓮が前に進み出た。「髪を傷つけるって言っても、どうやって?あいつの髪には触れることすら危険なんだぞ」

「だからこそ、これを使うのよ」

しずえは机の上にスプレー缶を置いた。それは、彼女たちが開発した「髪ダメージスプレー」だった。

「これは、かなさの髪の表面に化学的なダメージを与え、ツヤや滑らかさを奪うことができる。魅了効果も弱まるはずよ」

「そんなもので本当に彼女に勝てるのか?」

「勝てるかどうかはわからない。でも、彼女を揺さぶるには十分な武器になる」

しずえは断言した。

「次のターゲットは、かなさの専属美容師がいるサロンよ。そこで使われているケア製品を改良して、逆に彼女の髪を傷つける成分を混ぜ込むの」

蓮は頷き、ゴム手袋を手に取った。「了解だ。やってみる」

________________________________________

第三勢力の暗躍

その頃、第三勢力のリーダー・黒谷涼子は、部下たちを前に冷たい笑みを浮かべていた。彼女のアジトは豪華な内装が施された一室で、そこにはかなさの髪の写真や、彼女の活動を記録した資料が並べられている。

「私たちの目標は、かなさの髪を一部切り取ることじゃない。全部よ。毛根から一本残らず、奪うの」

涼子の声には、揺るぎない決意が滲んでいた。

部下の一人が恐る恐る質問した。「しかし……彼女に直接接触するのは危険では?それに、髪を完全に奪った後、かなさがどうなるか……」

「どうなろうと知ったことじゃない」

涼子は冷酷に言い放つ。「魔法の髪の持ち主は、一人で十分。あの女には一本たりとも残さないわ」

部下たちは押し黙った。涼子の執念がどれほど強いかを理解していたからだ。

「まずは、彼女の豪邸に潜入する。彼女が寝ている間に毛根ごと髪を引き抜き、私のものにする。それで、この都市は完全に私の支配下に入るのよ」

彼女の計画は緻密だった。

•豪邸の警備システムをハッキングして一部を無効化する。

•部下たちがゴム手袋を装備し、髪を毛根ごと引き抜くための特殊な器具を持ってかなさの寝室に潜入する。

•髪を奪った後、かなさは力を失い、完全に無力化される。

「かなさの髪は、私が引き継ぐのよ。彼女が築いた帝国は、そのまま私のものになる」

涼子は不敵な笑みを浮かべた。

________________________________________

かなさへの揺さぶり

その夜、レジスタンスが行動を起こした。

蓮はゴム手袋を嵌め、専属美容師のいるサロンに潜入。髪のケア製品に「ダメージ成分」を混ぜることに成功する。翌日、かなさはその影響を受けることとなった。

「……何、これ?」

かなさは鏡を見つめ、愕然とした。

髪の一部が、いつもの滑らかさを失い、わずかに傷んでいるように見える。

「亮!」

叫び声に、執事の高嶺亮が慌てて駆けつけた。

「どうしたのですか、かなさ様?」

「髪が、傷んでるじゃない!どういうことなの?」

亮は困惑しながらも、美容師を呼び出す。美容師は平身低頭で謝罪しながら、原因究明を急ぐが、真相には気づけない。

「……いいえ、そんな言い訳は聞きたくない!」

かなさは激昂し、髪の美しさを取り戻すために専属スタッフたちにさらに過酷なケアを要求する。だが、その焦りがさらなるトラブルを引き起こすことになる。

________________________________________

第三勢力の奇襲

同じ夜、黒谷涼子の部下たちがかなさの豪邸に潜入した。

彼らは警備システムを無効化し、ゴム手袋を装備して静かに寝室に侵入。

かなさの寝顔と、その下に広がる黄金の髪が目に入る。部下たちは一瞬、ためらった。

「……本当に、これを全部……?」

「命令を忘れたの?」

通信機越しに聞こえる涼子の冷たい声が、部下たちを震えさせる。

彼らが髪を掴もうとしたその瞬間、かなさの髪に触れた部下が突然呆然と立ち尽くした。

「……美しい……」

魔法の魅了効果が発動し、部下たちは行動を停止する。その隙に、かなさが目を覚ました。

「誰よ……私の髪に触るなんて」

怒りに満ちた声が寝室に響き渡る。

バーサーカー化した魅了された男性たちが寝室に駆けつけ、侵入者たちを追い払う。

かなさは自分の髪を撫でながら、薄く笑った。「この髪に勝てると思ったのかしら?」

だが、その笑みの奥には、不安がちらついていた。自分の髪を完全に奪おうとする者が現れた――それは、彼女の想像を超えた脅威だった。



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